#12
ヒラヒラと舞い踊るピンクの花弁たち。
それを見ながら頂く桜餅と番茶は格別だな~「春佳。いい加減にどうにかして」と姉の声がするが知らないったら知らない。
お母さんがスカウトさんと「うちの子は、そんなの興味ありませんから!!」
「嘘だ!!乗りじゃないですかあの子は!!」みたいなバトルを繰り返しているなんて。
は~。だから、お出かけは好きじゃないんだよ。と黄昏れてしまう
事の起こりは数時間前。買い物と称して行った先は何故か桜舞い散る古都・京都。
「みんなで、旅行がしたい。ついでに買い物も」とお母さんが珍しく言ったらしい。別にそれは良いとして、駅で双子と落ち合って散策することに。
双子・兄弟組。私・お姉ちゃん組。親・蓮花組でわかれたんですよ。で、小物とか見た後に集合場所に行ったら親・蓮花組が着いてない。どこよって連絡したらお父さんが「いま、蓮花がスカウトされてな~。まだ、かかりそうだぞ」との事。
みんなで話し合って親・蓮花組に合流したら…
嬉しそうな蓮花ちゃんとスカウトについて話し合っているお母さん。お父さんに着いたよ~と手を降って合図して近寄るとスカウトさんが私を見て
「え!双子!!マジで!!じゃあセットで!!」と言い出しやがりました。
それを聞いて顔を歪める母親。ちょいと嬉しそうな蓮花さん…
面倒臭いと考える私という図ができました。「マジで、ヒットするから。セットで!!」と何故か興奮しているスカウトを冷やかにみながら近寄り「お断りします」と一礼してお父さんに断り近くにあった茶屋で一服。で冒頭に。私は断りをいれたんだが蓮花さんが乗り気。二人をセットで出したい(私そんなに美人じゃないですよ?)スカウトさんがぎゃあぎゃあと騒いでいる。
これは私が収拾しなくてはいけない事なんですか?と周りを見ると私と同様に一服している兄貴達と兄弟。おどおどしているお姉ちゃん。ニコニコしてお母さんを見ているお父さん。カオス?
「春佳~」と涙目になっているお姉ちゃんの懇願に仕方がなく立ち上がり事態を収拾することにした。
「お母さん落ち着いて。お父さんよろしく」とお母さんをお父さんに預けて一服してもらうことに「春」と呼ばれるため苦笑しながら「大丈夫」といい送り出す。それでも心配みたいだが、お父さんに連れられて離れていく。
さてと、スカウトさんにを見ると何故かビック!!としている。「さて。先程も言いましたが、私は芸能界に興味がありませんから蓮花さんだけデビューさせて下さいな。ま。デビュー出来るどうかは蓮花さんの今後次第ですが…」と蓮花さんを見るとやる気満々みたいだから大丈夫だな。
「だが!!」
「元々、蓮花さん単体でも良いと思って声を掛けたんではないのですか?ならその通りにすればいいじゃないですか」と指摘すると「っっだが!!二人の方が」「儲かると?バカらしい。興味がないものに私は体力も時間も割く気はないんですよ。諦めて蓮花さんだけデビューさせるかこの話はなしと言うことにするか。どうしますか?」
「なんで、私まで…」
「だってそうでしょ?単体が嫌なら話が無くなる。解る?」と言うと泣き出しそうになるが無視。別に泣こうがわめこうが私には関係ない。
「決定できないのであれば、私はこれで。蓮花さんはどうします?帰る?頑張って説得する?」と聞きながら返答される前にお母さんたちの元へ
お父さんに労れながらどうなるか見ていたお母さんの前に膝を着き目線を会わせながら「ありがとう。大丈夫だから力を抜いて。そんなに頑張って守らなくてもいいんだよ?周りにはお父さんだって、兄貴達だっているしね?そんなに心配?」
「そうだな。俺もいるんだぞ?二人で守って行こう?」とお父さん。それに頷いているお母さんを見て、傍観していたくせにいけしゃあしゃあと良い所だけ取りやがってと思ったことは内緒にしておきます。
結局、蓮花さんは単体でスカウトされた模様で、ウキウキしてホテルに戻りました。契約等は、後日となりましたが多分頑張ってくれるみたいです。お父さんが
ご飯後は、男女に別れて就寝。親達は水入らずで…
2日目は首都にて買い物。
朝ごはんの時に「どこ行く~」と聞かれて「アメ横。または、安売り横丁」と言ったらあきれられました。
「春が好きなショップが出店している所あるよ?」と遠矢君が教えてくれるためそこで見繕う事に。
「じゃ、始めにそこで買い物。ご飯で足りないものはその後で」とお母さんが決定してました。
電車を乗り継ぎ約1時間。目的のテナントが入っているビルへ到着。
店では、シンプルだけど機能的な服から可愛い系まであり見るだけでも楽しいはず。現にお母さんがウキウキしながら見てます。
私は礼服系統を見たいのですが…
見つけられない(涙)仕方がなく店員さんに「すみません。礼服みたいなのを探してるんですが」と声をかけたら「は?」と顔をされました。確かありますよね?見たんだよね去年オンラインショップで…と店員さんを見ていると上司?みたいな人か「こちらに有ります」と案内してくれました。
広い店内の片隅にある特集ポイントに…
色んな系統がバランスよく取り揃えている礼服。
シンプルなブレザータイプで紺色にしておけば、服を合わせるのに困らないはず。と手を取って見ているとお母さんが「セーラー服タイプが可愛い」とかお姉ちゃんが「スーツタイプでも!!」とか言いながら見ています。いっそのこと買えば?と聞くと「似合わないから」「年を考えて」と言われてしまった。「年齢とか関係なく着れるやつもあるから」とお母さんに似合いそうなパステルカラーのスーツタイプを手渡しお姉ちゃんには可愛いでかつ甘すぎない感じのワンピース。私は!!と何故か期待の目で見てきた蓮花さんには制服タイプでかつ可愛い感じのアレンジが出来るのを渡して試着室を指差す。
ニッコリ笑って試着室に入っていく3人。その間に会計を済ませて待っていると「似合う?」と見せてくれたお母さん達は素敵だったと言って置きます。
それぞれ気に入った物を購入しその日は終了となりました