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第31話・初デート!その1

中々、小説を書く時間が無く大分時間が掛かりました…もし…楽しみに、して下さった方がいらっしゃったらお待たせしました。

俺は今、物凄く緊張して居る…。


多分、今まで生きて来た中で一番の緊張だ。


緊張は戦闘にとって妨げになる。


かつて無い緊張感に喉はカラカラに、渇いており冷汗が全身を伝う。


今日は晶さんと初デートの日だ…。


ヤバイ…こんな調子では折角のデートが台なしになるかも知れない。


しかも…今日は晶さんの誕生日だ…。


ヤバイ…。何か更に緊張してきた…。


誕生日プレゼントは気にいってくれるだろうか?


心配だ…未だ待ち合わせまで30分近くある。


俺は、深呼吸を一つして気持ちを落ち着かせる。


よし!行くか!


そう思って待ち合わせの場所まで来たのだが…。


総一郎

『何故、居るんですか?晶さん…』


馬鹿な!未だ待ち合わせまで30分近くあるんだぞ!


時計も狂ってないし待ち合わせ時間も正しい筈。


なのに…なのに何故居るんですか?晶さん…。


銀色の髪に、白いワンピースにお洒落な上着を、着て、何時もの無表情で立っている。


時折、辺りを見渡したりコンパクトの鏡で、髪を気にしたりしている。


くそ!デートなのに女の子を…それも恋人を待たせるなど男の風上にも、置けん阿保だ!俺は!


俺は猛ダッシュで待ち合わせ場所まで走る。


総一郎

『はあはあ!す…すみません!晶さん!』


俺の声に、視線を向けた晶さんは何時もの無表情が、嘘の様に笑顔を向け言った。


『おはよう…』


総一郎

『っ!おはようございます…すみません…待たせてしまって…』


うなだれる俺に晶さんは微笑みながら言った。


『良いの…そんなに待ってないし待ち合わせ時間だって未だ、大分あるもの…』


総一郎

『ですが…』


謝罪しようとする俺に、晶さんは言う。


『そんな事よりも…そのどうかな?』


晶さんは不安そうに自分の恰好を見て言い俺は、即答した。


総一郎

『似合ってます…とても可愛いですよ…』


少し恥ずかしかったが、晶さんに誂えた様に似合ってるので言った。


『そう…ありがとう…』


頬を、微かに赤く染めて呟く様に言う晶さんが、愛しい…。


総一郎

『さて…立ち話も何ですし行きましょうか?』


『ええ…』


こうして…俺と晶さんはデートし始めた。


此処は、地元では無いし知り合いとバッタリ会う事も無いし見られる事も無い…。


だから…。少し積極的になってみよう…。


総一郎

『あの…晶さん…』


『何?』


うぅ…何か緊張するな…だけど…。


総一郎

『その…手を繋いで良いでしょうか?』


『えっ?』


何故か固まる晶さんに、俺は、恥ずかしさに赤面しつつも俺は、もう一度晶さんに聞く。


総一郎

『手を繋いでも良いでしょうか?っと言うか…。晶さんと手を繋ぎたいんです…駄目ですか?』


そう言うと晶さんは赤面して無言で、頷き右手を差し出してくれた。


俺は、そっと晶さんの手を握る。


柔らかくて暖かい手をしている晶さん…。


手を繋いでいる…ただ、それだけで、心が温かい何かに満たされる…。


晶さんの歩調に合わせてゆっくり歩きながら俺は絶対に、この人を悲しませたり苦しませたりしないと心に刻み付けた。


総一郎

『晶さん…先ずは何処に行きます?』


俺の問いに晶さんは一瞬考えたが、直ぐに答えが見付かったのか晶さんは言った。


『何処でも良い…』


総一郎

『えっ?あの…』


戸惑う俺に晶さんは微笑みを、絶やさぬまま呟く様に言った。


『貴方と、一緒なら何処でも良い…』


総一郎

『そっ…そうですか…』


ってか、それしか言えません!


