第26話・能力テストという名の真剣勝負!
今回、能力テストをするつもりが…話の都合上、次回に後回しです…すみません…。
翌日、僕と晶さんは亜依さんに連れられて、ゼクロス本部に来たんだけど何故か、凄い人数の人が居るよ!
晶
『総…井上君…。何だか凄い所に連れて来られたみたい…』
不安そうに言う晶さんに微笑みながら言った。
総一郎
『大丈夫ですよ…。それよりも一体、何なんですかね?この騒ぎは?』
亜依さんに聞くと予想外の言葉が返って来た。
亜依
『あの有名な貴方がゼクロスのメンバーに入るんだもの…そりゃハシャギたくもなると思うわ♪』
総一郎
『はあ?有名?僕がですか?』
戸惑う僕に、亜依さんはあからさまに溜息を一つ零して言った。
亜依
『あのねぇ…総一郎君?貴方は自分が、どれだけ凄いのか?分かって無いでしょう?』
総一郎
『僕は…。そんなに凄く無いですよ?』
亜依さんの言葉を、否定する僕に亜依さんは呆れた様な表情を見せハッキリと言った。
亜依
『10歳の頃にブレードに転身し当時、他のゼクロス・メンバーが総掛かりでも倒せなかった怪人ファントム・ゼブラを、一対一で倒したのに?』
その言葉に僕は驚きつつも…。
総一郎
『ああ…。確かに、あの怪人は強かったけど…。一度、父さんとファントム・ゼブラが戦って居るのを見たし…』
総一郎
『それに、一度見た技には引っ掛かりませんよ?それに奴の動きは見切ってましたからね…』
此処から亜依視点に変わります。
事もなげに言う総一郎君に私は戦慄を覚えた。
総一郎
『大体…。一度見た技、喰らった技を二度も引っ掛かる程、阿保じゃないんですよ…僕は…』
おどけた様に言う総一郎君に私は内心舌を巻く。
言い換えれば総一郎君の言ってる事は同じ技は、二度も通じないと言っているのと同じだ。
総一郎
『亜依さん?どうかしました?何か変な事を言いましたか?僕?』
首を傾げる総一郎君に、益々、溜息が出た。
晶
『井上君…井上君…』
クイ!クイ!クイ!
晶ちゃんが、総一郎君の袖を引っ張る。
総一郎
『はい?どうかしましたか?天野さん?』
晶
『10歳の頃から戦って居たの?』
晶ちゃんは無表情のままだけど私には分かる。
晶ちゃんが、不機嫌だと言う事を♪
総一郎
『えっ?あれ?言ってませんでしたっけ?』
若干焦り気味に言う総一郎君に晶ちゃんが、ジト目でガン見♪
晶
『聞いてない…』
拗ねた様に言う晶ちゃんに、額に冷汗を垂らして総一郎君は…。
総一郎
『いや…その…何と言いますか…。すみませんでしたぁ!』
晶ちゃんの絶対零度よりも、冷たい視線と気配に直ぐに謝る総一郎君…。
亜依
『クス♪クス♪尻に敷かれてるわねぇ♪』
からかうと、赤面しつつ総一郎は言った。
総一郎
『いや…。別に天野さんとは、そんなんじゃないですよ…。亜依さん…』
総一郎君の言葉に晶ちゃんは、ポツリと…。
晶
『うぅ…。亜依さんばっかり…狡い…総一郎君の馬鹿…』
拗ねた様に言う晶ちゃんに総一郎君は、やっぱり鈍感…。
総一郎
『ん?何か言いました?天野さん?』
総一郎君の、あんまりな返答に私は呆れ晶ちゃんは…。
晶
『別に…』
っと、言って悲しそうに俯く…。
総一郎君は、少し考えたものの一度溜息を付いて言った。
総一郎
『拗ねないで下さいよ…晶さん…』
晶
『っ!』
総一郎君の呟きに晶ちゃんが…あらあら♪
赤面してるわねぇ♪うんうん♪
青春かな♪青春かな♪
二人とも、完全に状況を忘れてるわね♪
???
