神罰のお話
むかしむかし、神様を奉り、教えを実践すべき神殿は長い長い時の中で悪事を働くようになってしまいました。
悪い神官A
「わっはっは。今日も愚かな庶民がお布施に来よるわ」
悪い神官B
「そうですね。商人も開拓村だとかで高額で結界石を買っていきました。いやあ。神様々ですなあ」
悪い神官A
「Bよ、買うじゃない。お布施と言いなさい」
神殿にはすでに怠惰に肥え太った者しか居りません。
ある日、決定的な出来事が起こりました。
悪い神官A
「何だと!神官様に逆らうのか!神罰が怖くないのか」
孤児院の院長
「しかし、神官様は孤児達を見捨てると言うのですか?」
この時代、孤児院は有れど、お金は足りなく食べ物を手に入れようにも、子供だけではランク1の魔物すら危険。
神殿の教え、ざっくり言うと'人を増やす'為にも子は宝。孤児院を運営し、子供の成長を助ける事も神殿の仕事の内のはず。
悪い神官B
「ええい!孤児なんて野垂れ死のうが神官様に関係無いだろうが。追い出せ!」
神官に従う神殿騎士が院長を手荒く追い出します。
通行人は神殿が、実在すると知っている神様の神罰が怖く見て見ぬふりです。
それを神殿の外でこっそり見ていた孤児達はとうとう手を出してしまいました。
「院長先生に乱暴するな!」
投げた石が神殿騎士に当たってしまいました。
「このガキ!」
「危ない!」
神殿騎士の振り上げた剣は院長の制止も間に合わず、Lvもまだ低い子供を切り裂きます。
「ふんっ。神罰だ!」
「ああ。そんな……。神殿こそが罰を受けるべきでしょうに……!」
子供のHPはすでに0です。院長は嘆き、願いました。
その時、天使が舞い降りるやいなや、神殿騎士を殺してしまいました。
全ての人の頭の中で声が響きます。
─人の神殿への罰を願う者多数。"神"と名の付く機関である事を踏まえ、神罰が下る事と成る─
"神"殿を名乗るのだから、と。神殿の関係者全てに差は有れど罰が下りました。
罰を受けた者は『老化』が無くなり、
ある者はLv1に固定、ある者は『痛み』固定、ある者は『四肢欠損』固定、ある者は『飢餓』固定、等々。
普通に天使に殺された者も。
なかなかえぐい。
そんな中、その院長だけさらに、神様の声が聞こえ、静かに涙を流しました。
─蘇生は自ら禁じているが、新たに産まれる子に死んだ子の名を付けよ。同じ魂を持って産まれるだろう。特例だ─
数年後、血の繋がった親子になった2人は綺麗になった孤児院で沢山の子や兄弟に囲まれ幸せに暮らしました。
魂が同じだから同一人物。と言う設定。
じゃないと、連載の方の召喚された神子と地球人は別の人になってしまう。