↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/38

帰路(6)

前回で説明するって言ったこと何一つ出来てません^q^ あともう一話ぐらい続く予定なので次で説明します。あれこの文章デジャブ……

 エレオノーレが人を殺めた事は一度や二度では済まない。それらの原因は自衛を主として時には目的の物を手に入れる為だったり、裏切りの報いを受けさせる事だ。

 それらは人の目が行き届かぬ木々茂る森の中、霧が立ち込める山中において実行していた。街中に目標がいれば夜襲を掛けて街の外へ拉致し、適当な所で始末する。エレオノーレとて人を殺める事を良かれとは思っていない。しかし必要があれば、その手段しかないのならば躊躇なく、貴賎関係なく人を手に掛ける。

 だがエレオノーレは先代に戦う術を教えられてから目的もなく、ただ怒りと殺意のままに人を殺そうとしていた。

(不味い――!)

 エレオノーレが本気の殺意を持った事をその場で一番最初に理解したのはリンゼを初めとする獣人達だ。獣人は危機察知に優れた人種で、他種族なら勘の一言で済まされる物が獣人の言う事ならば一つの指針として捉えられる程に信頼されており、直感を初めとして鋭敏な嗅覚や聴覚は遺跡探索、魔物や魔獣討伐の際の斥候には欠かせない種族だ。この場に居るその獣人族全員が感付いたという事はもはやそれは必然であり、

 エル! とリンゼが親友エレオノーレの名を呼ぼうとして、エルのエすら発音出来ない内に後ろに回られた。

 獣人は猫や犬と言った内での細かい種族の違いはあるものの、基本的には動体視力に優れている。高速で動く標的を捉える目も、それに反応出来る身体もある。何の訓練を受けていない素人でも射られた矢を見てかわす事も出来る種族だ。特に猫の獣人は身の軽さも相まって攻撃を回避する能力は獣人種でも並ぶ者は居ない。

 それはリンゼも同様で、後ろを取られたり視覚外から攻撃されない限り見切る事が出来る。スライムに麻痺毒を打ち込まれたのは死角だったからだ。正面からならばどんなものだろうと見切って反応する自身がリンゼにはあった。

 しかし、実際はエレオノーレの初動すら確認出来なかった。目に残るものは残像にも似た、光を受けて煌いたエレオノーレの金の髪の軌跡。今にも抜けそうな傷んだ木床の上に居るというのに踏み込む際に軋み一つ立てず、後ろに回られても気配が希薄で、意識しないと気付かない。

 ようやく反応出来たリンゼが振り返るのと、周囲の面々が形振り構わず突撃、または〝神術〟を行使しようとした時にはエレオノーレが既に少女の喉元へと致命的な一撃を放っていた。

 だが、少女はまるで膝裏を払われたかのように尻餅を突き、狩猟刀の刃は柔らかい喉を切り裂かず、動作に追従した少女の金の髪を少しばかり切っただけ。同時に強烈な閃光がエレオノーレの視界いっぱいに広がった。

「させるかよ!」

 叫び、動いたのはアルフォンス。〝神術〟で風を操り、少女の膝裏を払って刃を回避させると同時にエレオノーレの眼前で光を爆発させたのだ。

 生み出した光はエレオノーレの目を焼くには十分な代物で、尚且つ周囲を取り囲み、今正にエレオノーレを取り押さえようとしている冒険者の面々の目を塞がないだけの光量だ。

 アルフォンスとてエレオノーレの人外染みた身体能力と負傷の驚異的な回復速度は知っている。岩壁を打ち砕く際に〝命術〟をかいま見たアルフォンスにとってその力は非常に興味深く、ヴァーレに来る途中で詳細を聞いたからだ。それは勿論その場に居たリンゼも知っている事で、

「それでも、さすがに目を潰されるとしばらく動けないでしょう!」

 冒険者達がエレオノーレに殺到した。





◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆





「それでも、さすがに目を潰されるとしばらく動けないでしょう!」

(その通りですよ畜生!)

 エレオノーレは冒険者集団によるぶちかましを受けながらそう心中で叫んだ。

 甲冑を手刀で切り裂き、岩を握り砕く。やろうと思えば一晩で十の山を越える足を持つエレオノーレの弱点はそれら肉体強化の利点をほぼ無視する〝神術〟だ。またその中でも感覚系を阻害される事が特に効果的である。そういう意味では察知出来ぬ〝神術〟を行使するアルフォンスはエレオノーレにとって天敵と言えた。

 視覚がある生き物は行動の大部分を目に頼る。いくら感覚が強化されていてもエレオノーレもその例に漏れない。目が見えなくては動きようが無く、耳で判断しようにも周囲から猛牛の如き足音を立てて冒険者達が迫ってきているので分かり辛い。

 跳ぶかどうかの判断も遅れ、結果としてエレオノーレは堪える間もなく、というより目を潰され、周囲を音で支配されている中では踏ん張る方向が分かるはずもなくぶちかましを受けて転がった所を圧し掛かられ、十重二十重に展開された〝神術〟で拘束されて取り押さえられた。

エレオノーレ討ち取られたり。


※誰か活動報告に寄せられたコメントの返信の仕方教えてください。どこを探しても返信の項目が見当たりません(;ω;)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。