十人十色(未完成)
風が動いた。少し寒いくらいの、涼しい風。
木々が揺れた。同じものが違う音を創り己を主張する。
水が弾けた。朝露がなにもできずに落ちていく。静かに。
辺りを包み込む色に、無色な私は可笑しいくらいに浮いている。
きっと私は彼らよりも無力であろう。
この思いも何度も直した。そうしたら自分が消えて行った。
私色も無くなって、私の思いもなくなった。
色がないなら彼らよりも存在感がないだろう。
これも直しだろうか
私は色を持たないから彼らより存在感がない。
こうだろうか。まだ違う、言葉がうまく使えてない
求めるうちに私の言葉が消えて伝わりやすい言葉が残った。
前はどう書いていた?そう思いながらまた辞書を引いた。
当てはまる言葉を探して、何度も、何度も。
まるで、自分の言葉を消すように見合う言葉を探して行く。
自分の色が無くなった時はほとんど、自分が消したんだ。
無意識に消したいと願うのだろう
ああ、またなにが書きたいんだか。
これでまた駄作か
かけない。