表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒキコモリなのにアイドル  作者: ゆりや
まずは挨拶から
4/19

彼がアイドルを始めた経緯2

 電話は数コールで目当ての相手につながった。母との会話はいつ以来か。確か以前連絡をとったのは春だったから、半年は立っている気がする。


「母さん。久しぶり」

「玲くん♡元気してた~!」

「ああ、それより中野さんって人に俺の番号教えた?」

「んー。教えちゃったかも?」


 犯人は母だったか。しかし何故といった疑問が湧き上がる。


「いやぁ。だって中野ちゃん玲くんのことべた褒めだったのよ?この子は売れる!アイドルとして売りだしてみせる!って。もうお母さん嬉しくなっちゃって、ついね♡」


 ついじゃないだろ、ついじゃ。


「あのね、お母さん思うの。もう20歳でしょ!玲くんも大人にならないとダメ!私が20歳の頃なんて、お父さんと出会って、一緒に玲くん生んだんだから。だからね、中野ちゃんに話し聞いたら、20歳になったら外の世界に出なきゃいけない玲くんにちょうどぴったりだと思ったの。」


 この親はまた突拍子もない事を考えていたらしい。


「玲くんは、もう自分でお金も稼いでるし自立してると思うけど、いまの生活じゃだーめ。だからね、アイドルやってみてね。」


 アイドル。まさかね。

 母さんなんていう爆弾を落としてくれたんだ。そして中野さん。不本侵入したくせに肝心なこと何も説明していないじゃないか。あの写真どうするつもりなんだろうな。


 撮られた写真の行方が気になりつつも、この日は終わった。


 そののちにFAFプロダクションから新しいユニットが誕生することが発表され、HPが設立された。その時のメンバーの一員として『REI』という名が載せられ、そのプロフィール写真にはあの時の撮られるがままの玲の姿が映っていた。





懐かしい夢を観た。こうして俺は職業=アイドルをすることになったのだ。夢も何もないが、とりあえず必要とされるだけ働いてみよう、そう思っている。そう思えたのはいままで親孝行など何もしていなかった自分が、両親の思いに逆いたくない、それだけのことなのだが。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