7.あなたに出会えて
「あ! 逢坂よっす! 生島、英語の宿題教えてくれ〜! あのティーチャー、『アナタに問題答えてもらうデス』って言ってたの忘れててさぁ!」
学校に着いた途端、おれと並ぶ……いや、おれ以下の馬鹿である梶がまたも生島に拝み出した。
空気の読めない奴め。まだ彼女のことで感傷に浸っていたのに。
「梶、君は一度死んだらいいよ」
さらりと言い放つ生島に今回は大いに賛同する。
「ひで〜! 頼むよ生島ぁ!」
すたこらと教室に向かう生島に、梶も縋り付くようについていった。
やれやれと肩を竦めつつ、おれはゆっくりと下駄箱に手を掛ける。
「ん……?」
上履きの上に白い封筒が置いてあった。
既視感――
まさかと思って手に取ると、前回同様、赤いハートのシールで閉じられていた。
恐る恐る封を開けてみる。やはり同じく、淡いピンク色の便箋が折り畳まれており、中にはスラリとした綺麗な文字が綴られていた。
『泰司くんへ。あなたに出会えてよかった。』
名前を探せば――宮下唯。彼女の名前があった。
嬉しいのか悲しいのか、とにかく胸いっぱいに感情が溢れてくる。
生島の言う通り、彼女は満足してこの世を去った。この手紙がその答えなんだろう。
そっと手紙を抱き締め、おれは少しだけ泣いた。
おれを好きになってくれて、本当にありがとう。
さようなら、唯ちゃん――
下駄箱のラブレター。
それは、おれの大切な思い出――