総一郎

『じゃあ…色々と散策しましようか…』


『ええ…』


今日は調度、日曜だったので朝から待ち合わせしこうして晶さんと一緒に外を歩いている…。


天気は上々…雲一つ無い快晴…。


日曜だからか結構沢山の人達が行き交う中、俺と晶さんは手を繋ぎ色々と見て回る。


洋服店を見つけ晶さんと一緒に入った。


店員

『いらっしゃいませ!』


元気の良い挨拶をしつつ余りこちらを見ない。


まあ…その方が良いので問題は無い…。


『何だか色々ある…』


総一郎

『そうですね…。此処はどうやら洋服だけじゃなくてアクセサリーもあるみたいですね…』


晶さんは目を輝かせ店内を見て回る。


珍しく小さな子供の様にはしゃぐ晶さんに、俺の顔も綻ぶ。


結局、何も買わずに店を出てしまったがな…。


『総一郎君は服とか買わなくて良いの?』


晶さんの質問に俺は苦笑しながら答える。


総一郎

『正直、ファッションに興味が無いし…それに、俺の場合は長袖しか着れないからな…』


『そうね…』


晶さんが一瞬だけ、悲しそうな表情になったので慌てて言った。


総一郎

『いや…晶さんの気持ちは嬉しいけど、新しい服を買って着ても直ぐ破けたりしますし…』


実際、何度かそんな事があったので勿体ないから買うのは服が、ボロボロになって着れなくなった時だけになった。


自分の血や砂や埃で激しく汚れるから汚れが目立たない黒や紺色を重点的に買う。


白とか汚れが目立つのは出来るだけ、避けているのは当然の事。


『そうなんだ…』


意外そうな晶さんに俺は首を傾げる。


総一郎

『でも…晶さんは何も買わなくて良かったんですか?結構、真剣に見てましたけど…』


『私?私も正直、ファッションとかに興味は…』


苦笑気味に言う晶さんに俺は笑う。


『なっ…何で笑うの?』


総一郎

『いや…くくく…。何て言うか似た者同士だなって思ってね…でもね…。晶さん?』


『何?』


総一郎

『街行く人、特に男性が君を見て何度も振り返ってるんだよ?気付いていた?』


俺の言葉に晶さんは一瞬怪訝そうな表情をする。


『えっ?あの…』


総一郎

『君は自分の魅力に気付いて無いの?』


呆れる俺に、首を傾げる晶さん。


総一郎

『君は綺麗だし…。背も高いから始めて君に会った時外人かなって思ったよ…』


『えっ?あの…綺麗ってその…』


赤面する晶さんに俺は、益々笑いが、込み上げて来る。


『………』


あの日、この人に会わなかったら…。


そして…彼女がゼノンの戦闘員に、遭遇しなかったら…。


彼女が、青嵐学院高校に転校して来なかったら…幾つもの偶然が、重なり合って今がある…。


総一郎

『くす…顔が真っ赤ですよ…晶さん…』


あながち、TVの占いも馬鹿には出来ないな…。


『もう!総一郎君!』


総一郎

『ゴメンゴメン…』


赤くなって怒る晶さんに慌てて謝る。


『う〜。気持ちが篭って無い…』


拗ねながらも繋いだ手は離さないのは御愛嬌。


総一郎

『お詫びと言っては何ですが…デート代は俺持ちで構いませんよ?』


『えっ?』


んっ?何だか…意外そうですね。


総一郎

『っと言うか…。俺は、そのつもりだったんですが?』


『そんな…。総一郎君にだけ、負担を掛けるのは悪いよ…』


申し訳なさそうに、言う晶さんに言った。


総一郎

『晶さん…男はね…好きな人の前では恰好付けたいものなんですよ?』


『そうなの?』


総一郎

『そうなんですよ…それに今日は晶さんの誕生日ですし…今日は俺の顔を立てて下さい…』


そう言うと晶さんは頷き言った。


『分かった…今日は総一郎君の顔を立てる…でも次は割り勘ね…』


その言葉にちょっと驚き又、笑う。


『総一郎君?』


総一郎

『いえ…さあ…行きましょうか?』


『ええ…』


少しだけ、晶さんに手を引っ張られながら俺は、晶さんに着いて行く。


この時、何時もの俺ならば、人の視線に気付いていた筈だが…。


やはり…俺も人なのだろう…。


晶さんと、デートという事に油断して居たんだ。


更に言えば、此処は地元からは、かなりの距離がある…。


だから俺は完全に、油断していた…。


まさか…。まさか一之瀬さんが俺と晶さんがデートしている所を目撃されて居たなんて当時の俺は夢にも思わなかった。


此処から深雪視点に変わります。


私は、まず我が目を疑った。


今日は、たまたま此処で用事があり香澄さんと、一緒に出掛けて居た。


何で…何で総一郎と天野さんが一緒に…それも、手を繋いで歩いてるの?


