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適当な染めと織物工程です

 熱中しすぎて冬支度を忘れてさんざんな感じになっています。沢庵を付けるのも千枚漬けを付けることも忘れていました。秋に収穫しようと育てていた野菜たちは傭兵たちに美味しく消化されてしまいました。ぐっすん。

あー。と何も手につかない日々を過ごしながら1か月を過ごしていると遊びに来た遠矢君が「冬休みの宿題した?」と聞いてきた。やったよーと不貞腐れながら犬の縫いぐるみを抱っこして答えると「じゃ」と数個の箱と私を車に押し込み学校に連行した。なんで?と聞くと部活の連中が宿題を終えてなく学校に集合。勉強会だ!!となったそうだ。で、なんで私を連行するの?とさらに聞くと「だって」とそっぽを向かれた。作品作りで熱中しすぎて遊んでなかったな。と思い出したので、良いよと答えるとニッコリと笑ってくれた。

学校につくと作業室に連れて行かれた。何やら宿題と言っても工作系。大勢でとなれば作業室がいいだろう。となったんだよと言いながら自分は、ノートを開いている。

「遠矢は何を作るんだ?」と木工系を作るのか金槌を持っている一人が聞いている。「うん?俺は歌を作るんだ。作品だから歌とかでもいいと確認したからな」と筆記用具をくるくる回している。で?ハルさんは?と聞かれたので何を作ろうかな?と遠矢君が一緒に持ってきてくれた箱の中身を確認するとそこには糸がたくさん入っている。作業室の中を確認するとちょうど大型の機織りがある。ちょうどいい。

「私は、生地を作るわ。ちょうど機織りもあるし」さて、生地を作って何をしようかなと思いながら糸を機織り機にセットして織り始める。シュー。ガタン。トントンという音を立てながら続ける。一日で出来る量なんてたかが知れているが、意外と楽しい。商品が出来るまでには数か月かかるよねー。と言いながらも手と足は止まらない。後ろに座っている遠矢君がだね。でも、通信のハルなら問題ないんじゃない?と言いながらカリカリと言う音は止まっていないからアルバムくらい作れるんじゃない?

「提供とかするの?」

「しないよ。面倒だからパソコンに歌ってもらうよ」と言っているから学校に提出するだけなんだろう。でも、目ざとい人が多いよ。気を付けてね。と忠告しながら進めていく。

「なあ。こんなのどうよ?」と遠矢君や私に意見を聞いてくる部員さん。そんなに真剣にしなくてもいいんじゃない?と聞くとだって。と言われてしまった。本当は適当に済ませるつもりだったけどなー。と全員で頷きあっているらしく頑張っている。結局、工作物は一日では終わらず学校が始まって1か月たった5月に完成に完成しました。先生にさっさと提出しろと言われたが、もうちょっと。といいながら未完成を見せつつこう改良したいんだけど・・と相談したりしていたらしく概ね高評価してもらえたみたいですよ。

私はなぜか作成途中の生地を縫製科の先生に見つかって捕まりました。なんで?

「なんでじゃないですよ。なんで機織り出来るんですか。あなた。そもそも、通信で小物つくりと言っているのでしょ?こんな大物作らなくも良いじゃないの」とウキウキと私を手本にして生徒に教えています。まあ、そうなんですけど・・・

「だって。会社の方で面白そうなんで体験学習を受けて取得したんですよ。で、小物用の生地で思い通りの色が無い場合は自分で用意していたんですよ」と白状すると「染物もできるの!!」とさらに食いついてきたので引き気味の頷くとそう。そうなのね!!と興奮している。大丈夫ですか?と中に入ってくれている先生に目配せすると多分・・・と帰ってきた。多分なんだ・・・頑張ろう

 「と言うことで、皆さんが作った生地を染めてみようと思います。先生は通信科の松石さんです。松石さんは趣味で、生地から精製して作品を作っているそうですから皆さんもその姿勢を見習いましょうね」と言ってますが、別にそんな風にならなくてもいいと思いますよ。

「では、染粉を入れた鍋を沸騰したらそこに生地を入れてくださいね。ついでに今日は、桃色ですよ」と言ってますが、私は別色ですから先生。

「煮たら。すぐさま冷水ですすいで色を定着させてください」と言いながら流水に突撃している。そんなに力まなくても良いのでは?と見ながら生地を煮る。こっそり配合して自分だけしか出ない薬草染めを作ったのでそれで薄い黄色に染める。薬草染めなので効果はある。今回は安眠。そろそろムシムシしそうな天気が続きそうなので・・・ついでに生地の刺繍は水滴と傘。ほら、ちょうど梅雨時期だから。

「先生。松石さんのは違う色ですが?」と優等生が聞いてくる。

「松石さんは、縫製科ではありませんから。それと二色用意しているでしょ?なんでだと思いますか?」と生徒の染め具合を見ながら問題を出している。なんで?と顔をして言いる生徒が多い。それを見まわしてから

