第22話・君が何よりも大切だから…。
こんな小説に、1万1千ものアクセス…。ありがとうございます!今回はちょっとシリアスなお話です!
皆と別れた後、僕は家に戻り一先ず夏休みの宿題を片付ける事にした。
何時も思うのだが夏休みの宿題が、やたら多いのは、生徒に対する教師の虐めだと思うのは、僕の被害妄想だろうか?
怒涛の勢いで宿題を終わらせて行く。
ってか、読書感想文とか何故、高校生にもなってやらなければ、ならないのやら…。
首を、傾げてしまう…。とりあえず、ハ○ーポ○ターシリーズが、あったので、その感想文を書き漸く夏休みの宿題が終了した。
所要時間・五時間35分はっきり言う!
シンドイ!以上!
僕はテーブルに突っ伏し煙りの出ている頭をクールダウンさせている。
因みに煙りが本当に出てる訳では、無くて例えである。
えっ?それ位は分かる?すみません…。文句は、神様(作者)に、言って下さい。
グウウウウウ!っとお腹が、空腹を訴えだし僕は空腹を堪えながらカレー冷凍庫から、取り出してレンジで解凍した後に、レンジで温める。
因みに御飯は宿題を始める前に炊いてある。
いや…。どうも空腹で、気持ち悪くなって来た。
8分間が、やたらと長く感じる…。
チン!っとレンジの音が鳴った瞬間、素早く容器を、取ろうとして…。
総一郎
『熱!』
急ぎすぎて容器が熱いのを、すっかり失念してた僕は容器から手を離して耳たぶを摘む。
ふと、何となくどうして人は熱い物を、持とうとして熱かったら耳たぶを触るんだろう?
っという素朴な疑問を、考えて直ぐに思考を中断した。
近くに掛けてあるタオルを、手に取り容器を包みテーブルへ。
素早く炊飯器ごと、テーブルへ持って行き炊飯器を開けて、しゃもじで、カレー容器に直接、ぶち込みスプーンで食す。
何とか空腹感を満たした僕は、Tシャツと下着を5枚ずつビニール袋に、入れてカレー容器と炊飯器を綺麗に、洗いながら携帯の充電を行い電気、ガス、水道、携帯、家賃代を計算したら…。
総一郎
『うっ…嘘だろ…ありえねぇ!』
家賃代4万2千500円電気代・2千円。
水道代・1千900円。ガス代・2千500円。携帯代・5千円。
合計・5万3千900円どんなに計算しても5万3千900円。
総一郎
『安!』
給料は17万5千円。
軽く12万位、あるな…どうしたものやら…。
まあ…食代は3、4万位だが8万位は貯金出来るな…。
ええ…っと通帳を見ると1千500万…。
えっ?ちょっと待て!
1千500万!待て待て待て!
見間違いだろ!そう思い一つずつ、0を計算したんだが…。
どう見ても1千500万あるよ!
何故、こんなに、あるんだ?
まあ…お金は有り過ぎて困る事は無い。
無いと困るけどね(笑)
何せ生きて行く上で必要な物だからね…。
♪〜♪♪♪〜♪♪〜♪!
んっ?電話だ…誰だろうか?
鳴り続ける携帯を、取り着信者を見る。
着信は亜依さんからで…僕は慌てて電話を取る。
総一郎
『もしもし…』
亜依
『ああ…やっと繋がったわ…今からちょっと駅前まで来て…』
それだけ言うと亜依さんは電話を切った。
いや…せめて、こちらの確認位はして欲しい…。
やっぱり河野先輩の血縁者だな…。そう言えば…河野先輩も人の話を聞かない人だからな〜。
っと妙な納得をした後に僕は服を着て、何時もの様に電気、ガス、水道をチェックしてソウルクリスタルと携帯電話、財布を持つと家を出た。
相変わらず真夏日が続くが少しずつ涼しくなって居るのを感じる。
鍵を、きちんと掛けた後駅前へ歩き出した。
蝉の大合唱に、霹靂して溜息を吐き立ち止まる。
ズキ!ズキ!っと、体が痛みだし舌打ちした。
仕方ない…。先に病院に行こう…。
そう思い先ず亜依さんに電話する事にした。
総一郎
『もしもし…亜依さん?すみませんけど、病院に寄るんで少しだけ待っててくれませんか?』
亜依
『あら?そうなの?仕方ないわね…。早く行って来なさい…待ってるからね?』
総一郎
『ええ…。直ぐ終わると思いますから…』
亜依
『分かったわ…』
総一郎
『それじゃ失礼します』
ピッ!っと携帯の通話を切り僕は病院へ。
歩く度に、ズキ!ズキ!痛む。
早く病院へと、行かなければ…。
グゥゥゥゥゥ!
