第20話「失われた文明と、心の魔法の真実」
【あらすじ】 魔術師との戦いの後、ステラたちは、彼が残した古びた地図を手に入れる。その地図が示すのは、かつて「心の魔法」が栄えた古代文明の遺跡だった。遺跡に足を踏み入れたステラは、そこに眠る膨大な知識から、自身の魔法が、人々の心を操る危険な力ではなく、心を癒し、繋ぐための力であること。そして、大河が、その力を守るために生み出された存在であることを知る。しかし、遺跡には、その力を悪用しようとする、新たな追手が迫っていた。
魔術師との戦いの後、ステラと大河、ルナの三人は、彼が残した古びた地図を手に入れた。地図には、これまで伝説とされてきた、「心の魔法」が栄えた古代文明の遺跡が記されていた。
「私の力の…故郷…」
ステラは、地図を見つめ、自分の力の起源を知るために、遺跡を目指すことを決意した。
遺跡に足を踏み入れると、そこは、これまでの旅で出会った人々の「後悔」「嫉妬」「絶望」などの感情が、具現化された幻影となって、ステラたちを惑わす。
「ステラさん…これは…」
ルナは、幻影の多さに、驚きを隠せない。 しかし、大河が、三人の心を護るように、彼らの周りを優しく包み込む。
遺跡の奥へと進むと、ステラは、そこに眠る膨大な知識から、自身の魔法の真実を知ることになる。
「心の魔法は…人々の心を操るための力じゃない…」
ステラの魔法は、人々の心に巣食う負の感情を浄化し、心を癒し、そして、人々の心を繋ぐための力だったのだ。
遺跡の知識は、大河の存在についても語っていた。
「大河は…私の力を守るために…」
大河は、心の魔法を悪用する者から、その力を守るために、古代文明によって生み出された存在だった。大河の「癒し」の力は、ステラの魔法が暴走しないように、彼女の心を安定させるための力だったのだ。
「…そうか。私の魔法が不安定になるのは、大河がいないからじゃなくて…私が、心を癒すことを忘れてたからなんだ…。」
ステラは、自分の魔法の真の役割と、大河との絆の真の意味を知り、涙を流した。
その時、遺跡の入り口から、新たな追手が現れた。彼らは、ステラや魔術師とは異なり、組織的な力を持つ「心の魔法」の研究者たちだった。
「ついに見つけたぞ、心の魔法の使い手。そして…その力の守護者よ…」
彼らは、ステラの魔法と、大河の力を手に入れるために、あらゆる手段を使ってステラたちを追い詰める。 ステラたちは、新たな追手の存在を知り、自分たちの旅が、個人の戦いではなく、世界の運命をかけた戦いへと変わっていくことを予感する。
「ルナ…大河…行こう! 私たちの力は、世界を救うためにある!」
ステラの言葉に、大河は力強く吠え、ルナは、魔法で光の剣を具現化した。 三人は、新たな追手と戦い、自分たちの力を証明するために、最終決戦へと向かう。