第四話
side__橋口 麗奈
「なぁに、これー?」
ゲームマスターとか名乗るアホから送られてきた一通のメール
文面的には和希か?
まぁ、分かんないけど。
面白そうだったのでグループに見せてみると皆が口を揃えて言った。
「何これー、下手な文章ー!」
side__渕 亜弥子
いつものように女子会していたグループに中断を入れて
通知欄をタッチした
ん?何この文章
下手...
クラスのリーダー格、麗奈ちゃんから送られてきた画像には
私達のクラス名簿と文体が滅茶苦茶な箇条書きがあった。
読み終えた所で突然スマホがブーッと鳴り、次の瞬間
全く同じ文章が送られてきた。
“わっ私らのクラス名簿じゃん!”
“これに匿名で投稿しろってゆーの?”
“マジウケるw”
ポンポンポンポン嘲りの会話が繰り広げられ、流れに遅れてはいけないと思い、メッセージを送る。
“どうやってクラス名簿をゲッドしたんだろうねw”
と送り皆の反応を待っていると
今までポンポン送られてきたメッセージが突然止み、一人がメッセージを送る。
“本当だ、何でだろうね...”
一気に既読が付き、また一人がメッセージを送る。
“気持ち悪い”
“ストーカーじゃ...?”
何。
何これ。
グループの皆は静まりかえり、ポツン、またポツンとメッセージが送られてくる。
徐々に不安感が増してくるのは気のせいだろうか。私は下手な文章を送りつけたゲームマスターを嘲笑っていただけなのに。
悪くなる空気に私はスマホを閉じてとりあえずお風呂に入ることにした。
三十分後
私達のグループはすっかり元に戻っていた。
メッセージを遡ってみると悪くなった空気に対して麗奈ちゃんが「何本気にしてんのよw」と送ったからだった。
本気に良かった...。
“もう、ただの悪戯なんて相手にしなくて良いんだよw”
ニコニコと笑う麗奈ちゃんが画面の向こうにいるようで、
私は頬を緩ませそうだねwと送った。