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第6話・試練へ。

何故、知らない人達が、自分の事を、知って居るのか?


何故、自分だけでなく、父さんの事まで、知って居るのか?


その答えを聞くべく彼はシオンの部屋へと足を踏み入れる。


そこで彼はシオンの口から衝撃の事実とこれから試練が始まる事を聞かされる。


総一郎視点で話しが進みます。



僕は、シオンの部屋に、招かれ今、イスに座って居る。


シオンは穏やかな微笑みを浮かべたまま無言で、僕の顔を見て居る。


カチカチ!っと何処からか時計の動く音が聞こえる。って、ボンヤリしてどうするんだよ!


僕は決意して、シオンに声をかけようと、すると突然、シオンがクスクス笑いだした。


総一郎

『何で笑って居るんですか?』


っと睨むとシオンは笑ったまま言った。


シオン

『いや…。すまない。余りにも修司と同じ反応だから…』


そう言ったシオンさんは笑って居たが、瞳の奥に深い悲しみがあった。


総一郎

『シオンさん…。貴方は僕の名前だけじゃなく、何故父さんの事まで』


シオン

『君は、覚えて無いかも知れないが私は君と何度か、会った事があるんだよ』


総一郎

『そうなんですか?』


っと言い僕は必死で記憶を辿って見たが全然思い出せない。


シオン

『君のお父さんの事は、良く知って居るよ…昔、私も修司と一緒に戦って居たからね…』


っと懐かしむ様に言うとシオンは言葉を続ける。


シオン

『彼とは良きパートナーであり同時に最大のライバルでもあった』


そこで一旦、言葉を切ると彼は腕を胸の前で組んで溜息をついた。


僕は、黙ったままシオンの言葉を待つ。


シオン

『でも、彼には一度も、勝てなかった…。だけど不思議と、悔しいと思った事は無い…。まあ…。それは、置いといてだ…君を此所に、連れて来たのには理由が在ってね』


そう言ってシオンは微笑みを深める。


僕はシオンの目を観察したのだが、悪意や企みは感じられない。


ただ、穏やかな目を向けて来るだけだ。


総一郎

『その理由って何です?もしかして、ゼノンの事ですか?』


っと聞くとシオンさんは途端に真剣な顔をすると言った。


シオン

『そうなんだ…。君を、呼んだのは、ゼノンの事だ…。君は彼等ゼノンについて何処まで、知って居る?』


そう、聞かれたがゼノンについての知識は、殆ど無い為…。


総一郎

『いえ…。正直殆ど知りません』


素直にそう言うとシオンは言った。


総一郎

『私も独自で調べて居るんだが彼等は、俗に言う『生体兵器』と呼ばれる存在に、類似して居るんだ…』


総一郎

『生体兵器って?』


シオン

『彼等、ゼノンは生き物の遺伝子を組み替えたり組み込んだりして自分の体に移植する事で能力を限界以上に高めて居る』


そんな漫画やアニメみたいな事を現実にして居るのか?


シオン

『更に彼等はこの社会に溶け込んで居るんだよ…君は不思議に、思わないのか?何故、彼等が居るのに、ニュースや新聞に出て来ないのか?』


そう言われた。


総一郎

『そんな…』


っと、言い自分の考えて居る事を否定しようとしたが…


シオン

『そう…。君が、考えて居る通りだよ総一郎君。残念な事に、彼等には、強い後ろ盾がある。そのお陰で、彼等は人に知られて居る筈なのに新聞やニュースで、報じられてないんだ』


僕は、知らず知らずの内に拳を握り締めて居た。


シオンは、更に話を続ける。


シオン

『私の想像では多分彼等は国家レベルの機密事項に、属する筈だ…。そんな彼等が警察の上層部に、圧力をかける位は朝飯前の筈だ』


僕は、ゼノンの恐ろしさを再認識したが、だからこそ…。奴等を倒さなくては。


シオン

『君は、こんな話しを、聞いても、引く気は無いみたいだね…』


っと言われて僕は迷わず首を縦に振った。


それを、見たシオンさんは言った。


シオン

『君は、まだまだ若い。これから、幾らでも成長するだろう。だが、余りノンビリとして居る時間は無い。これを…。君に託す』


そう言うとシオンに銀色の鍵を、手渡されて僕は言った。


総一郎

『これは一体?』


っと聞くとシオンさんは言った。


シオン

『それは…。ある部屋の鍵だよ。これが君の進むべき道を記してくれるだろう』


っと言うとシオンは指を鳴らすと目の前に緑色の鎧を着た女性が現れた。


シオン

『レイス。彼をアノ部屋へ案内してやってくれ』


レイスと、呼ばれた女性は驚いた様に言った。


レイス

『まさか試練の鏡を…』


っと言う…それを聞いたシオンは笑いながら言った。


シオン

『そうだ…。アノ部屋へ案内するんだ…』


っと、レイスの質問に肯定したシオンは言った。


シオン

『頼んだぞ。レイス』


っと言って笑っては居るがNOと言わせない威圧感を感じるのは気の所為だろうか?


レイス

『分かりました…。では総一郎さん。私について来てください』


そう言うとレイスは歩きだした。


僕は慌てて、レイスの後を追った。


レイスは無言のまま歩き続ける。


レイス

『貴方は、これから辛く険しい道を歩みますが、貴方なら乗り越えて行ける筈です』


レイスは突然、振り返ってそう言った。


ちょっと気恥ずかしくなり苦笑いを浮かべた。


そんな風に、言われたのは初めてだったから…。


レイスは突然、立ち止まって言った。


レイス

『此所から、私は付いて行けません…。このまま真っ直ぐ、進んだら銀色の扉が、あります。その鍵で開くので…』


そう言うと僕が何か言う前にレイスは突然、姿を消した。


取りあえず、僕は辺りを警戒しながら、真っ直ぐ進む事にした…。


歩きながら僕は皆はどうしてるんだろう?と思った。まあ遊園地で暴れて居たゼノンの奴等は倒したから大丈夫だとは思うが…。


少し歩いて居ると、目の前に綺麗な銀色の扉が、あったので、シオンさんから貰った鍵を、鍵穴に入れると突然扉が光り扉が開いた。


中に入ると、扉が閉まって僕は開けようとしたがビクともしない。


中は全体が、ガラス張りの様に僕の全身を移しておりふと、前を見ると、後ろに大きな鏡が在る。


装飾品に飾られていて、一際その鏡を際立たせて居る。


僕は振り向くと、その鏡に文字が映った。


その文字には、こう書かれてあった。


黒き鎧纏いし者。異界より来たりて、4本の剣を砕きしき時、道は開かれその者は闇を知る。その者が、闇を砕けば、世界は希望に包まれる。闇がその者を砕けば世界は、絶望に包まれる。


意味は理解出来なかったがどうやら一種の予言みたいだな。


そう思って居ると鏡が、輝いて、僕は急に意識がブラックアウトしてしまった。


落ちる様な感覚に慌てて目を開けると僕は唖然とした。


澄み切った青空に、生い茂る木々。


さっきまで部屋に居たのに何故?


頬を指で、抓ると痛かったので夢じゃない。


一体、此所は何処なんだろう?


焦っても仕方ない。


取りあえず、僕は進まなくちゃ!


そう思って僕は歩きだした。



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