何時もの無表情が嘘みたいに無く穏やかに嬉しそうに笑う天野さん。


それに総一郎も笑顔で、天野さんに、話し掛けている。


二人共、学校では普通にしているのに…。


香澄

『お嬢様?一体何を見…っ!』


香澄さんは私の見ている方向に視線を向け固まった。


香澄

『井上様と天野様?いやちょっと待って下さい…他人の空似っと言う線も考えられますよ?』


何故か、顔面蒼白で言う香澄さんに私は首を傾げ問う。


深雪

『どうしたの?』


香澄

『っ!イエ…。ナンデモアリマセン!』


深雪

『?』


何で片言でしかも姿勢を正して言ったの?


香澄

『あの…深雪様!取り敢えず行きましょう!未だ用事は終わっていませんし!』


香澄さんに、グイグイと背中を押され私は渋々、用事を、終わらせに行く事にした。


此処から総一郎視点に、変わります。


そんな一之瀬さんと香澄さんの、やり取りなんか知るよしも無い俺と、晶さんは、その後もデートを続ける。


総一郎

『んっ?あれは…』


俺は、ある建物に目を、止めた。


『どうしたの?』


晶の質問に俺が言った。


総一郎

『えっ?ああ…ゲーム・センターに、どうやら、新しいのが入荷したらしいんで…』


気になるガン・シューティングの新しいのが入ったのは魅力的だが…今は晶さんとデート中だ。


気になるが、今は駄目だな…。


『あれ…此処って入荷が早いのね…』


総一郎

『あれ?晶さんってゲームとかするんですか?』


俺の質問に晶さんは笑いながら言った。


『中学時代に本で面白そうだって思って一度行って見事に、音楽ゲームとガン・シューティングに嵌まって…』


『近頃は、良い本が出版されてるから、そちらにのめり込んでるけど…』


いっ意外だ…どちらかと言うと晶さんは、ゲームとか全くしなさそうに、見えるのに…。


総一郎

『それなら…行きましょうか?晶さん!』


『ええ…』


俺と晶さんはゲーセンへ足を踏み入れた。


総一郎

『随分、大きなゲーセンですね…』


お店自体は、それ程には大きく無いけど…。


3階建てで更に地下に、まで、ゲームコーナーがあるよ…。


『あっ…これってサ○レン○ス○イ○ーだわ…』


総一郎

『こっちはDDLの初期の物まであるよ!』


『しかも…レトロゲームまで…』


総一郎

『晶さん…』


俺の呟きに晶さんは無言で頷き俺と晶さんは両替機に向かう。


そして…。俺と晶さんは先ずガンゲーへ足を運んだ。


総一郎

『先ずはアレですね…』


『ええ…そうだわ…総一郎君…どうせなら賭を、しましょう…』


突然の提案に、ちょっと驚きつつ俺は快諾。


総一郎

『良いですよ?何を賭ますか?』


『どちらが全面クリアーまでに何回死ぬか?コンテニューは無制限…負けたら勝った人の言う事を一つ聞く事…でも…余り無茶な事は言わない事…どう?』


総一郎

『良いですよ…それじゃ勝負!』


俺と晶さんは、1コイン入れガンゲーを始める。


此処から晶視点に変わります。


総一郎君がコインを入れガンコンを、手に取った瞬間、何時も笑顔を絶やさない表情から、真剣な表情に切り替わる。


見惚れてしまう程だけど勝負は私が貰う…。


このゲームだけは、実は地元で何度も遊んで居るのだから…。


えっ?卑怯?うふふ…。


戦いに卑怯なんて無いのよ?


