そんなあなたに、ポケットティッシュを。
女子高生仲良し二人の、友情(?)物語。
「Mちゃーん、トイレ行こ」
「うん、行く行く」
二人の女子生徒が教室を出て行った。
よくある学校の、休憩時間の光景である。
「アイツ等、また一緒にトイレへ行ったぜ、怪しくない?」
「ああ、いつも二人で行動してるよな」
「あれはぜってー、出来てるって!」
男子生徒二人が、小声でこそこそ話し合う。
そんな彼等もまた、連れ立ってトイレに行く程仲がいい。
「あの二人、絶対出来てるよね」
「ねぇ、どっちが、どっちだと思う?」
などと、一部の腐女子と呼ばれる者共から、そう妄想され、勝手に萌え萌えな噂になっている事は……
知らない方が身の為だろう。
その頃、トイレに向かった彼女達は、用を済ませ、洗面所で手を洗っているところだった。
「しまった…」
「ひょっとしてKりん」
「うん、ハンカチを鞄の中に入れたまんまだった~」
「あたしのでよければ、使う?」
「おー、さすがMちゃん。ありがとー」
ところが、
当に手を拭き終えたのに、KはMにハンカチを返そうとしない。
「何、どうしたの?」
「あのさ、借りたハンカチをそのまま返すと、‘友情が壊れる’って聞いた事ない?」
「は?初耳だけど、て言うかそれ、どこの情報よ」
「と言う事はぁ、普通に返さないといいんでしょ」
(人の話し聞いてないし!)
「えっと、こうして…」
Kは畳まれたハンカチを、徐に広げ始めると、
「こうして、こう?」
Mのハンカチは、彼女の手でクシャクシャに丸められ、更に片手で握り潰されて返された。
(そりゃ、大したハンカチじゃないけど、それはあたしの!)
「はい、ハンカチサンキュー!こんな感じ?」
「………」
この後、二人の友情がどうなったのか、誰も知らない。
終
ほぼノンフィクション、私の体験談だったりします(笑)