表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女の心の処方箋  作者: 吉本アルファ
13/21

第13話「追手からの逃亡者と、第三の力」

【あらすじ】 「叡智の図書館」での出来事を経て、追手からの逃亡を余儀なくされたステラと大河は、旅の途中で、追手に追われている一人の女性に出会う。彼女は、ステラと同じ「心の魔法」を使う魔術師でありながら、その力が暴走し、彼女自身が怪物化の危機に瀕していた。ステラは、彼女を救うために魔法を使うが、追手の存在が迫る。ステラと大河は、彼女を救うために、追手と戦いながら、彼女の暴走した心と向き合うことになる。

「叡智の図書館」での出来事以来、ステラと大河は、追手の存在を強く感じながら旅を続けていた。人目につかない道を歩き、モンスター討伐の依頼も避けていた。追手の気配は、ステラの心に常に不安と恐怖を植え付け、彼女の魔法を不安定にさせていた。


「…もう、近くまで来てるみたい。」


ステラがそう呟くと、大河が警戒するように、低い声で唸った。


その時、森の奥から、何者かが追われている気配がした。ステラと大河が木々の間に身を隠すと、一人の女性が、息を切らしながら駆け抜けていった。彼女の後を追うように、数人の男たちが追跡している。男たちは、魔術師の街でステラを罠にかけた、若き魔術師の手下だった。 女性の心から発せられる感情は、強い「後悔」と「恐怖」に満ちており、彼女の体は、その負の感情が具現化しようとしているかのように、不気味な光を放っていた。


「あの人も、私と同じ…?」


ステラは直感的に理解した。彼女もまた、「心の魔法」の使い手なのだと。


「助けなきゃ!」


ステラは、大河の制止を振り切り、女性の前に飛び出した。


「大丈夫、私に任せて!」


ステラは、魔法で女性の心に触れようとする。しかし、彼女の心に巣食う負の感情が強すぎて、ステラの魔法でも、それを浄化することができない。


その時、追手たちが追いついてきた。


「おとなしく捕まってもらうぞ、心の魔女!」


男たちが魔法を放つが、ステラは、魔法の壁でそれを防ぐ。


「…どうして? どうして私を捕まえようとするの…?」


ステラの問いに、男たちは冷酷に笑った。


「お前の力は、いずれ街を滅ぼす。その力が暴走する前に、捕獲する義務がある!」


彼らは、女性の暴走した力を狙っており、彼女を捕獲しようと攻撃を仕掛けてくる。 ステラと大河は、彼女を守るために、追手と戦うことになった。


ステラは、彼女の暴走を止めるために、大河と協力して、彼女の心に深く入り込んだ。 ステラは、彼女の心の奥底に眠る「後悔」の原因を知る。それは、彼女が愛する人を、自分の力の暴走で傷つけてしまったという、悲しい過去だった。


「…大丈夫。私も、同じだった…」


ステラは、彼女の心に「許し」を具現化し、過去を乗り越える手助けをした。


彼女の心が安定したことで、怪物化の進行は止まり、彼女は意識を取り戻す。


「…ありがとう。あなたが、私を…」


彼女は、ステラと大河に感謝を述べた。


「…私は、私の力の暴走で、大切な人を傷つけてしまった。だから、自分の力を制御する方法を探しているの。」


彼女は、ステラと同じく、自分の力を制御する方法を探していることを告げた。


「私…あなたの旅に、同行してもいいかな?」


ステラは、彼女の言葉に、静かにうなずいた。


「…もちろんよ。」


彼女の名前は、ルナ。 彼女の存在は、ステラにとって、同じ力を持つ仲間であり、彼女の魔法の危険性を再確認させる存在でもあった。


三人の新たな旅が、ここから始まる。 彼らの旅は、モンスター討伐から、自分たちと同じ力を持つ仲間を探し、力を狙う追手と戦う、新たな局面を迎えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