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第32話・幼なじみとの擦れ違い

何時の間にかPV・11万8千!


ユニーク・2万3千突破この場を借りて御礼申し上げます。


それでは本編をどうぞ!



晶の家を後にした俺は、晶さんとのデートで見付けたゲーセンに、寄り道した。


総一郎

『何をするか…』


ガンゲーでも良いしアクション系でも良いな…。


っと思っていたが…やれやれ…誰かが俺の後を、尾行してやがる…。


人数は2人か…さっきまでの楽しい気分が消えて行く…。


やれやれ…空気を読めよな…。


面倒だな…どうするか?


俺は振り返った次の瞬間激しく後悔した。


総一郎

『………マジで…』


何で、こんな所に一之瀬さんと香澄さんが…。


深雪

『随分…。楽しそうね?井上総一郎君?』


香澄

『みっ深雪お嬢様…』


総一郎

『珍しいね。こんな時間に、こんな所に居るなんて…』


俺は内心舌打ちしながら何時もの作り笑いを浮かべて言った。


深雪

『あんたさ…天野さんと一緒に居なかった?』


なっ!何故、それを!


まさか…。見られてたのか!


総一郎

『んっ?何で天野さんが出て来るの?』


深雪

『昼間、あんたと天野さんが仲良く手を繋いで、歩いてたから…』


うっわぁ〜!やっちまったぁ〜。


内心、激しく落ち込んだものの何時もの様に作り笑いをしながら言った。


総一郎

『俺と天野さんが、手を繋いで?ぷっ!はははははっ!ありえねぇ!』


俺は、わざと大袈裟に、腹を抱えて笑った。


総一郎

『くくくっ…全く何を、言い出すかと、思ったら俺と天野さんが…ふっ!はははははっ!』


総一郎

『昼間は家で寝てたよ?って言うかさ…天野さんみたいな可愛くて綺麗な女の子が俺みたいな奴と手を繋ぐか?』


自分で、言ってて…ちょっと悲しくなった…。


そう言えば…どうして、晶さんは俺みたいな奴を好きになってくれたんだろう?


後で聞いてみようかな?


深雪

『っ!』


何故か一之瀬さんが一瞬苦虫を、噛み潰した様な表情をして俯いたのを、見た俺は首を傾げた。


総一郎

『どうかした?』


深雪

『へっ!あっいや…別に何でもないわよ!』


香澄

『はぁ〜』


俺の問いに一之瀬さんは何故か慌てた様に、叫び何故か香澄さんは呆れた様な表情をして溜息を、吐いていたのを、覚えている。


総一郎

『もし…。仮に僕と天野さんが付き合ってたと、しても…一之瀬さんには何の関係も無いと思うんだけど?』


深雪

『っ!それは…そうだけど…』


総一郎

『何故、一之瀬さんは、そんな事を聞くの?』


深雪

『そっそれは…。そう!幼なじみとして!何よりあんたみたいな馬鹿で、阿保な奴なんかに、天野さんが、付き合ってるなんて友達としてほっとけないじゃない?』


ズキリっ!


俺は胸の痛みに無言で、堪え俯いた。


総一郎

『………』


深雪

『あんたみたいな奴に、天野さんなんか勿体ないじゃない…』


ギリッギリッ!


歯を食いしばり両手を、強く握り締める。


そんな事…。


総一郎

『そんな事!俺自身が、分かり過ぎる位!分かってる!』


深雪

『っ!総一郎?』


総一郎

『俺みたいなクズが天野さんの様な人とは釣り合わない事位、馬鹿な俺だって分かってる!』


深雪

『ちょ…ちょっと…』


総一郎

『それでも!それでも…俺は…っ!』


俺は危うく晶さんが好きなんだと叫びそうになりギリギリで口を閉じる。


掌に痛みを感じて俺は、血が出る程、両手を握り締めていた事に、気付き何時もの作り笑いをして言った。


総一郎

『ははは…な〜んてな♪ビックリした?』


ヘラヘラと笑う俺に何故か一之瀬さんも香澄さんも怪訝そうな表情をしている。


総一郎

『あ〜悪いんだけどさ…僕、行かなきゃならない所があるんだよね…そろそろ行くね?』


俺は自身の苛立ちを作り笑いで覆い隠し二人に、背を向ける。


俺が晶さんに似合わないのは…釣り合わないのは百も承知だ…。


それでも…俺は晶さんが好きなんだ…。


この想いだけは、誰にもとやかく言われる筋合いは無い。


深雪

『ちょ!ちょっと待ちなさい!総一郎!』


ガシッ!


