10話 店と遣い?
前書きに、これまでのあらすじ
後書きに、次回予告的なもの
をやってみたくなったのでやります!
いつも星人転生を読んでくれている読者の方々ありがとうございます。
ブックマークを付けてくれた方々ありがとうございます。
星転、前回は
クォーゼル「私が商人ギルドのマスターよ」
ラオラス「大事にしてやってください。」
サリア・ティリア・ウガン
「「「よろしくお願いします。」」」
ウィムア「君があの水を売っている商人か!」
ディアナ「あと少しで野菜の収穫です。」
ユーミルが人化する前に服を被せる描写を追記しました。
「おぉ。本当に繋がったな。アストか? エドルドだ。朝飯食いながら話せないか? 珍しい物も手に入れたから、それも渡そうと思ってな」
朝、エドルド達から連絡があった。
どうやって、連絡を取ったかというと、ギルドカードの連絡のみの機能を持ち、連絡枠が沢山ある石版を万能の腕輪の中に入れてある。
簡易携帯電話である。
商人ギルドのカードも連絡機能があるので、登録してもいいのだが、まだしていない。
現在は、シーナさんのみである。
「わかりました。宿の食堂ですか?」
「あぁ。そうだ。朝食も頼んでおくよ」
宿の食堂にいるという事なのでルコと一緒に向かう。
今日の露店販売はしていない。
「ルコ、エドルドさん達に会うから、宿の食堂に行こう。ついでに、ご飯もそこで食べよう」
「はい! わかりました」
「サリアさん。すみません、人と会う用ができたので俺とルコは朝ごはんはいりません。昼には帰ってきます。後、夕ご飯もお願いします」
「はい。わかりました。行ってらっしゃいませ」
「行ってきます」
「行ってきま〜す!」
宿の食堂に行き、エドルド達のもとに行く。
「おはようございます。皆さん」
「おはようございます!」
「おう」
「おはようさん」
「おはよう」
「おはようございます」
「朝ご飯を食べながら話しましょう」
「そうだな。お前達の分も頼んである。ルコちゃんは多めに頼んであるぞ」
「エドルドさんありがとうございます!」
運ばれてきた朝食を食べながら、話を聞いてみる。
「それで、珍しい物ってどんなのですか?」
「あぁ。これだ」
エドルドさんが取り出した物は、初めて見るがとても、とても心当たりのある薬草と木の枝だった。
「木は木ごと切ってきたんだが、今はこれだけな。それと、薬草はギルドの方で、錬金術師と話し合って値段とかを決めるらしい」
そんなに、大ごとになってるのか。
「その木なんだがよ。武器に魔力を通して全力で何回か振ってようやく切れたんだ。すげー堅かったんだぜ」
フィンさんが木について教えてくれた。
そうだと思います。
何せ、最高質の魔力から生み出された土、水、種ですから。
「あ、ありがとうございます。これはもらっても?」
少し動揺してしまったが、どのくらい良い素材なのか、気になるから欲しいな。
「あぁ、それとスライムの死骸と、後は、アイテムの意見だけど、煙の出る石、煙幕石とでもしようか。あれって匂いも消えるのか? それなら、鼻が効く魔物にも有効なんだが、違うとなるとこちらが不利になる場合がある」
消臭効果は付けていなかったな。
やっぱり、実際に使ってもらうと良い所と悪い所がわかっていいな。
まぁ、これは多くの実戦と経験を積んできた、Bランク冒険者だから分かるのかもしれないが。
「わかりました。効果を追加しておきます」
「後は、……今はこんな所かな」
他のアイテムの改善点を聞く。
商会設立の事も言っておこう。
ついでに、宣伝もしてもらおう。
「ありがとうございます。それと、教会の隣に商会を設立する事になりました。エドルドさん達の方でも宣伝してくれると嬉しいです」
「そうなのか。それはおめでとう! で商会の名前はなんて言うんだ?」
「はい。 (表向きは)この世界の人々に気軽に立ち寄って欲しいという意味を込めて 『星人の家 』という名前を付けました」
「なるほどな。いいんじゃないか。それでどんな物を売るんだ?」
「水と魔法石は確定しているので後は生活に役立つ物、ポーション、食べ物などですね」
「武器と防具は売らないのか?」
エドルドさんからそんな意見を頂いた。
