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第35話・幼なじみへの想い…。

中々、更新出来ずすみません…この作品のネタが中々浮かばず…でも必ず完結には持っていくのでこれからも宜しくお願いします!

晶視点。


はぁ…本当に、あの女…殺してやりたい…。


総一郎君に助けて貰った癖に御礼を言うどころかシャドウブレードでしょう?っと馬鹿の一つ覚えみたいに、詰問した常識無し…。


何で?何で…あんな女が総一郎君の幼なじみなのかしら?


彼の幼なじみじゃ無かったら直ぐさま殺してやるのに…。


幼なじみを傷付けたり…殺したら総一郎君に嫌われてしまう…。


それだけは死んでも嫌!


彼に嫌われるくらいなら死んだ方がマシよ!


ああ…思い出しただけで殺意が湧いて…。


総一郎

『晶さん?』


『っ!なっ何?』


いけない…私とした事が総一郎君から話し掛けられたのに下らない馬鹿な女の所為で聞き流してしまったわ…。


総一郎

『一応…診て貰ったけど身体は何処も異常無しだったよ…』


『そう…良かった…』


私は心底安堵した。


大悟さんから暴走状態の危険性を聞いて愕然と、したから…。


私は総一郎君に躊躇う事無く抱き着く。


総一郎

『へっ?ちょ!ちょっと晶さん?』


『貴方が無事で、本当に良かった…』


クリムゾンヘッドのソード・スラッシュが総一郎君に、直撃したのを見て私は胆を冷やした。


エボリューションのエネルギーを使った技であるソードスラッシュは凄まじい破壊力を持つ筈…。


『ほっ…本当に…ヒックヒックッ!無事で良かった…ヒックッ!貴方に!あっ貴方に…もしもの事があったら…私は…』


私は、総一郎君に抱き着きながら安堵の涙を流した。


ああ…良い匂いがする…総一郎君の匂い…。


私は深く彼の匂いを肺一杯に吸い込む。


唯、それだけで私の心が落ち着き徐々に頭がクラクラして来る。


彼は私にとって麻薬そのものだ…。


彼無しでは生きていけないのだから…。


総一郎

『晶さん…』


そっと私の背中に両腕を回し包み込む様に抱かれ私の心に例えようの無い喜びが溢れる。


総一郎

『大丈夫だ…俺は晶さんを置いて死にはしない…だから…晶さんも俺を、置いて死ぬなよ…』


『はい…』


総一郎

『っと…そろそろ帰らないと…晶さんの両親が、心配しますよ?』


その言葉に私は両親に、言われた事を伝えた。


総一郎

『えっ!そっそうだったんですか?ってか、お二人には、バレバレだった訳ですか…』


『そうみたい…』


肯定する私に総一郎君は溜息を吐き呟く。


総一郎

『はぁ…マジで気を付けないと一之瀬さんとか、田中とかに、バレそうだな…』


『迷惑?』


総一郎

『いや…別に迷惑じゃないですよ…唯、晶さんが俺みたいな奴と付き合ってるとバレた時、晶さんが、馬鹿にされるのが、嫌なだけ…』


その言葉を口にした総一郎君の瞳に一瞬苛立ちが写り私は直ぐにピンッ!っと来た。


暴走した時、一之瀬さんを殴りそうになったのを見て総一郎君らしく無いと思ったけど…。


一之瀬さんと、香澄さんが傍に居た事から、多分一之瀬さんが総一郎君に偶然か、必然かは分からないけど、会ったのだろう…。


総一郎君は、他人と余り傍には居たくないと思ってる節があるから帰ろうとする総一郎君を一之瀬さんが無理矢理呼び止め総一郎君に嫌な思いを、させたのだろう…。


そうで無ければ彼が一之瀬さんを攻撃する意味が分からないから…。


本当にKYな女ね…やっぱり、殺した方が良いのかも知れない。


勿論…彼には知られない様に細心の注意を払ってね…。


まぁ…冗談よ?7割位は本気だけどね…。


♪♪♪〜♪〜♪〜♪


突然鳴り響く携帯の着歌に総一郎君は溜息を吐いた。


総一郎

『はぁ…』


『電話…鳴ってる…』


総一郎

『そうですね…』


