episodes 4 宴
すみません!昨日続きを出すはずが遅れてしまいました…
Kane side
皆さんこんばんは、ケインです。試験が終わって夜に食堂にて歓迎会が行われることになったので現在そこに向かっています。
でも、信じられないなぁ…実を言うと、前に1度二次試験の時に落ちたんだよな…
それを踏まえて剣術の修行をしていたらたまたまハサンさんに出会ってそこから微弱でも役に立つ魔法の使い方とか色々教わったことと、ハサンさんの動きをよく覚えていたからということ、それに加え、プラック隊長が認めてくれたから合格出来たんだよな…
っと、そろそろ行かないと…
ー食堂ー
さて、食堂に着いたけど、僕が遅く来たせいか多くの人がテーブル席に座っている。
とりあえず、料理を取ってどこで食べようかと考えていると、
「ケインくん、何ボーッと突っ立っているの?」
「ウワァ!?」
と、後ろから息を吹きかけながら声を掛けてきたのはケットシーの茶髪の少女だ。
彼女はルナ。僕と同じく7番隊になることになったんだ。
「びっくりさせないでよ、ルナ」
「ゴメンゴメン、それより、皆待ってるから行こ」
そう言われつつ、僕はルナについて行った。
「おまたせー、皆」
ルナがあるテーブル席に座っている妖精達に言う。この妖精達は皆僕と友達だ。
「ようやく来た、待ちくたびれたわ。」
と言ったのはスプリガンの紫髪の少女。
彼女はマリー。長距離ライフルが得意な妖精だ。
「…お腹空いた」
「まぁまぁ、全員揃ったわけだし、さっさと食べようぜぇ」
マリーに続いて食事をうながす2人の少年。片方はトーマ。ケットシーの少年で、あまり喋らないけどナイフや罠仕掛けが得意だ。
もう片方はヴァン。陽気な奴でこの国ではあまり使われていないヌンチャクを使う。何でも、父親の方は東洋出身らしい。
「そうだね、とりあえず食べよっか」
と、ルナが音頭を取る。僕もお腹すいたし、そろそろご飯を食べたいな。
「そんじゃあ、今回の合格を祝して!乾杯!」
「乾杯!」
「トーマの足さばきはとても参考になったな。今度はあれを活かしたいよ。」
「なーにいってんだ、ケイン。そーいうおめーもよくあんな戦い方出来たな。砂埃起こして罠に誘導するとかよぉ」
「あと、敢えて気絶させる技術を使ったことも驚いたわ。」
「武器もそうだけど、ケインくんの頭のキレのよさも相当だね。後から聞いた話だけど、ケインくん一次試験の筆記でトップなんだって。」
「…ほんとにすごい」
とまぁ、こんな感じに談笑しています。というか、そんなに褒められても恥ずかしいな…僕は僕に出来ることを全力でやっただけだし…
「ほんっと、よくもまぁ合格できたもんだな」
その時、嫌味をこめた言葉が耳をさした。あぁ、またか…
Kane sideout…
Luna side
皆さんこんばんは、ルナだよ。って言ってる場合じゃなかった。
せっかくみんなで楽しくワイワイやっていたのに嫌味な声が聞こえたと思えば…
「よう、ケインくーん。ズルしてできた合格は嬉しいか?」
何コイツ、確かにケインくんの武器は特殊だけど、ちゃんと正規の武器屋で貰ったものだし、申請書もちゃんと出したってのに…
と、思っていると
「僕はルール通りに試験を受けたよ。デグー。」
ケインくんはいつも通りの笑顔で応える。でも、いつもの笑顔より苦しそう…
すると、取り巻き2人が
「ふん、どーだかな」
「信じらんねーぜ」
と、いちゃもんをつける。
ホントにコイツら重力魔法で押し潰したい…
と、そこに
「おいおい、おめーさんら、今はせっかくの祝い時だ。無粋な真似はよしこさんだぜぃ」
いつも通りヘラヘラしているトーマくん。でも怒りが少しこもった言い方だ。
「…いちゃもんなら帰って」
ヴァンくんも冷静ながら怒っている。
「あんた達、気に食わないからって変に因縁つけんじゃないわよ。迷惑だから消えな。」
マリーも相当怒っている。皆ケインくんのことを友達だと思っているからだね。無論私もだけど。
「なにー!?デグーさんになんて言い方してんだ!」
「おめーらもやんのか!?」
と、取り巻きは逆ギレした。そこに
「まぁ待ておめーら。こんな魔力無しとその取り巻きに何言っても無駄無駄。最もその取り巻きの方がまだ有能だと思うがな、ハーッハッハ」
コイツ、イマナンテイッタ?