儲かる自信があるからな。
わざわざ、他の店舗と争う必要はないだろう。
「パドムさんの武防具店があるので、食べ物もここら辺では手に入らない物を売る予定です。エドルドさん達は、明日は何か予定がありますか?」
ちょっとした物を試してもらいたいんだが……。
「いつも通り依頼を受けての探索だな。商品の試験ならやるぞ」
エドルドさんも予想してたみたいだな。
「そうだぜ、面白い事やるなら、まずは俺たちがやるぞ!」
「フィンさん、アストからもらった手裏剣とクナイにはまって、他のアイテムも楽しみにしている見たいだよ」
フィンさんのテンションが上がり、グミルさんがその理由を教えてくれる。
「お姉ちゃんも、今までは身体強化だけで、火魔法が使えるようになったら、すごい使ってたけどね」
「それを言ったらホミルも二属性同時に使えたとか言って、笑いながら魔物を仕留めていったじゃないか」
そんな感じで、炎の剣の武勇伝? を聞いていたが、最後にエドルドさんが止めに入り、本日は解散となった。
家に帰る前に宿を引き払った。
泊まらなかった分の料金は返してくれた。
帰るときに、また水を売ってくれと言われて、二日後の昼に教会の隣に商会を設立すると言っておいた。
宣伝もしてくれるらしい。
「ルコ、帰る前に商人ギルドに寄って行くよ。二日後の昼に、開店すると言っておきたい」
「わかりました!」
商人ギルドに行き、シーナさんの受付へ。
「こんにちは。シーナさん、二日後の昼に店舗を開店します、と伝えに来ました。それと、開店日に応援を頼みたいんですが。後、あの周辺の土地を購入したいです。お金は後で払う事になりますが」
「えっ!? 二日後の昼ですか? 店舗完成したんですか? 話したの昨日ですよね。土地の事は分かりました。伝えておきます」
「はい。魔法でちょちょいと。よかったらこの後、見に来ますか? 内装はまだですけど」
「わかりました。ギルドマスターに言ってくるので少し待ってください」
少しすると、シーナさんが来た。
「お待たせしました。許可はもらいました。土地の事はまた後日、お話するそうです。それと、開店日の応援ですが、私と町長の奥さんが来てくれるそうですよ」
「町長の奥さんですか? お仕事とか大丈夫です?」
「問題ないそうですよ。元々開店日に行く予定だったそうで、それならと。町長さん直々の許可をもらいましたから」
「そうですか。ありがとうございます。では、行きましょうか」
シーナさんを連れて星人の家に行くと――
「えー!? 何ですかこれ! 何で一日でこんな建物が建っているんですか!?」
凄く驚かれた。
「まだ完成してないですよ。外観だけです 」
「これだけでも十分すごいですよ。内装まで完成していたら、怖いですよ」
「まぁまぁ、とりあえず、中に入りましょう。アストです! ただいま帰りました」
「帰りました!」
シーナさんを連れて、ルコと共に帰宅する。
「お帰りなさい。アストさん、ルコさん。ティリアは隣の教会に遊びに、夫は作業場の整理をしています。あら? 確か、そちらの方は商人ギルドの」
「シーナと言います。開店日にも手伝いに来ます。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
シーナさんは挨拶だけして帰って行った。
「サリアさん、俺は部屋で色々と作業をしているので、何かあったり、昼食になったら呼んでください」
「はい。わかりました」
ルコと共に部屋に行く。
「ルコにはちょっと頼みがあるんだけど」
「何ですか? 主様! お手伝いですか?」
「うん。森で、モンスターを狩ってきて欲しいんだ。ランクの高い魔物も頼みたい。無理はしなくていいから。できるかい?」
「任せてください! たくさん持ってきますね!」
嬉しそうに返事をすると、森に転移していった。
さてと、俺は、色々作ってみるかな。
木と石を箱の形にして星魔法の印をつけてチートな箱にする。
材料を入れると、入れた量だけ完成した物が出てくるそんな不思議な箱である。
例えば、ガラスを作りたい場合。
ケイシャ、ソーダー灰、石灰石を入れる。
そうすると……なんという事でしょう!