これは卑怯なのでは無く知略よ…。


ファースト・ステージは二人共、ノーダメージでクリアー。


総一郎

『やりますね…晶さん』


『貴方こそ…』


セカンドステージもノーダメージクリアー。


くっ!悔しいけど総一郎君は凄い…。


命中率、90%台をコンスタントに出して的確に急所を、ピンポイントで破壊していく。


総一郎

『うぉ…急にモンスターが強くなった…』


ポツリと、言いながらも冷静に急所に銃弾を叩き込む総一郎君。


私も必死に、銃弾を叩き込む。


その後、ファイナルステージまで私と総一郎君はノーダメージのままボス戦に突入。


総一郎

『拙いな…晶さん…どうやら、このボスは一人が敵の攻撃を壊しもう一人が敵を攻撃しないと倒せない様だ…』


『そうね…多分二人だから…』


嵐の様なボスの攻撃を、銃弾で無効化させながら言う。


総一郎

『此処までノーダメージクリアーなんですから…最後まで…』


『そうね…総一郎君…』


もう賭の事を、すっかり忘れて私と総一郎君は、必死に最後のボスと戦い長い激闘の末、ノーダメージでボスを倒しエンディングへ。


その瞬間…。


わぁぁぁ!


っと、大きな歓声が背後から聞こえて同時に振り向くと何時の間にかギャラリー達が沢山居た。


総一郎

『何時の間に…』


『総一郎君…早く…』


私の言葉に総一郎君は、頷き私達は素早くイニシャルを撃ち込み逃げる事にした。


『拙いわね…私達が此処に居ると…』


総一郎

『ええ…間違いなく注目の的ですね…エンディングが、見たかったんですがね…』


『まあ…あのゲームは、命中率やライフの残量で難しさが変わるし…』


総一郎

『多分…最高の難易度だったと思います…』


『それを私達がノーダメージ・クリアー』


確実に目立つわ…。


二人して苦笑しつつ手を繋いでゲーム・センターから出る事に…。


総一郎

『結局…決着が付きませんでしたね…』


少し残念そうにする総一郎君に私は笑い言った。


『それなら…次は此処で勝負しましょう…』


私はカラオケボックスを指差し提案。


総一郎

『えっ?カッカラオケですか…』


若干、額に冷や汗を掻き呟く総一郎君に私は内心ほそく笑む。


『駄目?』


私は知っている…総一郎君は、私が上目使いで、問うと大概の事は、了承する事を…。


本当なら余り使いたく、無いけど…。今日だけは手段は選ばない…。


ごめんね…総一郎君…。


内心、罪悪感で一杯だけど…。


総一郎君の歌声を、聴きたいのも理由の一つ。


総一郎

『うっ…分かりました…行きましょうか…』


総一郎君は、渋々だったけど了承してくれた。


『そう…』


ああ…やっぱり貴方は、優しい…。


穏やかで優しい貴方が、私は1番好き…。


戦っている貴方は余り、好きじゃない…。


だって…戦闘中の貴方は傷付こうと、骨が折れようとお構い無しに平気で闘うから…。


自分よりも、他人を優先する…。


その考え方は、とても…とても立派だけど…。


私は正直…他の人がどうなろうと、どうでも良いの…。


総一郎君は自分を犠牲にしてでも他人を仲間を、私を助ける。


でも…。私は違う…私は自分よりも他人よりも、家族よりも、友人よりも総一郎君が1番大事。


総一郎君が、助かるなら私は平気で自分を他人を家族を友人を犠牲にするわ…。


だって…。井上総一郎という人に代わりなど何処にも居ないもの…。


だから私は例え外道だと人殺しだと罵られようと平気…。


こんな事を、考えている事を知られたら彼は私を失望してしまうわね…。


総一郎君に嫌われたら…私は生きていけない。


私は総一郎君の手を少しだけ強く握る。


この温もりを、少しでも感じて居たいから…。


っと…そんな事を考えている内にカラオケBOXに到着した。


さあ…始めましょうか?


私と貴方の戦いを…。



今回の話は大分長いので何回かに分けて書きますもう暫くお待ち下さい!

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