っと空腹を知らせる音が響き更に憂鬱に…。
全く…。どうなってるんだよ!
さっき食べたばかりなのに…。もうお腹が減って来てる。
うぅ…。空腹で気分まで悪くなって来たよ…。
っ!駄目だ!限界だ!
俺は飢えた獣が獲物に、向かって走る様に全速力で吉○家へ。
その後、吉○家の人が、呆れる程、特盛の○丼を5杯食べて漸く一息付き笑顔を浮かべる。
すると、何故か吉○家の女性定員が僕を見て赤面して固まる。
どうしたんだろう?そう思い知らず知らずの内に笑顔で首を傾げる。
すると女性定員だけでは無く男性定員までが赤面した。
両手を合わせて…。
総一郎
『ご馳走様でした…』
っと言い勘定を、支払うベく財布を取り出す。
因みに、米粒一つ丼には残っていない。
人様に作って貰った物を残す事なかれ…。
井上家家訓の一つだ。
更に丼を、きちんと重ね箸も一カ所に集めておくのは外食のマナーだ。
席を立ちきちんと椅子を元に戻す。
立ち上がった僕に気付いた女性店員が近寄る。
総一郎
『ご馳走様でした…とっても美味しかったです』
そう言って本当に珍しく作り笑いで、無い笑みを浮かべて頭を下げる。
女性店員
『あっ…いえ…そんな…あっ…ありがとうございます…はぅ…何て…』
僕は深く考えずに財布からお金を取り出し支払いを済ませルンルン?っでお店を出た。
空腹も収まり上機嫌で、歩く。
因みに痛んでいた全身、特に両足の疼きにも似た痛みから解放されたのは幸運だ。
今の内に早く病院へ行かなければ…。
此処から晶視点に変わります。
私は亜依さんに、電話で駅前に来る様にと言われ駅前へと急いでいた。
すると前方、10メートル先にある吉○家から、井上君が出て来た。
井上君は、珍しく笑顔のままで道行く人達が皆、井上君の笑顔に見惚れて立ち止まっている。
井上君は私には気付かず歩き出す。
私は慌てて声を掛け様として固まった。
井上君は病院の中へ入って行ったからだ。
ドウシテ…。ビョウインナンカニ…ハイッタノ?
私は呆然とその場で立ち尽くす。
その時、私は井上君が、銀色の怪物と戦っていた時にテトラポットに激突して血を吐いて、うずくまったのを思い出した。
私は不安で頭が、おかしくなりそうだった。
あの時、私を庇って倒れた井上君を思い出す度に罪悪感と後悔、自らの、無力さを痛感する。
外は暑い筈なのに、私の体は震え始める。
文化祭の時も緑色の怪物と戦ってる時も、右手で胸を押さえてた。
そして…。エンジェルと名乗った女の人に抱えられた井上君…。
もし…私の仮定が正しいなら井上君は眠ってたんじゃなく気を失っていた事になる…。
私は呆然と立ち尽くす。
此処から総一郎視点に、変わるます。
医師
『大丈夫…これは成長痛と呼ばれるものだ…』
医師
『原因は分からんが急に成長し始めている…今はしっかりとバランス良く栄養を摂取して筋肉を、付けなさい…』
医師
『今のままだと…。成長速度に体が着いていかないよ?今の君には栄養と運動が必要なんだ…』
っと言われ、そう言えば食事した後は痛みが無い事に気付いた。
ついでに、身長を測ると165センチになってたのには心底驚いた。
前まで158センチしか無かったのに突然7センチも、身長が伸びた事になる。
身長が低い事は僕のコンプレックスの一つだったが、それも直に解消されそうだ!
それに変な病気とか無かったし体も健康そのものだと医者からお墨付きを貰って、ホッと胸を撫で下ろす。
ブレードにとって肉体が健康である=基本であるからだ。
健康で無ければ悪の秘密結社との戦いに勝ち続けるのは不可能だからだ。
ただ…全身が痛むのだけは、どうにか…ならないものかね?
早いとこ成長痛とやらが無くなれば嬉しいんだがな(笑)
病院から出て歩き出そうとして、ふと前を見ると前方10メートル先に、天野さんが立っていた。
天野さんの姿を確認した瞬間、心臓が高鳴り出し僕は何処の乙女だよ?と自身に内心、突っ込んだが、取り敢えず僕は天野さんに、近付こうか?と迷った。
迷いながらも、僕は天野さんの方へ歩き出す。
総一郎
『こんな所で何してるんですか?』
僕は何時もの作り笑いを顔に貼付け高鳴る心臓を無理矢理、抑え付け天野さんに問う。
すると天野さんは何故かビクン!っと身体を震わせて顔も真っ青である。
様子のおかしい天野さんに僕は心配になった。
総一郎
『天野さん?大丈夫ですか?顔色が悪いですよ?あの…天野さん?』
何度か問い掛けるけど、天野さんは、目の焦点が合ってない。
僕は天野さんの肩に手を伸ばそうとして、寸前で手を止めた。
僕は今、何を…しようとした?
