第二話 転移した物
俺の名前は佐藤貴史
ごく平凡なサラリーマンだ。
これといった特徴はないが顔は悪くないほうだ、まあ独身なんだけど。
俺は毎朝コッペパンを食べている。目覚め、顔を洗い、コッペパンを食べてからの出勤。これが朝のルーティーンだ。今日はいつもよりも起きるのが遅く、朝ご飯を食べる時間がなかったからコッペパンを咥えての出勤である
いわゆる「わーちこくちこくー」とか言う状況である。
いつも通りに駅へ向かうと電車はもう出発していた。
駅のホームで電車を待ちながらコッペパンを食べていると突如地面が光りだした。
「う、うわ!なんだ!!」
で、ここに召喚されたわけだ。
会社に行こうと思ったのに気づけば、全く知らない場所に、そして手には離れないコッペパン……あれ?何口か食べたはずのコッペパンが元に戻ってる?
不思議に思い、コッペパンを一口かじってみた。
あれ?味がしない完全なる無味だ。
だが、その直後ありえないものを目にする
かじったはずのコッペパンが再生している。
「なん・・・だと」
ここにきてからありえないことばかりだ。
もう考えるのも疲れた、今日はもう寝よう
ベッドに横になり、
「これが夢だったら…」そう呟き俺は眠りについた……
そのころ城内では……
「彼はどこへ行った!」
「わかりません!城の外に行ったきり見ていません」
貴史にコインを渡した兵士が来て言う。
「ああ、あいつは城の近くの宿屋に泊めさせたぞ」
「兵長!大変なことが発覚したんですよ!」
「どうしたんだよ」
「見てくださいこの書物を」
そこには貴史の手に持っていたコッペパンと瓜二つのものとステータスが書かれていた。
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名称 コッペパン
レアリティ 伝説
攻撃力???
耐久値???
スキル
持続回復EX
経験値吸収
自己強化
装備解除不可
以下不明
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「曖昧な表記や、見たことのないスキルは多いが、レアリティは最高の伝説か」
「今すぐでも奪いに行きましょう」
「そうしたいのは山々だが、忘れるな。武器のレアリティはあくまでも伝説だぞ。パーティーを組まなくてもA級の魔物を一人で圧倒出来るほどだ」
「わかりました、明日の早朝に兵を整え武器を奪いに行きましょう」
「しかし、彼の持っていたあの奇妙な装備品が伝説武器だったなんてな。」