十秒ほどで、ソフトボールくらいの大きさの塊で出てきます。
しかも、俺の収納に箱ごと入れておけば勝手に材料を生産して、作ってくれる便利機能付き。
そんな感じの生産ボックスをたくさんの種類を一つずつ作る。
これで、食べ物や素材については問題ない。
後は、洗濯機や炊飯器、冷蔵庫、オーブン、バイク、車などの複雑な物だが、これらは、魔石を使ってしっかりと作ろうと思う。
魔石を用いた魔道具を使うには、最低でも魔力操作レベル一が必要だが――正確には、魔石に魔力を込めるのに――そこは頑張ってもらおう。
途中でルコが帰ってきた。
一時間半でだいぶ狩ってきたようである。
昼ごはんを食べた後、午後からまたお願いした。
さてと、俺の方は魔石を使っていざ製作。
電気の通りやすい金属は、魔力も通しやすい。
地球では科学が発展していて、電気が普及していたが。
この世界は、魔法があり、魔素があり、魔力がある。
これを上手く使いたい。
記録を使いながら作り続ける事、約四時間。
車以外の思いつく家事魔道具と、バイク二つを作製。
そろそろルコが帰ってくる。
サリアさんも夕食ができたと呼びに来るはずだ。
今のうちに炊飯器にお米を入れて炊いておこう。
夕食の時に出して皆の反応を見てみよう。
そんな事を考えているとルコが転移で帰ってきた。
そして――
「主様! 弱っている子を拾いました。助けてあげてください!」
ルコの腕には一羽の翼が傷ついている鳥がいた。
とりあえず、魔法で傷口の洗浄と傷をふさぎ、生産ボックスで作られた布にポーションを浸し、翼に巻いてやる。
「ルコ。まずは、説明をしてくれどこで拾ったんだ?」
「はい! 私が森で狩りをしていたら上から降ってきました! 私も同じだったので主様なら助けてくれると思って連れてきました!」
ルコからの報告を聞く。
「よかったですね! 助かりましたよ!」
鳥の魔物にそう言うルコ。
ちなみに、鳥の魔物は薄い緑色でミミズクフクロウみたいな感じだ。
鑑定させてもらう。
[鑑定]
『ヘヴンオウル』 ランクー
綺麗な色と翼から神の使いとも呼ばれる。
人生に1度見れれば幸運とされるため、見た者は幸せが訪れるという言い伝えがある。
風魔法と光魔法、邪気を払うといわれる聖魔法が得意。
ほ~。
縁起の良い鳥だな。
そして、聖魔法。
神に認められた聖女、異世界から召喚された勇者等が持っているとされる魔法。
ちなみにフクロウはさっきからずっと俺を見ている。
そのため俺と見つめ合っていると表現した方がいいかもしれない。
じーーーー。
「はぁ~~。まずは、説明してもらうぞ」
印で念話だけ可能にする。
:(聞こえるか? お前に念話を送っているんだが)
:(ほぅ。この私をお前呼ばわりか。いくら神の加護を受けているからといっても調子に乗るなよ。けがについては、助かった感謝している)
何だこいつ、ツンデレか?
声も正義感のあるちょっときつめな感じだし。
:(それは悪かったよ。というか、俺に加護があるとなぜわかった?)
:(私は神に使える者だぞ。すぐにわかる。それと私は、お前に会いに来た)
:(俺に? どういう事だ? 教会の祭壇の前で祈ったときは何もなかったぞ?)
:(事情があって今は連絡が取れないだけだ。だから、私が来た)
えっ?
何があったの?
:(何だ? もしかして、面倒な事なのか?)
(神の見習いが一人、闇に堕ちた。そして、標的にされたのがスーラ様のこの世界だ。理由はわからないが、恐らく、適当なのだろう)
なんだか急に重い話になった。
でも、一つ気になることが。
:(スーラ様っておじいさんだよな?)
:(違うぞ。目麗しい女神様だ)
:(でも、こっちの世界に送られた時におじいさんの声だったんだけど。後、この世界では、好きなように好きに生きてくれと言われたんだが)
:(詳しくはわからないが、精神世界などは本人のイメージが強く出るからな。それと、嘘ではないぞ。スーラ様自身の力を、可能な限り使ってそんな能力を渡しているのだからな。詳しい話は後でしてやるからそこの娘と同じく人化させてくれ)
:(できないのか?)
:(できん)
ルコとほぼ同じ条件で印を付けてやる。
人化される前に、適当な服を被せてやる。
球になり、出てきたのは、すごい美女だった。
翡翠色の長髪で巨乳、身長も俺と近い。
「ほぅ。これが人の姿か。そこの娘、怪我した私を拾ってくれて感謝するぞ」
「はい! これで一緒の仲間ですね!」
「よかったな。ルコ。それでなんで怪我してたんだ? お前の実力なら怪我なんてしないだろう」
「私の事をまたお前と言ったな。怪我については……あまり言いたくない」
「おい。邪神の手先とかだったらどうすんだ? こっちには星魔法の記録っていうのがあって勝手に調べられるからな」
「うぅ……わかった……言う! 言えば良いのだろう!」
なんかキレたぞ。
「お」
「「お?」」
「お腹が減って木の実を食べようとしたら擬態した魔物だったのだ!」
ぐぅ~~。
どこからかそんな音が聞こえ、顔を真っ赤にして言った。
「アストさん。夕食ができましたよ」
サリアさんが良いタイミングで部屋に入ってきた。
「あら、そちらのかたは?」
「あっ……あぁ。彼女は……え〜……ゆ、ユーミルだ。ルコが今日仲良くなった冒険者らしい。彼女にも夕食を用意してくれ」
「はい。かしこまりました」
サリアさんが部屋から出る。
「うっぐ……うぅ~~~……うわあぁぁぁぁぁ」
ユーミルは……号泣……した……。
読んでくださりありがとうございます。
こんな感じで、ちょっと真面目でちょっと笑いありの自由な?ストーリーを書いていきたいと思います。
次回の星転は
アスト「後で詳しい事教えろよ。」
ユーミル「……………」
アスト「無視するなよ!」
ルコ「主様!息がしづらいです!」
エドルド・フィン 「「負けるかーーー!」」
次回は13日です。