ナンドモケインクンノコトバカニシテ…
「!?ルナ、だめだ!!」
「え!?」
ケインくんに言われて気づいたら私は手をデグー達に向けていた。魔力をこめて…
「おーこわ、危なかったなぁ。今頃魔力をぶっぱなしてたらどーなったろうなぁ、こんな祝い時に。」
「くっ…」
失念した、コイツはムカつくけどかと言ってそんなことしたらせっかくの合格を取り消されかねない。それどころか捕まってしまう…
その時
「うるさいぞ、貴様ら」
荒々しくも気品のある声が聞こえた。そう、私たちの隊長が…
Luna sideout...
Pluck side
仕事で遅れ、料理を取っていたらなんか騒がしいな。よく見たらあれは俺の隊に所属予定の奴らとなんかデブなやつが争ってんな…俺はそいつらのところに行ってみると、ルナっやつが手に魔力を込めてやがった。
止めようとしたらケインが止めてくれたようだ。だがあのデブいやつとその仲間が見ててうぜぇな。そろそろOHANASHI...じゃなくて止めねーと、そして、
「うるさいぞ、貴様ら」
全く、妖精の言えた立場じゃないが言ってやらんとな。
「何があったかは知らんが、無闇に騒ぎを起こすな。今回だけは目を瞑るが、次はないと思え。」
「は、はい…」
俺の言葉にケイン達と、体が図太いやつが反省したのかそういう態度をとっている。そうしてデブいやつが去ったと同時に
「それから、ルナだったな。どんな理由があれ、無闇に魔力を放とうとするな。守るべきものも傷つけかねんぞ。」
「は、はい…」
ま、懲りたようだし、この辺にしとくか。
「隊長、私はトーマです。僭越ながら、隊長もこちらでお食事になるのですか?」
と、トーマってやつが聞く
「まぁな、にしてもお前達だけか?思ったより少ないな。」
「…えぇ、家族と食べる者もいるので。」
と、無口なやつ…たしか、ヴァンと言ったな。
「なるほどな。あと、お前達そんな固くなんなくてもいいんじゃないか?」
こういうのもなんだが、俺は隊長になって日が浅い。出来れば任務の時以外はある程度フランクに接してもらいたい。
「そういう訳にはいきませんよ隊長。私達は貴方の部下になりたくてこの隊に来たので。」
と、スプリガンの…えーと、マリーか。そいつはそう言うが、なりたくて来た、か…
「ハハッ、初っ端からそう言ってもらえたのは初めてだ。」
「え、そうなんですか!?」
驚いて聞いたケイン。いやいや、驚きすぎだろ。
「あぁ、前回の時なんざこんなガキっぽいやつで大丈夫なのかよ、とか言われたり命令違反もあったな。そいつらは実力で叩き伏せて今ではちゃんと働いてくれてるよ。」
「そ、そうなんですか…」
と、引き気味にいうルナ。お前も似たようなことしよとしたけどな。最も俺の場合は模擬戦でそうしたけど。
「そういえば、他の隊長もいらっしゃるのですか?」
と、マリーが聞く
「まぁ、大半はいるけど、ヴェインとアーシュさん、それからセラさんは来ないな。」
隊長や他の兵も一緒に食べるが、中には色々理由あっていないのもいる。
そうして俺達は談笑をイベント終了まで続けた。
Pluck sideout...
To be continued...
いかがでしょうか。今回は休憩回です。次回からは本格的に軍として任務を遂行させたいと考えています。