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グルァァ!!
グシュアー!
今の俺のレベルはなんと49
何故か俺一人に群がってくるモンスターをひたすら倒す、倒すでもはや何匹倒したか分からない
普通ゲームだと少しづつ倒してゆっくりレベルを上げるけど、目の前の現実は非情で自分のペースで強くなる
ってゲーム感覚でもはいられない
だから強くなるまで、とか言っていられない
俺の感覚で言うなら元々レベルは決まっていて今の戦闘ではレベル○○相当の実力が世界に認められたから今のレベルは○○ですってなってるような感じだ
そしてスキルは魔法なら威力と制御とスピード等色々な要素を研鑽して上がるから
個人の強さはレベルは未知数だけどその個人の最低限の強さでスキルレベルはその証明だろうか
キィィン……
ブタのモンスター多分オークだろう
そのオークが持っている剣ごと右肩から左腰まで一気に袈裟斬り返す刃で別のオークを斬る
空にいる鳥のモンスターに風の魔法ウィンドボールを撃ち風圧でよろめいたら所を爆発を発生させる
ファイヤーボムで羽根を奪い落下して仲間のモンスター群に踏み荒らされ数を減らす
考えるのは
「もっと早く…考えるな…もっと早く」
考えて相手を見て隙がある所を探して攻める
それをすれば数の暴力のまえに一瞬で死ぬ
だから考えず探さず攻めず
動く時は敵が攻撃してきた時だけ
なぜなら敵が攻撃するのは一番近くに居て一番攻撃の射線が通っている時だから
動いた敵の一番近い部分から攻撃を当てそこから致命傷になる部分までを刀を動かす
「…これほどの数を…」
「ちと予想外ですな」
目の前の白い人は圧倒な数のモンスターを圧倒なスピードで蹂躙している
私達はその戦闘を見つめていた
ただ強い その姿がまるで暴風のような恐怖感を
私達から奪い変わりに畏怖を与える
かのように彼は一体何者だろうか?
冒険者ならさぞ武勇を轟かせ有名な者だろう
なら、あの惹きこまれるような姿と合わせて私の軍の者達の一人や二人が気づくだろう
だけど誰も彼の名を言わないのは何故?
「マリアンナ殿下して どうしますかな?」
「…彼が何者かは分かりませんが今が好機なのは間違いない…討って出る
皆に突撃準備を」
私の言葉の途中で部屋に光りがさしてきた
一瞬眩しさに目を閉じ再び開けると
見知らぬ老人が部屋の中に居た
「突然の無礼 深くお詫びする
当方は敵対する意志はない
が、今は試練の途中につき突撃は中止願いたい」
「は?」
意味が分からない突然部屋に入ってきて
試練だ と突然言われても何の試練なのか
誰の試練なのか
「ふむ、今 外で戦ってる者の試練の事じゃ
人の王族の君よ」
外でって彼の事か、では目の前の老人は彼の関係者なのか?
「おい!貴様!いつの間に入ってきた!
さては魔族の手の者か!」
私の目の前に騎士が盾になるように詰めかけ
剣を抜きながら彼の老人をさらに騎士達が囲む
「忠義 誠に感服いたす
じゃが今は我が主の為 圧して参る」
「何をっく!」
ただの老人がまるで大樹のような存在感
そしてまるで龍の目の前に立ったような恐怖
それが前触れも無しに突然襲ってきた
私の前の騎士は勿論 彼の老人を囲っていた騎士達は気絶したように崩れ落ちた
「ほう?意識を失わずさらに立っていられる者がいるなぞ大したものじゃ」
「っは!ご老人我々には国を守る義務がある
倒れる時は飲み過ぎた時と訓練の後だけだ!」
ローウェル将軍が吼えるように言った
「ほうほう、しかし他の騎士殿達は皆 気を失ったようじゃが?」
「ちょうど宴会が昨日あって ついでにさっき訓練が終わったばっかだから仕方ない だろ?」
会話をしながらローウェル将軍は私の方へゆっくり移動してくる
「姫様 もしもの時は私が盾になります」
「んな!?ダメだ…」
「姫様…しかし」
「まぁ此度は儂が突然押し掛け迷惑をかけたから
もしもモンスターが我が主を打ち破り攻め寄せる事になれば、儂が殲滅させよう」
「老人あなたは何者です?」
老人は目を細め
「儂はキングフェザードラゴン主らには白龍と言えば伝わるかの?」
「な!?でたらめ言う……」
老人の威圧感が上がりバサッと羽ばたく音と共に老人の背中から神々しい白い翼が生えた
「儂がでたらめを吐いたと思うならば、真実はどうか試してみるか?」
何気ない口調の問いかけなのに
心が縛られ魂が隷属する何もかもを差し出し
命すら彼の老人の命令の為に散らしたくなる
「ちとキツかったか
すまぬ」
一瞬で闇夜が晴れたような自分が自分に戻ったような
まるで人ならざる者の御力 絶対の体現者であるがゆえの奇跡
「お伽噺の白龍…」
そう一瞬の御力の開放で魂でお伽噺の白龍が目の前の老人だと知った瞬間だった
「でもそれだと白龍様の主様である彼も?」
「いやいや、主殿はただの人間じゃよ?」
そんなバカな!
お伽噺の白龍を人間が従えるなんて海の底を探して空を見つけるよりも不可能だ!
「まぁそろそろ終わりのようじゃ
とりあえず主殿ご苦労じゃった」
白龍様の言葉で今外で何が起こっていたか思い出して慌てて外を見ると
「…!!」
「これは凄い」
埋め尽くすモンスターの死骸
その中心に白龍様の主様である彼が立っていた