#15
父独白かな?
うちの娘は、変としか言いようがない。
見た目は普通の子供なのに考え方が極端に片寄っている。彼女は“家族”が大切だ。どれだけ大切かと言うと、死んで救えるなら命だって惜しくないと言い切るくらいだ。その時の表情は凛としていて4歳と思えないくらい覚悟を決めている大人の顔だった。
彼女のなかでは“家族”とはそのくらい重要何だと思い知らされた。
では“家族”とは、と聞くと笑いながら母の姉妹を言い上げる。それから“前の”家人と言いながら外人の名前も挙げていたが、その中には私達は入っていなかった。その事を聞くとコテンと首を傾げ不思議そうな顔をして「だって、家族って感じて無いもん。生んで育てくれているのは感謝するけど、私のなかでは貴方は甥っ子だしね。兄貴達やお姉ちゃんは血の繋がった他人見たいな感じだな」と答えていた。
そんな娘は、祖母の葬式を気に色々と吹っ切れたみたいだった。祖母が死んだときに泣き呆然とする母達を優しく見守りつつ、父達に「使えないな」と呟きながら各所に連絡を指示していた。それが終わると母達の近くに座り祖母を見ながら「お疲れさま」と呟く姿はひ孫と言うより娘みたいだった。
彼女は「生まれ変わり」と母達に言われていた。早くに亡くなった叔母の
本人も気にしていない様子で、母達の話に合わせていたのだと思っていたが、間違いだったみたいだ。
本当に生まれ変わりだったみたいだ。
母達・祖母に無条件に愛を示していた。家では見せない顔もあったと思い出していたら妻に呆れられた。
「そんなことに今気付いたの?」と。妻曰、最初からだったと言う。母や祖母が近くにいるときには余り泣かないか、逆に泣き出し嬉しそうにあやされていたと。幼稚園で、他の子供達を見守る感じで過ごしていたと、その事を恥を忍んで母に聞いたところ「そうだろね。あの子は」と言われていたとどうしてか聞いたところ私の妹だからだと言ったと話してくれた。どうしようもないときは祖母に聞けとも言われていたと話してくれた。
何度か祖母に彼女の事を相談したとも「お祖母さんに相談したら、あらって言って解決してくれたのよ。あの子は気分屋さんだから」と言いながら彼女に説明したり叱ったりしていたと「まるで、大人相手に話しているみたいだった」と説明してくれた妻の顔は母親の顔だった彼女の扱いたかを聞いたとも話してくれた。「大切なものに執着するから取り上げないこと弄らない事。一人の時間をつくって上げることが大切だとアドバイスされその通りにしたら穏やかに過ごしていたと話してくれた。
それからと言うもの娘は、私の予想を斜めに生活をしている。祖母の家で親戚の子達と生活したり、双子の妹にどうでも言いと縁を切ったり、今だってそうだ。
空港で倒れ搬送されて助けてくれた恩人の話を嘘だと叩き切りいつの間にかそばにいた青年達を当たり前の用に受け入れている。
一人の青年が手を握り体調を確認しているのを嬉しそうに笑いながら応え、もう一人の青年を正気に戻して笑いながら自己紹介させたりしている娘はどんな人物なのか未だに分からない。
ただ一つ言えることは、彼らは彼女の大切だということだ。親の私さえ大切では無いのに…