そう言いながらも彼は、珍しく掛かって来た電話を取らない。


『電話…取らないの?』


総一郎

『………』


総一郎君は何故か無言のまま私の身体を抱きしめ続ける。


電話の着信音が、途絶え彼はポケットから携帯を持ち画面を見ると一瞬、苛立ちを、浮かべ携帯の電源を落とした。


不機嫌そうな表情を浮かべる総一郎君に私は首を傾げる。


そんな私を見て総一郎君は、微かに苦笑を浮かべ私を離し総一郎君に頭を撫でられ私は微笑む。


総一郎

『晶さん…俺は…』


『どうしたの?』


総一郎

『いや…。何でもない…そろそろ家に戻らないと遅刻しそうだ…』


撫でていた手を退けられ悲しくなった。


『そう…』


私は寂しかったけど我がままを言って総一郎君を困らせたく無かったので頷く。


総一郎

『さて…じゃあ行きましょうか?』


『えっ?』


総一郎

『家まで送ります…』


『えっ?でも…』


嬉しく無い訳じゃない…でも、幾ら問題無いと、言ったって…。


総一郎

『俺の事なら大丈夫ですよ…晶さん…っと言うか俺が晶さんの傍に、少しでも長く居たいだけなんだ…』


『っ!狡いよ…』


総一郎

『?』


『狡いよ…。総一郎君…そんな風に、言われたら私…断れないよ…』


総一郎

『すみません…』


笑いながら謝る総一郎君に私も微笑む。


私は総一郎君と手を繋ぎゼクロス本部から、出て我が家へと足を進める。


その間、私と総一郎君は他愛の無い話をしながら出来るだけ、ゆっくりと歩き彼の手の温もりを、味わう。


手と手を通して身も心もじんわりと暖かくなって私は微笑む。


総一郎君を好きになってそして…総一郎君も私を好きになってくれて凄く嬉しい。


そんな至福の時間を私の携帯電話の着信音で邪魔をされた。


♪♪♪〜♪〜♪♪〜♪


総一郎

『電話…鳴ってますよ?晶さん?』


『はぁっ〜!総一郎君…ごめんなさい…』


総一郎

『別に大丈夫ですよ…』


そう言いながらも、手を離した時に、総一郎君の表情が一瞬だけ悲しげな表情に変わったのを私は見逃さなかった。


その事に罪悪感と嬉しさを、感じつつ私は電話を掛けて来たKYな奴の、着信画面を見る。


『本当にKYね…』


画面には、一之瀬深雪と写っていた。


一瞬無視して電源を切ってやろうかと思ったけど用事も無いのに電話を、掛ける程、馬鹿な女でも無いだろうと、思い私は電話に出た。


『もしもし…』


深雪

『あっ…ごめんなさい…今、大丈夫?』


大丈夫じゃないと反射的に叫びそうになりながらも私はグッと堪えて出来るだけ平淡な声音で話す事にした。


『いいえ…大丈夫…それより何か用?』


深雪

『………』


『一之瀬さん?どうしたの?』


無言の一之瀬さんに私は内心激しい苛立ちを感じながらも催促。


早く電話を切りたいんだから…さっさと話しなさい。このKY女!


深雪

『………ねぇ?今、誰かと一緒に居る?』


『いいえ…今、私は部屋で、小説を読んでるわ…何故そんな事を聞くの?って言うか明日学校なんだから切るわね?』


深雪

『待って!』


『何?』


深雪

『今日の昼、貴女と総一郎が、手を繋いで仲良く歩いてたのを見たの…』


なっ!しまったわ…まさか見られてたなんて…。


私は総一郎君にアイコンタクトを使ってどうするべきか問う。


すると…総一郎君は何故か、携帯を素早く操作し携帯を手渡した。


首を傾げつつ画面を見て私は嬉しくて笑い声を、抑えられなかった。


『うふふ…』


深雪

『あの?天野さん?』


『ああ…ごめんなさい…あのね?一之瀬さん?』


此処から深雪視点に変わります。


無言だった天野さんが、突然笑い出し私は戸惑いと嫌な予感が襲う。


『うふふ…一之瀬さん?私と総一郎君がどうして手を繋いで歩いていたか分かる?』


深雪

『えっ?ちょ!今、総一郎の事…』


名前で呼ばなかった?


