#4
靴下を編みながら休み時間を過ごしていると視線を感じる
顔をあげるとキラキラした目で見ている美少女がいた。横には弟だと言う少年が…
「なに?」と問うと「教えて!!」と興奮気味。に若干引き気味の私を見て
「響!!」と弟が静止している
「だって颯太。教えて欲しいんだもん」と膨れっ面をしている
美少女は膨れっ面も可愛いのか。私には無いなと感心しながら編み続ける。
双子の漫才を楽しいなこれはと傍観の体で見ているとパコっと叩かれる。
上を見ると遠矢君がいた…
「同じ学校だったけ?」
「ばあちゃんに頼んで転校してきた。クラス隣だ」と言っている
「で?」
「この漫才どうにかしろ」
「そういわれてもね」と答えているとチャイムが
「ほら!クラスと席に戻って」と担任
しぶしぶ戻る3人を見送りホームルームへ
「そろそろ合唱会があります。課題曲・自由曲の練習をしますよ」と言い歌詞カードを配る
課題曲・自由曲共に有名なもの。「皆わかると思うので始めましょうか」とメロディが入ったテープを流す
歌は好きなんだけど合唱となると違うよね?と思いながら普通に歌う
みんなと歌っていると、こちらをチラチラみている蓮花がいる
音痴だから見てるのかな?と思い手を振るとそっぽを向かれた
何がしたいんだ?よくわからん
歌い終わると担任が「ピアノできる人」と募集している
何人か手を上げているのでじゃん拳大会。
それを見ていると蓮花が来て「春佳。いつもみたいに歌わないの?」と聞いてきた
「いつも?そんなに歌ってる?」
「うん。編み物していたり、花壇やっているときに歌ってるよ」と答える
あ~無意識で歌ってたか。反省反省
「そうだった?まあ良いや。普通に歌ってるよ?」
「いつもなら歌ってると気持良いのに~」と呟いている。
無意識に力でも使ってたかな?
「別に良いじゃないの?誰が困るわけでも無いから」
「そうだけど」と唸っている。「そうだ!!」とキラキラした顔で「春佳歌ってよいつもみたいに!!」と良いこと思い付きましたみたいな顔でいってきたので「嫌だ(笑)」と断る。そもそも合唱の意味をわかってないし。つか説明してない担任。
「なんで!!」と騒いで居るが無視。はやく終わらないかな~と時計をみるまだ決まっていないピアノ奏者
ながいなと席に座っていると騒いでいる蓮花に気付いた担任が注意しに来た
「蓮花さん。何、騒いでいるんですか」と頭ごなしに注意しないのは凄いとは思うが…
「だって」と説明している蓮花
「春佳さんは、歌が好きですか?歌ってあげないんですか?」と聞いてくる
歌は祈りだから乱発したくない。今回は口ずさむ程度でセーブしているから問題ないが…
「歌は好きですが、歌いたいときに歌うのが好きなんです。せがまれて歌いたくない」とハッキリ言い切る。
それに驚いている担任。「そうなんですか…。蓮花さん、諦めた方が良いですね」と仲裁に入ってくれた。
その後、何回か練習をして合唱の時間が終わる。感想としては、やりたくないの一言だ。
ちょっかいをかけてくる蓮花。
歌っていても、そんなんじゃないみたいな事を言ってくる。何を求めているのやら…
いい加減五月蝿くなってきた。
最近、蓮花が煩い。人のやることに口を出してきている。本当に何をしたいんだ?
双子でも仲が良いわけではないし…
家でその事を愚痴りながらお母さんに話していると「寂しいんじゃない?構ってあげたら?」とのアドバイス。
「無関心の癖に?」
「あら、何時もウロウロしているじゃない周りを」
「編物はじめてからでしょう?別に私に興味があるわけではないと思う」
「そうかしら?」
「お兄ちゃんとかお姉ちゃんとかの時もそうでしょ?」
「蓮花以外とは仲良しさんだから仲間外れにされていると思っているかもよ?」
「仲良しとは言わないと思うけど?」
「良く笑い合ってるじゃない。寂しそうに見ていたわよ」
「天の邪鬼?」
「たまには蓮花を構ってあげて?」
「面倒だな。好きなことをしていたいんだけど。蓮花は私を見て凄い顔するよ?」
「どう接して良いのかわからないんじゃないかしら?」
「初恋の男の子かよ!?」
「そうかもね?そういえば」とクスクス笑っている
妹?がヤンデレしました!!みたいな?
面倒だから放置の方向で行く事にした