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王様に呼び出されました。

「さっそくだがユーナ、会議室での一件について君を危ない目に合わせてしまったこと、この国の王として謝罪せねばなるまい」

「え、そんな王様が謝るなんて」

「何を言う。後見人がいようと君はまだこの国の民ではないのだ。誰であれ私の国の民が異界の者に迷惑をかけたのは事実。それは王が謝罪せねばなるまい」

優しい顔立ちの王は目だけはやたら鋭い。

全てを見透かすような目だ。


「重ねてすまないが、誰がどのような手段で何を飲ませたのかは…まだ分からないのだよ」


私もずっと考えていた。

いつ、誰がどうやって…と。もしかしたら本当に体調不良だったんじゃないかと。


でも、やはりどうやら違うらしいのだ。


「そう、ですか…」

「ふむ、まあ悲観的になるなと言う方が無理だ。だからな、なるべくユーナが安心して過ごせるように手を打たせてくれないかな」


(え、警備とかめっちゃつくのかな…なんかそこまでしてもらうのは悪いような…)


「エリオル、控えておるだろ?」


王座の横、垂れ下がった幕から控えていたらしい、この国の王太子が現れた。

「は、父上。ここにおります」

「了解しておると思うが、ユーナのそばにいてやると良い」


「…ん?」

「仰せのままに」


(いやいや、どういうこと!?側!?側っていうのはどういうこと!?)


「あの、王様?一国の王太子サマがどこの馬の骨ともしれない女の護衛をしてくれるということですか?」


(それはちょっといくらなんでもどうなんだ!?どうなってる、この世界の王太子への扱い!)


「はっはっは!!護衛と言うかな!あっはっは!これはケッサクだ!!はっはっは!」

「父上、よしてください」

「まあ、良かったじゃないか!一緒にいれば何かと話も弾むじゃろ!」

王様はまだくつくつと笑っている。

「護衛…」

言いながら、人差し指で両目を擦って涙を拭いてまでいる。


そこまで面白かったのだろうか…

(ヨクワカラナイ…)


「話はそれだけじゃないんだがな、まあついでだ。ユーナ、王宮の散策を許可しよう。エリオル。案内してやりなさい」


そうか、王様は忙しいんだろうし、あとのことは王子様から聞くと良いと。


(いや、王子もそれなりに忙しいのでは…)


正直、この世界で信頼している人なんて私にはまだいないのだ。

後見人のセイレス伯爵だってそんなにはお話ししたことがないし。


(まあ、この一週間ほとんど寝てたわけだから…それでも合間を縫ってセイレス伯爵も様子を見にきてくれたのよね…)


それでも、少しだけホッとできる人はできた。

数少ないけれどエリオル王子もその一人だ。

(あとはリノーアかしらね…彼女とはずっと一緒にいたもの)


悲しいことに、花梨は今一番信用が置けないのだと痛感した。

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