『何故、私が今、何時もは井上君と呼んでたのに名前で呼んだと思う?』


『一之瀬さん?私と総一郎君は、恋人同士だからよ?』


深雪

『なっ!』


『あら?どうして貴女がそんなに驚くの?』


深雪

『恋人同士って…』


『そのままの意味よ?』


間髪入れない天野さんの答えに私は絶句するしか無かった。


『ああ…因みに冗談でも嘘でもドッキリでも無いから安心して?』


深雪

『………』


『どうしたの?一之瀬さん?気分でも悪いの?』


『それで何か用事?』


深雪

『へっ!あの…その…』


『まさか…。何の用事も無く私と総一郎君の邪魔をしたの?』


深雪

『えっ?ちょ!今、総一郎…居るの?』


『ええ…居るわ…因みに今…んっ…』


深雪

『ちょ!今!今、何を、してるのよ!』


『クスクス…さあ?』


何故か嬉しそうな天野さんの声に私は焦る。


深雪

『ちょちょっと!こら!天野さん!』


『んっ…そんなに…ちょ駄目…んっ…』


何故か天野さんの声に、妙な色気を、感じて私は焦る!


深雪

『ちょ!ちょっと!総一郎!あんた!天野さんに何を…』


『んっ…何を、怒ってるの?』


深雪

『えっ?』


『私と総一郎君は、恋人同士…。総一郎君が貴女に、んっ…。責められる謂れは無いわ…』


余りの正論にぐうの音もでない私に更に天野さんは言った。


『それに…んっ…総一郎君は…はぁはぁ…優しいわ…私が嫌がる様な事をしないし…こうされるのも…んっ!むぅ…』


ズキリッ!


なっ何で、こんなに胸の奥が痛いの?


『ふぅ…今は駄目…後でね?ごめんなさい…話は明日学校で聞く…わ…』


プツン!ツーツー!


受話器の音が聞こえ私は茫然自失で、固まるしか無かった。


こんな夜遅くに二人で、何をしてたの?


総一郎と天野さんが恋人同士?


それに、さっきの電話での対応は…。


私だって普通の高校生だから『そう云う事』に、関して全く知らないって訳じゃない…。


ズキリ!ズキリ!


胸の奥が痛い…。どうして?どうして私は…私は泣いてるの?


どうして?どうして悲しいの?悔しいの?


深雪

『そっか…そうだったのね…』


私は漸く自覚した…私は私は、総一郎の事が好きだったんだ…。


何時もあいつを気にしてたのも…。


天野さんにあいつを好きだと聞いた時、焦ったのも…。


深雪

『でも…もう遅い…遅いんだね…うっ…』


込み上げて来る涙を必死に堪える。


両親や香澄さんに心配を掛ける訳には行かない。


こんな時にすら私は素直に、なれない。


馬鹿だ…本当に馬鹿だ!私は!何時だって!何時だってそう!


本当に大切な存在は失って初めて気付く!


深雪

『総一郎…』


良いよね?好きなままでも…。


そんな簡単に割り切れる程、私は単純じゃない。


それに…総一郎と口喧嘩しちゃったし…。


明日、総一郎と会ったら先ず謝ろう。


あいつは優しいから多分許してくれると思う。


まぁ…取り敢えず明日も早いから早く寝よう。


明日になったら何時もの私に戻ろう…。


私は、そんな事を思いながら寝床に着いた。



次回予告!


総一郎は深雪に自らが、シャドウブレードである事に気付かれて居る事を知り彼は一計を講じる事にした…。



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