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懇親会

「料理上手だねー」

「別に。普通じゃない?」

「いやー、美味しいよ? オレ料理なんかできないし」

「やらないだけだろ」

「えーと……、レオンくんは今いくつ?」

「十四」

「えっ」

「それはどういう意味だ?」

「あ、いや、えーと……ほら、その年で家のこと手伝ってて偉いなーって」

「別に。ノエルちゃんの為だし」

ダメだ。完全に敵認定されている……。

懇親会という名の食事会のはずなのに、さっきからずっと険悪なままだ。とりあえずこれからのことを考えてレオンと少しでも仲良くなろうと話しかけているが、全て素っ気ないか棘のある返事が返ってくるのみ。これまでの会話でわかったことといえば、レオンが極度のシスコンということだけだ。頼みのノエルはといえば、ちょっと時々人見知りするんだけど、基本いい子なんだ、と言っているが、これ人見知りじゃないから。たぶん人見知り対象はお姉ちゃんに邪な感情を持ってる輩に対してだから。更にはノエルちゃんの為という言葉にとても嬉しそうにしている。こっちもブラコンか。オレの周りはブラコンシスコンばっかりか。仲が良いのはいいことですが!

「いつも家のこと任せちゃってごめんな? すげー助かってる」

「全然気にしないで! 僕もノエルちゃんの役に立てて嬉しいから」

「なんていい子……!」

この態度の違いよ……! いつでもポジティブなオレでもさすがに挫けそうになっていた時、タイミングよくチャイムがなった。ギルバートだ。彼ならこの状況を何とかしてくれるに違いない。ノエル曰く親バカらしいし。オレは期待を込めて家主たちより素早くギルバートを玄関まで迎えに行った。マナー違反だとは思ったが大目に見て欲しい。

「ギルバート! すっごく待ってた!」

「ギル、こいつアウトだろ!」

「お疲れ様。ご飯先に食べてるぞ」

「……どうしたんですかと言いたいところですが、何となくわかりました。とりあえず中に入れていただいても宜しいですか?」

些か勢いのよすぎる出迎えに一瞬目を丸くしたギルバートだったが、すぐさま状況を理解したらしい。呆れ顔のギルバートを囲んで、オレたちは再びキッチンへと戻った。

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