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ヒキコモリなのにアイドル  作者: ゆりや
鬼姫の憂鬱
13/19

到着

 マネージャーゴリさんの運転で遅れる事無く今日の一発目の仕事のTOTOKOスタジオに到着することが出来た。ちなみにゴリさんとはゴリラと呼び出した三心がいつの間にか、俺のマネージャーにつけたあだ名だ。ゴリさんも今までマネージングする担当である俺との交流が少なかったのを気にしていたのか、ここぞとばかりに俺にもゴリさんと呼ぶことを迫ってきた。

 ゴリさんの語源ってゴリラなんだぞ。本当に彼はそれでいいのだろうか。まあ、本人が呼んで欲しいのならと思い、そう呼ぶことにした。

 

 もうすでにスタッフは集まりだしており、撮影できる状態まであと一歩といったところであった。ゴリさんは俺らを送った後、しばらく別の予定があるということで別れた。MOONLIGHT3人のマネージャーを1人で務め上げているのだから、いつの間にかいなくなっていたり、途中抜けていたりすることはよくある。

 そのため三心と二人で現場に入る。


「おはようございます」

「おはよーございまーす」


 俺らが挨拶をすると周りからも、「おはよう」との挨拶が返ってくる。

 まず、俺らが見つけなくては行けないのは今日の雑誌の撮影内容を知っている企画担当スタッフだ。しばらくスタッフを探しキョロキョロしていると、1人の女スタッフが声をかけてきた。手には今日のスケジュール表が抱えられており、雑誌へ編集する段階への詳しいプロットなんかも書かれている。彼女が今日の企画担当の責任者であろう。


「おはようございます。MOONLIGHTのREIさんとチームKの三心さんですね。今日はよろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

「はい」


「MOONLIGHTのREIさんはファッションページの方でブランドDaaC(ダァーク)の服を着こなしてもらいます。三心さんは、『今年はやりの年下彼氏』のページで年下彼氏役をしてもらいます」


 DaaCはDressy&&Coolを掲げており、大人キレイめな雰囲気で統一されたファッションブランドである。一着の値段は最低でも1万からという、あまり気軽に手が出せる金額設定ではないが、シンプルなデザインとDaaC独自のデザインによる落ち着いた雰囲気で人気があるブランドである

 俺の雰囲気とピッタリ一致するのか、雑誌などでDaaCが特集される時には俺が使われることが多いし、逆にブランド関係なく俺の撮影がある時に俺の衣装としてDaaCが用意されていることは頻繁にあった。


「はい」

「わかりました」

「それでは時間になったらまた呼びますね」


 着替える衣装と、小物の説明を終え、今日の進行表を俺達に渡し、企画担当の彼女は忙しそうにかけていった。


 スタッフがいなくなった瞬間、三心ははぁ、と溜息をつき、文句を言い出した。まぁ、彼女の話を聞いていた時から、三心がファンションページに出られないことを残念に思っていることは気づいていた。


「えー、俺もファッションページ出たかったしー」


 三心は、俺がファッションページに出るのに対し、自分が色物の特集ページでの撮影であることが不満のようだ。特集ページであったら、ファッションページとは違って雑誌に編集された時にモノクロになってしまうのだろう。まぁ、それでもBiBiに出られるだけいいか、とブツブツ言っている。

 このまま三心の戯言に付き合ってもいられない、俺は先ほど用意された衣装が用意してある部屋へ足を運ぶ。


「あ、おい待てよ」


 三心も気づいて追いかけてきた。衣装が用意してある部屋は同じなので、行く目的地は一緒なのでついてこられるのはいいのだが、今まで単独行動が多かった身としてはどうも慣れない。まあ、三心は気を使わなくても、一人で勝手に騒いでいるだけなので、仕方ないので、そのまま放おっておくことにする。


「おい、これ見ろよ」

 

 三心は歩きながら先ほどもらった進行表に目を通していたらしい。進行表の一部分を俺に向けて見せてきた。


「今日の撮影、昨日会った姫さん来ているみたいだぜ」


 進行表には今日のスケジュールのタイムテーブルとどんな写真がいるのかの簡単な絵での説明。そして、今日撮影に加わる参加者が書かれていた。その中には、確かに咲良と書かれていた。咲良姫と呼ばれていた彼女で間違いないだろう。


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