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第23話・少女の告白!

今回は何も言う事はございません!見たら分かりますから(笑)

『井上君!』


私は…。井上君に走って近付き何の躊躇いも無く井上君に抱き着いた。


総一郎

『おい!はっ…離せ!』


戸惑う声に井上君の鼓動が早くなってるのを感じ私は嬉しくなった。


通行人が微笑ましい顔をして私達二人を見て通り過ぎる。


抱き着いていると不思議な事に、ドキドキよりも安心感の方が強い。


時々、メキメキっと奇妙な音が井上君の身体から聞こえ筋肉が動いているのが分かる。


総一郎

『っ!おい!いい加減に離せよ!』


井上君は、必死に身体を動かしながら、私を振り払おうと、躍起になっている。


私は、そうはさせないとばかりに井上君を抱きしめる腕の力を強くする。


井上君が、本気を出せば私の腕なんて直ぐに外す事が出来るのに、それをする事は無い。


『井上君…お願いだから逃げないで…』


そう言うと井上君はビクンと身体を震わせ固まった。


総一郎

『なっ…何で僕が君なんかから逃げなきゃならないんだよ…』


微かに動揺したのを感じ私は更に言葉を続ける。


『逃げて無いなら…どうして私を避けるの?』


此処から総一郎視点に、変わります。


悲しそうな天野さんの声に胸が切り裂かれた時の様な痛みを感じた。


総一郎

『そんな事は…』


無いと、言い掛けて僕は口を閉じる。


天野さんは気付いて居る筈だ…。


僕が、天野さんから逃げ続けているのを…。


黙り込む僕に天野さんは信じられない言葉を言った。


『井上君…。私は…私は貴方の事が…貴方の事が好きなの…』


総一郎

『っ!』


頭を、ハンマーか何かで殴られた様な衝撃に茫然自失になった。


今、彼女は何て言ったんだ?


混乱する僕、野次馬連中の生暖かい視線、天野さんの温もり。


その全てが更に僕を混乱させ脳の働きを鈍くさせる。


総一郎

『なっ…何を言ってるんだ…頭おかしくなったのかよ?』


俺の様な血で汚れた人殺しを好きだって?


ははは!狂ってるとしか言い様が無いね…。


総一郎

『一度、病院へ行った方が良い…。眼科と精神科にな…』


彼女が俺を好きだって?何のドッキリだよ?これは?


もし…俺の精神を破壊したいなら完璧な作戦だがいかんせん説得力が足りなさ過ぎる…。


『私の事を嫌いでも構わない…それでも私は貴方が好きだから…』


そう言いながら、微かに天野さんの身体が震えており背中が熱い。


愚直なまでの天野さんの告白に俺は両手の拳から血が出る程、拳を握り締めていた。


今、此処で俺が天野さんを受け入れたらこれまでの自分の誓いを破る事に繋がる。


だが…此処で彼女を拒絶したら、彼女は…きっと俺を思って身を引いてくれるだろう…。


拒絶しなければ俺と同じ悲しみや苦しみを彼女に背負わす事になる…。


冷静になるんだ…。井上総一郎…この選択肢は、俺に取って…人生最大の選択になる。


彼女を思うなら拒絶するべきだ。


悪の秘密結社との闘いは命掛けだ…。


そんな闘いに好きな人を巻き込む事なんか出来る訳が無い…。


唇を噛み締め歯を食いしばる。


だけど…俺は、どうなんだよ?


自分の心に、問い掛けてみる…。


彼女の為とか…そんなのは抜きにして俺は、どうしたい?


そんなの…。答えは決まってる筈だ…。


一緒に居たい…。


彼女に触れたい…抱きしめたい…。


彼女と一緒に生きたい…彼女と共に…。


ああ…。そうか…今まで何故、父さんが母さんと結婚したのか?


疑問だったが…その答えが見つかった。


もう…。俺は迷わない…天野さんが俺の様な人殺しでも好きだと言ってくれるならば…。


その瞬間、俺の中で何かが変わった。


モヤモヤしていた胸の、シコリが、取れ清々しい思いだ。


野次馬連中の前で言っても良いが大事な事だ。


天野さんにだけ聞こえる様にしなければ余り意味が無い…。


総一郎

『天野さん…。ちょっと離して…』


それだけ言って、優しく天野さんの手を解き天野さんの手を握る。


此処から晶視点に変わります。


井上君に手を握られ私は半泣きで井上君を見る。


総一郎

『ちょっと…来て…』


そう言うと井上君は私の手を引いて歩き出す。


井上君の表情は見えないから私は、不安で不安で仕方なかった。


嫌われても良いなんて…そんなの嘘…。


嫌われたく無い…誰よりも貴方が好きだから…。


井上君は私の足に合わせながら歩き続ける。


井上君…背が伸びてる?さっき抱き着いた時に、感じた違和感。


私の方が、少しだけ身長高い筈なのに抱き着いた時、井上君の首元に私の額が当たってた。


そんな事を、考えながら私は井上君の背中を見つめる。


井上君はドンドン歩いて行く。


そして…。井上君は8階建ての白いマンションの前で立ち止まった。


『あの…井上君?』


私は何故、彼が立ち止まったのか分からず戸惑い問う。


総一郎

『天野さん…此処が俺の家です…』


『えっ?井上君の家?』


私の問いに井上君は振り向かずに答えた。


総一郎

『ええ…此処なら邪魔されずに済みますから…』


えええええええええ!


私は心の中で叫び固まってしまった…。



次回予告!晶の思いに、答える為、総一郎は自分の住む家へと、晶を招待する事に…。そこで総一郎は自身の事を話し始めた…。次回はシリアスなラブストーリーになると思います(笑)

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