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魔法使いは忙しい!  作者: ゴムの舌
第1章 乳幼児期
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第16話 武器屋さん

 さて、試験も終わったし、次は冒険者ギルドに登録に行かないと思い街にくりだしたところで気づいた

 場所はどこだろうか?と

 うーむ、試験官の誰かに聞いておけばよかったなぁ

 しょうがない、ここの店に入って聞いてみようか

 ちょうど武器屋のようだし、なんか使えるものがあればいいけど


「へい、らっしゃい!」


 そう元気よく声がした方を見るとなんともガタイのいいオヤジ!って感じの人が出てきた


「こんにちは、武器見せてもらってもいいですか?」


「おう、どんな武器がいいんだ?」


「そうですね、仕込み杖とか魔法使い用の杖はありますか?」


「坊主は魔法使いなのか?そのナリしてすごいな!冒険者かい?」


「いえ、これから登録しに行こうと思っているんです。」


「そうかいそうかい。生憎だが仕込み杖はねぇが、杖はある。予算はどれくらいだい?」


「そうですね…あの、ギルドの登録にお金はかかりますか?」


「確か、大銀貨3枚だったはずだ。」


「それでしたら、金貨1枚を予算にお願いしたいのですが。」


「金貨1枚か。その予算で坊主に合いそうなのを持ってくるからちょっと待ってな。」


 というと、店主(?)だろうか?店の奥に入っていった

 そして5分ほどして戻ってくるとその手には3本の杖があった


「待たせたな。この3本だが、2本がただの木だ。そして、1本はステータスが上がる能力が付いている。

 持ってみてしっくり来るのを選んでくれれば自然といいのになるだろう。

 杖に選ばれればな。」


「ただの木の場合は値段はいくらですか?」


「そうだな、銀貨1枚でいい。その代わりそこそこの防具をつけよう。

 そうでない場合でも防具はつけてやるよ。」


「防具までつけてくださるのですか?」


「気にするな、坊主はこれから冒険者になるんだろ?

 だったら少しでもいい装備を上げてぇじゃねえか!

 坊主が装備できる小さい装備なんてそうそうないからな、いい方は本当に在庫処理と思ってくれ。」


 ガハハと笑いながら言うが、正直ありがたい

 そろそろ金欠になってくるところだ、少しでももらえるものはもらっておこう

 さて杖だが、うーん…普通に見た感じ大した差はないが、1本だけ明らかに魔力が付いているんだよなぁ

 魔力を視認できる人ならだれでもいい方を選べるんじゃないか?

 というわけで、魔力がでてる杖を持ってみる…ふむ、悪くないな


「これをいただけますか?」


「坊主、一発でこれを選ぶなんて、大したタマじゃねえか!

 そう、それが能力付きの杖だ。なんで分かったんだ?」


「えーっと、杖から魔力がでていたから、ですかね。」


「坊主…お前は魔力が見えるのか?」


「えぇ、普段は見えないようにできますが、魔力探知はできますよ。」


「俺は魔法に関しては門外漢だが、それって結構すごい気がするぞ?

 俺の店に来る奴らでもそんなこと聞いたことねぇからな。」


「そうなんですか?僕の師匠も見えていたみたいですけど。」


「ほぅ…坊主はいい師匠に恵まれたんだな。

 そうだ、坊主が見た感じでいい、うちの店で一番いいと思う杖を選んでみてくれ。」


「いいですよ。」


 ざっと店を見回すが、そこそこいいのは結構見つかるものの、飛び抜けてというものは見当たらなかった

 もっと注意深く観察して見ようと思い魔力を込めると、明らかに一角だけ異質な魔力の塊があった

 そう、邪悪な魔力だ

 あそこの杖ですかね?と杖を指さして店主に問うと


「さすがだな、坊主…と言いたいところだがあれはワケありの杖なんだ。」


「ワケあり?」


「おう、あの杖には呪いがついていてな、あれを手にとったものには不幸が訪れるんだ。

 前にその杖を使っていた奴も、その前の奴も貴族だったんだが没落してしまったんだよ。」


「そうなんですか。ある意味すごい杖ってことなんですね。呪いは解かないのですか?」


「呪いを解くには教会に金貨10枚いるだろ?あの杖の呪いが解けたところで金貨10枚以上で売れるかもわからねえしな。

 だから今は説明をしてそれでも欲しい奴は銀貨1枚で売ってるんだよ。」


「あの杖ももらってもいいですか?」


「あぁいいぜ。呪いには気をつけな。」


「大丈夫です。今から解呪するので。」


 その言葉を聞いた店主は笑っているが仕方ないだろう

 これから冒険者になろうって奴がそんなこと言ってたら笑うわな


「それでは失礼をして、“聖解呪ホーリーディスペル”」


 その魔法とともに邪悪な魔力の気配がなくなり、普通(?)の魔力の気配のする杖となった

 普通と言ってもその魔力は膨大なんだがな



 “聖解呪”4属性の魔法じゃねーじゃねーかと思うだろう

 一般には魔法には4属性しかないと言われていたが、実際は違う

 教会で行われている“治癒”などは水属性だと一般には言われているが実際は聖属性だ

 4属性以外の魔法は俺もあまり少ないが、ゲームだとよくある属性だからな

 ミーナに覚え方も教えてもらったしな、おかげで解呪ならお手のものだ

 ちなみに4属性の解呪も存在している氷漬けにされる呪いなんかは火解呪フレイムディスペルでないといけないしな


「それではありがたくいただきます。」


「あぁ、また来てくれよな。そうだ、俺はこの店の鍛冶師兼店主のハマーという。」


「僕はスキエといいます。ハマーさん、本日はいい武器をありがとうございました。またこさせていただきます。」


「おぉ!またいい武器を作って待ってるからな!」


「あ、一つだけ聞きたいことが…」


「なんだい?」


「冒険者ギルドってどこですかね?」


なんと4属性ではありませんでした!

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