第19話「再会の影と、最後の決戦」
【あらすじ】 故郷を後にしたステラ、大河、ルナの三人は、魔術師の根城である巨大な塔にたどり着く。魔術師は、これまで集めた人々の「負の感情」を吸収し、巨大な怪物へと姿を変えていた。彼は、ステラに「お前の力は、私と一つになることで、真の力を発揮する!」と語り、ステラを誘惑する。ステラは、魔術師の誘惑を退け、大河とルナと共に、最後の戦いに挑む。
故郷の村を後にしたステラ、大河、ルナの三人は、魔術師の根城である巨大な塔にたどり着いた。塔の周りには、これまでの旅で出会った人々の「後悔」「嫉妬」「絶望」といった負の感情が、黒い霧となって渦巻いている。
塔の中に入ると、魔術師は、これまで集めた人々の負の感情を吸収し、巨大な怪物へと姿を変えていた。それは、無数の顔と手が混ざり合った、醜悪な姿をしていた。
「来たな、心の魔法の使い手よ…!お前の力は、私と一つになることで、真の力を発揮する!」 怪物は、ステラに語りかける。
「お前は、人々の感情を浄化するだけではない。その力を私と一つにすれば、この世界から全ての苦しみを消し去ることができる!」
彼は、ステラの持つ力と、彼が吸収した力を合わせることで、世界を完璧なものにできると主張する。
ステラは、怪物の言葉に心を揺さぶられるが、これまでの旅で出会った人々の笑顔を思い出し、誘惑を退けた。
「あなたの言う完璧な世界は、ただの幻よ! 人々は、苦しみがあるからこそ、希望を見つけられるの!」
ステラ、大河、ルナの三人は、巨大な怪物となった魔術師に挑んだ。 モンスターは、これまでステラが戦ってきた全ての感情を具現化し、三人に襲いかかる。 ステラには、故郷を追われた悲しみが。ルナには、大切な人を傷つけた後悔が。大河には、片眼を失った無力感が。それぞれの心の傷が、モンスターに具現化される。
「…もう、逃げない!」
三人は、それぞれの心の傷と向き合い、それを乗り越える。 ルナは、ステラに教わった「希望」の魔法で、モンスターの攻撃を防ぐ。
「私たちは、一人じゃない…!」
大河は、ステラの心の傷を癒し、彼女に力を送る。
ステラは、二人の助けを借りて、これまでの旅で具現化してきた全ての感情、「後悔を許す鏡」「勇気の剣」「真実の光」「希望の光」「絆」を一つにまとめた。
「心の力よ…全ての光を、一つに…!」 ステラの掌から放たれた光は、虹色に輝き、モンスターの心を浄化していく。
ステラの魔法は、魔術師の心を浄化し、巨大な怪物となった彼を、元の姿に戻す。 魔術師は、力を失い、自身の過ちを認めた。
「…私は…全てを手に入れようとしすぎた…」
塔は崩壊し、三人は、瓦礫の中から、新たな旅に出る。
「私たちの旅は…まだ、終わらないね。」
ルナの言葉に、ステラは力強くうなずいた。 旅の目的は、ステラの持つ力を完全に制御し、そして、心を操る魔法を悪用する者たちと戦うことだと、明確になった。
三人は、新たな目的を胸に、旅を再開する。彼らの行く手には、まだ見ぬ強敵と、そして、彼らの故郷へと続く道が待っていた。