#13
空港で、双子に告げつつ出発を待っていると携帯が鳴く。誰?と思いつつ見てみたら傭兵のクラスメートからだった。
「もし?」
「あ、春。ごめ~ん。前に貰っていた花が…」と教えてくれた。卒業前に出稼ぎに行くといってはや数ヶ月。かなりの激戦区みたいな話をしていたから‘守り’として渡した花
「いいんだよ。身代わりだし。で入学式には出れるの?」
「出れる。出れる。今、面倒臭いのを終わらせたの。報酬とかの話し合いでギリギリかもだけど」
「そ。じゃ楽しみだね」
「久しぶりにゆっくり」と友達が話しているといきなり「久しぶりだな。お嬢」と男性の声と「ヒトの携帯!!」と叫ぶ友の声。
「誰ですか?」と訪ねると「こっちじゃ初めましてかな?昔も今も良い声だな。なぁ忘れていないよなぁ」と懇願しているような切ない声。何となくだがわかる。けど、捕まりたくない。いまの平凡を手放したくないが…
「敵か味方かと言えば味方何でしょうけどね~」
「わかっているじゃないか。その性格変わってないな。ザークだ。あんたの‘家人’のな今は葛城って名乗っているがな」
「神子は」
「懐かしいな。狂って死んだ」と笑いなから答えてくる
「私の特技は」
「寝込む事だろ」と何でもないように言い切る。
「私がはじめて提供したのは」
「マント。今でもロングセラーだ」と前の常識などを交えながらの質問をしていると切ない声で「いい加減に認めてくれ」と言われてしまう。仕方がないか認めよう。腹をくくろうかな
「初めてで久しぶり。皆元気?」と聞くと
「護衛は全員揃ったぜ。会いにいくからな」と笑いなから嬉しくないことを言ってくるが先ずは「そこから退避しなさい。敵方が近づいているから」と言いつつ守りを強化しようとすると「いい。強化すんな。入学式だっけ?それまでには会いに行くからな」と言い電話がきれた。
大丈夫なのかな?でも、大丈夫だよね。ザーク達だしと納得して前を向くと大事な人?と遠矢君が少し寂しそうな顔をして聞いてくるため頷くとやっぱりかと呟いている。何が?と首をかしげると隣にいつの間にか座っていたお母さんが「嬉しそうなでも、会えないのが淋しいのか一言も逃さない用に声に集中していたから」と教えてくれた。確かに大切な人たちだけどね~。そんな風にしていたか。また、分かりやすいって笑われると反省していると「どんな人?」と訪ねてくる
「人達かな?前の時の護衛さん達。軍部1の切れ者で変人と情報収集が得意な補佐。隠密が得意なチャラ男と個性的な先輩をまとめちゃう後輩。とても頼りになる人達だよ。今はどうかわからないけど」と教えると苦虫を潰したような顔の遠矢君。それを慰めている聖夜さん。何故か娘はやらんと呟くお父さん。「人達って恋人とかじゃないの?」とお姉ちゃんが聞いてくるため「信を置くに値する人。戦いの際命を預けられる人達だよ。恋人とか作れる環境と体じゃなかったしね~。いつ死んでもおかしくない立場で、病弱だったから命を預けられる人達がいなかったら直ぐに死んでたわ」と笑うと絶句していた。
搭乗のアナウンスが認め「行こう」と声を掛けて進む。
人混みのなかふと視線を感じてそちらの方をみると一人の女性が微笑んでいる。知り合いが後ろにいるのかな?とキョロキョロしてみるも私をみる視線は外れない。良く良くみると唇が動いている。
読んでみたら‘ハルお嬢さま’と繰り返している…
飛行機に乗り込むまで見送られ座席に倒れ込むように座る。
完璧に見つかっている。ザーク達は直ぐに来るだろうし、それに合わせて多分マリア達やロバート達も来る。しかも、屋敷がないから空き地を買い占めて家を作るんだろうな~。絶対にうちに上がり込んでくる。そして世話を焼くに決まってる。せっかくのスローライフが!!平凡な生活が壊れる!!と嘆いているうちに飛行機は地元に降り立ってしまう。そのままテンションダウンしながら歩いていると胸が苦しくなり息ができなくなる。そのまま倒れそうになるも誰か抱き締めてくれる。そして、優しくかつ適切に誰か介抱してくれている。これなら体は大丈夫だと確信して、原因を探るべく集中すると何故か神の領域に辿り着く。
そこには威厳が着いたような感じのバカ神がいた。
「説明」と言うと「変わらないな」と笑っいながら椅子を出し「立ち話もな。まあ座れ。今回はこちらのミスだ。そっちに渡るときに決めたのは、平均的な体力と運。家人と家族との再会位だが、お前の有する力を使って悪事を働こうとする馬鹿がいてな。さっき処分したが、それにあがらった結果だな~。そっちの関係者には話を通したから以後ないと思うが…。まあ、大丈夫だろう。詫びとして運を少し上げたからな」と説明をしてくれたがなにかを隠している感じがする。
背もたれに体を預けながら「で、なにか言い忘れたことは?」と聞いてみると「いやな…うん。体力が少し下がった。人が低級でも神に逆らったんだからな。昔のような病弱では無いにしろ活動が制限されてしまう」とすまなさそうに言う
「別にそれは私がしたことの代償だから気にしない。寝込まないように気をつけるさ」と立ち上がり「次は死んだときにかな?じゃあな」と体に戻る
目を開ければ心配そうな両親と抱き止めてくれていた青年。緊急処置をしてくれている若者。多分ロバートとマークスの生まれ変わりたろう。ありがとうと大丈夫の意味を込め腕をさわると「起きましたね。一度精密検査をするため病院へいきますよ」と搬送するため救急車に乗せられる。抱かれながら…
病院で精密検査をしたが別状なしで当たり前だが返される。
1日様子見の為、親の家に泊まる事になったのだが、何故か着いてくる2人に怪訝な顔の両親。病院のロビーにて対峙することに
「助けてくれた事は感謝しますが、いつまで着いてくるのですか」とお父さんが冷静に怒っている。お母さんが守るために抱き締めてくれる。それを見て感心しながら「すみません。私は橘 光洋と申します。隣が井伊 大河」と自己紹介をしながら一礼しているマークス改め井伊
「さて、私どもは国からの依頼にてそちらのお嬢さんの身の回りのお世話をすることになりました」としれっと説明し始める
「なぜ国が?」とお父さん
「最近、国が始めた抽選はご存知でしょうか?」と聞いている。何年か前から無作為に国が抽選した人に有能でかつ制御できない人達を付けることで、その人達を制御しようとする政策が出来ていた。問題なく抽選されな人達は制御しているらしいが…
「春佳が…。娘が当選したと?」
それに頷き「当選者には、月々の報酬と我々該当者がつき生活をしてもらうことになります。お嬢さまは該当人数が12人と多いので、家屋もついてきますが」「娘は」
「家持ちなんですよね。わかっております。該当者に近くに住んで貰い生活をしていくことも出来ますのでご安心ください。同居者様にも邪魔にならない用に配慮しますので」と丸め込んでいる。
「先ずは、私ども2名がその後随時となりますので」と説明している。流石執事だなと感心してしまう。