『亜依さん…大悟さんが呼んで…って…どうかされたんですか?』
っと、そこにナイスタイミングで現れた麗子ちゃんに言った。
亜依
『悪いんだけど、光太郎君と、ほむらちゃんと、セリスちゃんに訓練場に行くように伝えて?』
亜依
『後、貴女もね♪それと次いでに総一郎君を訓練場へ連れてってね?』
麗子
『分かりました…総一郎さん…行きましょう…』
此処から総一郎視点に、変わります。
総一郎
『ええ…っと君は、もしかしてレイス?』
麗子
『はい…そうですが良く分かりましたね…』
総一郎
『いや…歩く時の音とか声…後、身に纏う気配がレイスにそっくりだったから…』
そう言うと見知らぬ僕位の年齢の女の子は微かに驚いた表情を見せた。
総一郎
『何か変な事を言いましたか?』
麗子
『いえ…それよりも自己紹介が未だでしたね…。私の名前は、黒崎麗子…レイス・ブレードよ…。宜しく…』
総一郎
『はい…宜しくお願いしますね…黒崎さん…』
麗子
『それでは、私に着いて来て下さい…亜依さん…天野さん…失礼します』
それだけ言うと歩きだし僕は、慌てて黒崎さんに着いて行く。
何故か、背後から強烈な殺気を感じながら…。
黒崎さんは何事か独り言を呟く。
麗子
『……りま…た…早く………て…さい…』
その後、溜息を吐き突然振り返って言った。
麗子
『総一郎さん…貴方にはゼクロスメンバーになる為の試験を、受けて頂きます…』
総一郎
『試験ですか?』
麗子
『試験内容は単純です…私を含めた5人のブレードとの、真剣勝負をするだけです…』
その言葉の意味を理解するのに数秒掛かり僕は、固まった。
麗子
『どうかしましたか?』
総一郎
『いやいや!5人のブレードと、真剣勝負って!本気ですか!』
模擬戦なら、未だ分かるけど真剣勝負って!
総一郎
『本気で戦ったら無事で済む訳が…怪我して悪の秘密結社との戦いに支障が出たら、どうするんですか…』
呆れた様な声を出すと…
麗子
『大丈夫です…ゼクロスにはメディカルマシーンが、ありますから…』
総一郎
『何ですか?そのメディカルマシーンって?』
麗子
『簡単に説明しますと…その機械の中に、入ればその人が、死んで居ない限りは、どんなに重傷でも、数時間程で回復する機械です…』
それは便利だな…。わざわざブレードに転身してエネルギーで自己治癒力を、強化して回復速度を早めたりしなくて、良いなぁ…。
そんな事を考えつつも…
総一郎
『そんな凄い機械があるんですね…』
っと感心しながら言うと黒崎さんは少し驚いた様な表情を見せた。
此処から麗子視点に変わります。
驚いた…まさかソウル・クリスタルで、その様な事が出来るなんて…。
彼は簡単に言ってますがブレードに転身するだけでも相当、凄い事なのにそんな繊細なエネルギーのコントロールまでしているなんて…。
何故、私が総一郎さんの考えを読めるのかと言うと…。
それは、私が超能力者だから…。
超能力者は実在する…。何故なら、ソウル・クリスタルを造った方が異星人だから…。
彼等が地球の人達と結婚し子供が、生まれた時に彼等の特殊な能力を受け継いだ…。
小数ではあるけど確かに地球には超能力者が実在する…。
因みに適格者と呼ばれる人は、そのソウル・クリスタルを造った方の血が流れており尚且つ、その血を、色濃く受け継いだ人の事を指す言葉…。
つまりゼクロスメンバーの大半が、少しだけ他の人間とは違う…。
90%は人間と同じだけど10%位は普通の地球人では無い…。
悪い捉え方をすると怪物良い捉え方をすれば超人っと言った感じです。
そんな事を、ボンヤリと考えながら皆が、待つであろう訓練場へ。
私も総一郎さんも無言のまま歩き続ける。
私は横を歩く総一郎さんに視線を向ける。
少し見ない内に彼は変わった…。
前は何処か危うい感じがあったのに今は、そんな感じは無い。
背丈も伸び顔付きも前はキツイ表情だったのに、今は何処かスッキリした表情だ…。
多分、この人を変えたのは、さっき隣に居た銀色の髪をした少女だ。
私は、さっきの少女の、様子を思い出し苦笑してしまった。
総一郎
『どうかしたんですか?黒崎さん?』
麗子
『いえ…それと真剣勝負ですから手は、抜かない様に、お願いします…。貴方の能力テストも兼ねてますから…』
総一郎
『そうなんですか?』
麗子
『ええ…。どうやら私達以外は皆さん集まった様ですね…早く行きましょう…』
私と、総一郎さんは歩く速度を早めて訓練場へと向かう。
次回予告。遂に、始まる総一郎VSゼクロスメンバーとの一騎打ち!総一郎の圧倒的な実力にゼクロス・メンバーと晶は、戦慄を覚える!