1.始まり
あたりは暗闇で覆われている。
その闇は、無限に続くように奥に奥にと広がっているように感じる。実際そう感じているだけで本当は、もっと狭いのかもしれないし、そうであるかもしれない。
俺はどうしてこのような状況になったのかを、先程までの記憶を思い出そうとする。
☆
場所は、特に変わった所のない俺が通っている公立の高校だ。
俺は普通の人間だ、友達もいるし部活にだってちゃんと参加している。友達と遊ぶのは楽しいし、勉強だって学年で真ん中よりよりちょっと上くらいにはできる。ただ最近この繰り返される終わらない日常にちょっと退屈を感じているくらいだ。
今は数学の授業、教師の話を聞きながら綺麗とも汚いとも言えない程度にノートを取る。
教師は、結構前からこの学校にいるという少し生え際が後退している男だ。喋るのがうるさく、近くで会話をすると唾が飛ぶので女子だけでなく男子からも嫌われている。
俺も嫌いだ。
そんな嫌いな教師の授業も今チャイムが鳴って終わった、決まっている時間より体感時間がとても長く終わった瞬間解放された気分になった。すると教師は、荷物をまとめてすぐ出て行った。これだけがこの教師のいい所だ。
前の席にいる友人、谷口が後ろを向いて話かけてきた。
「あー疲れたー、マジアイツの授業ダリーは、お前もそう思うだろ? 森?」
俺の名前は森ではないそれはあだ名だ、本名は、林 雄木だ、林とユウキの木を合わせて森となったわけだ、別に嫌というわけではないが、中学の頃から同じだった奴に『森!』と言われすぎて苗字が本当に森だと間違われたことがあるくらいだ。それくらい『森』が定着してしまっている。
「それな、マジ眠いは」
そんなくだらない話をしてた。
「それでな―――」
ドゴンッ、後ろで俺達の話を遮るように大きな音が聞こえた、途端前の方で喉を押さえ苦しんでいる女子の姿が見え、すぐにドンッと床に倒れた、すると教室内に喉を押さえて苦しむ人また何人かでた。
「いっ―――ゔぅ"」
一体なんだ?と言おうとするが俺は、息が吸えなくなり喉が燃えるように苦しくなり谷口がこちらを青ざめた顔で見ていたのを最後に意識が途切れた。
☆
全て思い出した。
俺が意識を失う前にも何人か倒れていたから、他の人も俺みたいになったのかな?
てゆーか俺死んだのかな、日常はそんな楽しくなかったけどまだ若かったからたくさんやれることがあったはずだ。
てか、ここどこまじめに! 死んでないよね?
暗闇を見るが何にもない。自分は妙な浮遊感を感じていて地面にいるという感覚がない。
もう一度暗闇をみるやはり何にも見えない。やばい、マジ何もないやここ。そしてもう一度見ようとして目をこすろうとするーーーができない。
ぇあ? 心の中で変な声がした身体を動かす感覚はある、しかし身体を触ることができない。
どういうことだ?
ふと、自分の身体を見ると一応見えるが、身体が半透明になっている。ふぁっつ! また、変な声が出た。
俺もついに透明人間デビューか、ってそうじゃないそうじゃないどうしてこうなってんだ?
俺の身体は少し白く淡く光り輝いていた特に心臓にあたる部分は他の場所より強く輝いていた。
少しどうしてこうなったか考えようとしたがやめたこんなの誰にだって分かるわけがないのだ。
前を見ると、視界に小さな小さな白い球が見えるだんだんその球は、大きくなるのが分かり、それがこっちに近づいてくるのが分かった。
俺のすぐそばまで来た、白い球の大きさはバスケットボールくらいで、白く淡くぼんやりと光っていた。
「*****?」
なんだ? なんか喋っているけど分かんない。するとまた、もう一つの白い点が近づいてくるのが分かった。
まだ後に来た白い点はこっちにまだ来ていない。俺のそばにいる白い球がゆっくり俺の方に移動して今白い点が俺の身体に少しちょこんと触れた。
パリンッ、俺の身体は縦に真っ二つに割れた、俺の意識が二つに割れた片方は強く輝く心臓の部分を持つ方ともう片方は持たない方と別れた。痛くはない。そして、俺は強く輝く心臓の部分を持つ方を見た、あぁ俺は二つに別れたんだ。直感的に理解してしまった。そして自分は、強く輝くモノを持ってないんだと理解した。
ちょうど俺が割れた少し後に後から来た白い点もこちらに来て最初に来ていた白い点に何か話しかけようとしたところで俺の意識はグインッと何かに吸い込まれるようにしてまた失った。
二話も一緒に出しました。




