第13話「追手からの逃亡者と、第三の力」
【あらすじ】 「叡智の図書館」での出来事を経て、追手からの逃亡を余儀なくされたステラと大河は、旅の途中で、追手に追われている一人の女性に出会う。彼女は、ステラと同じ「心の魔法」を使う魔術師でありながら、その力が暴走し、彼女自身が怪物化の危機に瀕していた。ステラは、彼女を救うために魔法を使うが、追手の存在が迫る。ステラと大河は、彼女を救うために、追手と戦いながら、彼女の暴走した心と向き合うことになる。
「叡智の図書館」での出来事以来、ステラと大河は、追手の存在を強く感じながら旅を続けていた。人目につかない道を歩き、モンスター討伐の依頼も避けていた。追手の気配は、ステラの心に常に不安と恐怖を植え付け、彼女の魔法を不安定にさせていた。
「…もう、近くまで来てるみたい。」
ステラがそう呟くと、大河が警戒するように、低い声で唸った。
その時、森の奥から、何者かが追われている気配がした。ステラと大河が木々の間に身を隠すと、一人の女性が、息を切らしながら駆け抜けていった。彼女の後を追うように、数人の男たちが追跡している。男たちは、魔術師の街でステラを罠にかけた、若き魔術師の手下だった。 女性の心から発せられる感情は、強い「後悔」と「恐怖」に満ちており、彼女の体は、その負の感情が具現化しようとしているかのように、不気味な光を放っていた。
「あの人も、私と同じ…?」
ステラは直感的に理解した。彼女もまた、「心の魔法」の使い手なのだと。
「助けなきゃ!」
ステラは、大河の制止を振り切り、女性の前に飛び出した。
「大丈夫、私に任せて!」
ステラは、魔法で女性の心に触れようとする。しかし、彼女の心に巣食う負の感情が強すぎて、ステラの魔法でも、それを浄化することができない。
その時、追手たちが追いついてきた。
「おとなしく捕まってもらうぞ、心の魔女!」
男たちが魔法を放つが、ステラは、魔法の壁でそれを防ぐ。
「…どうして? どうして私を捕まえようとするの…?」
ステラの問いに、男たちは冷酷に笑った。
「お前の力は、いずれ街を滅ぼす。その力が暴走する前に、捕獲する義務がある!」
彼らは、女性の暴走した力を狙っており、彼女を捕獲しようと攻撃を仕掛けてくる。 ステラと大河は、彼女を守るために、追手と戦うことになった。
ステラは、彼女の暴走を止めるために、大河と協力して、彼女の心に深く入り込んだ。 ステラは、彼女の心の奥底に眠る「後悔」の原因を知る。それは、彼女が愛する人を、自分の力の暴走で傷つけてしまったという、悲しい過去だった。
「…大丈夫。私も、同じだった…」
ステラは、彼女の心に「許し」を具現化し、過去を乗り越える手助けをした。
彼女の心が安定したことで、怪物化の進行は止まり、彼女は意識を取り戻す。
「…ありがとう。あなたが、私を…」
彼女は、ステラと大河に感謝を述べた。
「…私は、私の力の暴走で、大切な人を傷つけてしまった。だから、自分の力を制御する方法を探しているの。」
彼女は、ステラと同じく、自分の力を制御する方法を探していることを告げた。
「私…あなたの旅に、同行してもいいかな?」
ステラは、彼女の言葉に、静かにうなずいた。
「…もちろんよ。」
彼女の名前は、ルナ。 彼女の存在は、ステラにとって、同じ力を持つ仲間であり、彼女の魔法の危険性を再確認させる存在でもあった。
三人の新たな旅が、ここから始まる。 彼らの旅は、モンスター討伐から、自分たちと同じ力を持つ仲間を探し、力を狙う追手と戦う、新たな局面を迎えていた。