総一郎

『っ!触るな!』


一之瀬さんに手首を掴まれ俺は背筋に寒気が走り一之瀬さんの手を振り払った!


バシッ!


深雪

『っ!痛っ!』


香澄

『お嬢様!貴様!お嬢様に何を…っ!』


俺は振り返り初めて二人に対して友達としてでは無く…敵を倒す時の思考に、切り替わったのを、感じた。


総一郎

『………』


俺の気配が変わった事を敏感に、感じ取った香澄さんは警戒した表情を、して、一之瀬さんの前に立ち塞がる。


一之瀬さんは少し青ざめた表情で俺を見ている。


総一郎

『俺に気安く触るな…』


正直、俺は他人に触られるのが苦手だ。


まして…俺の手は血で、汚れている…。


俺に触ったらその人まで汚れてしまう…。


そんな風に、考えているので俺は他人に触られるのが嫌だ…。


総一郎

『一之瀬さん…俺は…』


何時もの作り笑いが出来ずに、俯く。


振り払った事を謝らなければと思ったが止めた。


これ以上、一之瀬さんや香澄さんと一緒に居たらゼノンの奴に要らぬ詮索をされるかも知れない。


そう思った俺は、無言のまま二人に背を向け歩き出した。


此処から深雪視点に変わります。


深雪

『………』


香澄

『………』


私も香澄さんも総一郎の放つ威圧感に、気圧され何も言えず歩き去る総一郎の背中を見送った。


総一郎の背中が、街行く人達の中に溶け込む様に消えたのを確認した香澄さんは額に冷汗を掻いていた。


そう云う私も背中まで、冷汗で、ぐっしょり。


香澄

『何だったんだ?普段の彼とは余りに異質過ぎるな…』


深雪

『うん…』


香澄さんの言葉に、同意しながらも、私は先程の総一郎にシャドウブレードが重なって見えた。


深雪

『あんなに総一郎が怒ったのを、見るの…初めてかも…』


何時も…どんな時もヘラヘラ笑って…。


笑って?そう言えば…。総一郎は何時も笑顔だった…。


総一郎のお母さんやお父さんが亡くなった時も…何かが当たって血が出た時も…。


その考えに、至った時、私は寒気がした。


もしかして…。総一郎の笑顔は…作り笑い?


もし…そうだとしたら…今日の昼間、天野さんと一緒に笑い合ってた総一郎の笑顔が本当の…。


ドカアアアッン!


っ!この爆発音は何!


深雪

『っ!』


香澄

『っ!まさかっ!深雪お嬢様!早く此処から逃げま…なっ!』


突然、目の前に全身が、黒いタイツで、覆われた奇妙な人達10人に囲まれてしまった。


戦闘員

『………』


香澄

『くっ!はぁ!』


ドガッ!


香澄さんの右回し蹴りが首に当たったものの…。


戦闘員

『………』


ブンッ!ドカッ!


香澄

『ぐぁ!』


平然としたまま右の正拳突きを繰り出し香澄さんは吹き飛ぶ!


深雪

『っ!香澄さん!』


香澄

『ゴホッ!ゴホッ!』


ビシャ!ビシャ!


香澄さんはお腹を押さえ吐血。


深雪

『香澄さん!ちょっと!あんた達!何者なのよ!どうして酷い事を!』


戦闘員

『………』


何なの?この人達!まるで、感情が、無いみたいな…。


深雪

『ひっ!来ないで!』


誰か…誰か!助けて!


徐々に距離を詰めてくる変な奴らに私は恐怖で、動く事が出来ない。


殺される!そう思い目を閉じた次の瞬間!


???

『転身っ!』


深雪

『えっ!』


総一郎?そう思って声のした方へ目を向けた時には、黒い鎧を身に纏った人が…シャドウブレードが立って居た。


深雪

『総一郎!香澄さんが!香澄さんが!』


私は安心して泣き出してしまった…。


シャドウブレード

『また、アンタか…何度言ったら分かる…俺は、総一郎とやらじゃない…影の刃…シャドウブレードだ!フンッ!』


ドカッ!バキッ!