「先ほど私は、生地から作品をと言っていましたね。今回は刺繍するための糸も一緒に作っているんですよ」と説明している先生。許可を貰った時は同じような顔をしていたくせに・・・

そうなんです。カーテンを作りたいんです。しかも時期的にかわいいものを。今のは、水玉レースを母さんと一緒にショッピングした時に設えたものなので、そろそろ変え時なんですよ。カーテンは簡単に作れますから刺繍してからでも遅くないし、作品を作るのは通信科では当たり前のこと。勉強もちゃんと水準を何とかクリアしているので。ざばー。と煮ていた生地を取り出して冷水につけて色を定着させる。隣では、同じ用に色を定着させている刺繍糸。思った通りに淡い水色になってくれた。よかった。と胸をなでおろしていると。

「なるほど」とつぶやいている人がいる。誰?と振り向くと(無論色の定着作業には手を抜いてませんが)おじいちゃん先生がたってました。なんで?

「最近。薬草染めをしていると聞いてな。どんな配合かは、たまにメールを送ってくれているから把握しているが、現物を見てみないと何とも。と思っていたがいい感じに出るんじゃな」と納得している。仕事は?と聞くと。

「これも仕事の一部じゃ」と笑っている。配合と効果を教えているので、あとは広めるか広めないかはおじいちゃんに任せるけどね。私の作るもので世間に迷惑をかけるよなものは作らないつもりだ。安眠効果があるのはあるけど、睡眠薬ほどはない。せいぜいアロマくらいだろう。それでもいいという人もいることは知っている。これもアロマの一部と認識してもらうといいな。

「さて、ここ数か月。作業の見本になてくれた松石さんに感謝して。今日の授業は終わります」と先生もおじいちゃん先生を綺麗にスルーして綺麗にまとめてくれた。

干した生地と糸は明日学校に来た時に回収して刺繍することにして今日は帰るか。と帰宅準備していると。ねえ。と声をかけられた。声をかけてきたのは縫製科の生徒さん達。

「なんで、うちの科に来なかったの?」とまっとうの質問?なのかな?

「そもそも私の作品たちはストラップとか小物系が多いんですよ。今回は、たまたま生地を織りましたが、基本的には余り作らないし作ってもマスコットくらいで服とかは範疇外ですので。それに、大勢でつるむのも好きじゃないので」と数人で聞いてきた生徒さんにさようならと挨拶してから帰るが、そのせいで生地と糸がダメになるとは思っていなかった。

 翌日、学校に行くとすまなそうな顔をしてぼろぼろになった生地と糸を見せられた時はマジで切れそうになった。

「恩を仇で返すとはこのことですよね。まあ、復元可能ですからどうにでもなりますが」とぼろぼろだけど切れてない生地を受け取る。

「これで鋏を入れられたら本気で怒ってますが、鋏を入れようとしても入れられなかったみたいですね」と生地を撫でる。何かがあったら困るので、防護をかけていたので無事でしたが

「今回を持って、縫製科との取引を終わらせていただいても良いでしょうか?あと、教室借りていいでしょうか?」と先生に聞くと「仕方がないです。でもどうして?」と聞かれたのでニッコリと笑ってから「プロの意思と言うものを見せてあげます」と縫製科の隅っこで作業を始める。

初めにぼろぼろの生地にアイロンをかけて伸ばす。ボロなのは端だけなので、はじめから強化するために縫いしろにするつもりだったから問題ない。

刺繍するための丸い枠を付けてから針を入れる。柄は水滴と傘。簡単な水滴を全体に散らすだけで数日かかるが、ここら辺は気合いですよ。何も言わずにもくもくと見せつけるように作っていく水滴たち。全体に水滴が出来たら今度は、傘を作っていく。これも数日かかるもの。みっちりとではなくまばらに散る水滴と傘の模様が完成したのは、2週間後。

「できた」と糸屑を飛ばしてから針と糸をしまう。同じ教室で作業していた生徒がこちらを見ていたが気にしません。

「先生。あのボロがきれいな作品になりましたよ。これでいいですよね?」と見せる。ええと引き気味に答えてくれる。くっると回って生徒たちを見てから

「どんなものを使っても十全なものを作るのが、プロです。人の足を引きずるために作品に手を付ける人は、職人として最低だと私は思います。どうですか?あなたたちの中で犯人が居るとは思いませんが・・・」そう言って教室を後にする。

帰り道に通信科の先生にできました。と作品を見せると。よかったな。とこれも引き気味で写真を撮ってもらいました。この作品は珍しくライブ映像をとって作ったものなので、完成した時の映像を見た人たちから拍手をもらったと後日先生から言われましたが、インターネットって拍手をもらえるのですか?

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