第8話 修練度の先に
それからというものスキエは毎晩MPが尽きるまで魔法をつかっていた
消費MPにあわせて調整し、基本的にはレジストを中心に使っていた
4ヶ月後レジストがLv9になると練習魔法を順番に唱えていた
レジストがLv2になった次の日魔法適性を再度すると火>水>土>風の順に適正があった
だが、各属性とも優秀な素質であると知ったアマナスが驚いたのは言うまでもない
そして、そんなスキエも2歳となったところでスキエは疑問に思ったことがあった
(そういえば俺は一回も家から出た事がないなぁ)
そうなのだ 授業も常に家の中で行われ、特にどこかに連れて行かれるということもなかった
何度か母親に外に出たいといってみたが、答えはいつも
「まだスキエちゃんには早いわね~。」
の一言のみだった
父親に聞いても結局答えは同じで、スキエの外に出てみたいという欲求は日に日に増える一方だった
とうとう母親にそうすれば外に出してもらえるのかと聞いてみると
「2歳になったら1回考えるわ~。」
と言われたスキエは、2歳になった時に不自由なく外にでるために魔法の練習に励んだ
その結果練習用魔法を卒業し、初級魔法を使えるようになったスキエ
レジストもLv9、各練習魔法はLv3各初級魔法もLv4になり、そろそろ中級魔法を覚えてもいい時期にさしかかった
というのも、初級魔法を覚えた時のことがあったからだ
ある日火の練習魔法をLv2にしたとき、頭の中に火の初級魔法“火”の使い方が『わかった』のである
試しに“火”を唱えると、“火種”とは明らかに違う火の量が出て、危うく火事になるところだった
次に水の練習魔法をLv2にした時、またも水の初級魔法“水”の使い方が『わかった』
風、土も同様にレベルが上がる共に初級魔法も使えるようになったところからスキエは魔法の覚えるシステムを朧気ながら理解した
(やってたオンラインゲームのスキルツリーに似てるな…
新しいスキルを覚えるには前のスキルレベルを上げないと覚えられないんだよな…
なんだったっけあのゲームの名前…)
大学にいた時に1年位だが友人に誘われしていたゲームにスキルの覚え方と、熟練度の上げ方が殆ど同じだった
違っているのは念話などの無属性魔法であるが、4属性の魔法に関しては同じだった
(確か初級、中級、上級、最上級の魔法があったし、ここでもそれくらいはあるのか?
いや、もしかしたらその上の魔法も新しくできたかもしれないな)
と、まだ使い方が出てこない中級魔法のことを思いながらも今日は決戦の日だと気を引き締めるスキエ
そう――まだ見ぬ世界の道へと羽ばたくために行く姿はまるで英雄であった
そう、今日はスキエ――2歳の春である