素早く戦闘員達を、蹴散らし吹き飛ばす総一郎に私は見惚れる。


シャドウブレード

『ちっ!内臓がヤラレてやがる…おいっ!しっかりしろ!今、仲間を呼ぶからな…レイス!』


シュン!


突然、私の目の前に緑色の鎧を来た女の人が現れた。


レイスブレード

『シャドウ?どうかし…っ!そう云う事ですか…ヒーリング!』


その人は右手を香澄さんの肩に当て香澄さんの体が光り輝く。


シャドウブレード

『っ!ちいっ!レイス!その人を抱えて飛べ!』


深雪

『へっ!ちょっ!きゃああああああっ!』


総一郎は私をお姫様抱っこして飛び上がった。


シャドウブレード

『耳元で喚くな…五月蝿い奴だ…』


深雪

『なっ!この偉そうに!馬鹿総一郎!』


シャドウブレード

『だから…俺は…ちっ!シールド!』


キュンキュンキュン!


総一郎の左手に光が集まり…。


ブ〜ンッ!


光の球体が展開したと、同時に…。


???

『ダークネスキャノン』


ゴォォォォォ!


深雪

『なっ!』


突然、巨大な黒い塊が、飛んで来て!


ガキンッ!ガシャン!


ドカアアアアアン!


巨大な黒い塊が上空に、弾かれ大爆発!


シャドウブレード

『たくっ…。おいおい!こんな時に限って…クリムゾン・ヘッドかよ…』


総一郎は、地面に着地し私は完全に固まってた。


シャドウブレード

『おいっ…何、固まってやがる…』


呆れた様な声音で、話し掛けて来る総一郎に私は噛み付く!


深雪

『だっ!誰が固まってるですってぇ〜!』


シャドウブレード

『だから…。一々喚くなよ…五月蝿いな…』


???

『貴様!私を、無視するなぁ!』


灰色のコートを全身に、被った人が総一郎に怒鳴った。


総一郎は平然と、その人声からして多分、女の人に言った。


シャドウブレード

『別にアンタを無視してた訳じゃ無い…この女が耳元で喚くから五月蝿いと言っただけだ…』


そう言った総一郎に何故か、その人は体を震わせ始める。


???

『貴様…何時まで…』


シャドウブレード

『?』


???

『何時まで!その女を、抱いてるつもりだ!』


ビリビリビリッ!


深雪

『っ!』


凄い殺気に、私は青ざめ総一郎は平然と言った。


シャドウブレード

『何を、怒ってるんだ?クリムゾンヘッド?』


クリムゾンヘッド

『五月蝿い!死ねぇぇ!シャドウブレード!』


突進して来るクリムゾンヘッド?に総一郎は言った。


シャドウブレード

『五月蝿い奴だな…』


物凄い敵のラッシュを、避け続ける総一郎。


何で当たらない訳?


総一郎は平然と攻撃を、避けながら叫ぶ。


シャドウブレード

『レイス!二人を…っ!はっ!』


ドカッ!


クリムゾンヘッド

『ぐぁ!』


ヒュン!ドカァァン!


総一郎の前蹴りが当たり怖い位に吹き飛び壁に、叩き付けられた敵。


シャドウブレード

『二人を頼む…』


レイスブレード

『はい…お任せ下さい…シャドウ?気を、付けて下さい…』


シャドウブレード

『俺が、アイツを悲しませるとでも?』


深雪

『アイツって誰よ?』


総一郎の声が優しい声音に変わり私は問う。


シャドウブレード

『………俺が一番大切に思ってる奴だ…』


ズキン!


深雪

『へっ…へぇ〜』


シャドウブレード

『もっと言ってしまえばその人が居るから俺は…誰よりも強くなれる…』


シャドウブレード

『何故ならば俺は、その人を心から、愛しているから…』


深雪

『なっ!』


真剣な声音で言う総一郎に唖然とする私を総一郎は地面に下ろした。



次回予告!


クリムゾン・ヘッドとの闘いを優勢に進めていた総一郎…。


しかし…ある事が原因で総一郎は、クリムゾン・ヘッドの攻撃をまともに受けてしまう!


誰もが無事では済まないと思っていたが総一郎は平然と立っていた。


しかし!


ってか…これ以上はネタバレになりそうなので、これにて失礼させて貰います。



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