僕は、拳を握り絞め手を下ろして少し何時もより大きな声を出した。
総一郎
『天野さん!』
此処から晶視点に変わります。
総一郎
『天野さん!』
井上君の声に、私は漸く井上君が、目の前に居る事に気付いた。
晶
『井上君…』
井上君は心配そうな顔を向けている。
心配してくれている井上君の気持ちが嬉しい。
だけど…。私の気持ちは直ぐに下降していく。
晶
『井上君…さっき何処に行ってたの?』
総一郎
『っ!』
私の問いに井上君の顔色が一瞬変わったのを私は見逃さなかった。
総一郎
『そんな事より天野さんは、どうしてこんな所に居るんですか?』
井上君は、わざと話しを 逸らし私は無言で井上君を抗議。
晶
『………』
此処から総一郎視点に、変わります。
天野さんはジト目で見ていらっしゃる(笑)
しかし…。まさか病院に行ってたのを言う訳にもいかんしな(汗)
総一郎
『まあ…。ちょっとね…それは横に置いといて…僕、行かなきゃならない所が、あるんで失礼しますね?』
それだけ言うと僕は亜依さんが待つであろう駅前へと急ごうとしたんだけど…。
晶
『待って!』
ガシ!
総一郎
『っ!』
天野さんに左手首を掴まれて立ち止まる。
総一郎
『あの…天野さん?』
離して欲しいな〜。っと思い振り向く。
天野さんは、無言で僕を見ている。
総一郎
『あの…天野さん?手を離して下さい…』
ただでさえ…天野さんが傍に居るだけで愛しさや切なさが、溢れて心臓が急速にその動きを早めているのに…。
天野さんに手を掴まえられた時、正直に言うと…心臓が一瞬、止まりそうだった。
天野さんに、触れられて居る…。
ただ…それだけで泣きたくなる位に、幸せで…。
天野さんを抱きしめたい衝動に駆られる。
しかし…そんな事をしたら下手すりゃ犯罪だ。
天野さんに嫌われるのは構わないが、警察沙汰は勘弁だ。
総一郎
『天野さん?手を離して下さい…』
しかし…天野さんは無言で首を振る。
総一郎
『天野さん?』
ふる!ふる!ふる!
天野さんは、俯いたまま無言で首を振るだけだ。
俺が、シャドウブレードじゃなかったら良かったよ…。
天野さんに出会ってからそう思う様になった。
本当は、こんな事したくない…。
本当は、こんな事は言いたくない…。
それでも…。天野さん…君に嫌われても言わなきゃいけない事がある…。
俺は血を吐く様な思いをしながら言葉を紡ぐ。
総一郎
『離せって言ってるんだよ…聞こえないのか?』
此処から晶視点に変わります。
底冷えしそうな井上君の表情と声にビクン!っと身体を震わせる。
バシ!
晶
『痛…』
井上君は、冷たい表情のまま私の手を叩いて私の手を力ずくで振り払う。
ずきずき痛む手を抑えて私は井上君を見る。
総一郎
『もう…俺に関わるな…それと、もう一つ…』
そう言うと、唖然とする私に近づくと素早く私のポケットから紫色の水晶を取る。
晶
『あっ!返して!』
私の叫びを無視して井上君は言った。
総一郎
『これは、君には過ぎた物だ…これは、あの人に返しておく…君が何を、考えてるのかは知らないし興味も無い…だが…』
そう言うと一旦井上君は言葉を止め俯く。
井上君の次の言葉に私は凍り付く。
総一郎
『馴れ馴れしいんだよ…もう俺に話し掛けるな…俺に近付くな…うざいんだよ…。一々…君は俺のなんだ?家族か?それとも恋人気取りか?』
晶
『そっそんな…。私は…ただ…』
貴方が心配で…っと言う前に、井上君は無表情のまま言った。
総一郎
『俺は君が嫌いなんだ…君を見てるだけで吐き気がする…。だから…もう俺に関わらないでくれ…さよなら…』
そう言うと井上君は振り向きもせず歩いて行く。
私は、井上君が私の為に嘘を言ってるのが分かっていた…。
私を、傷付けて怒らせて遠ざけようとする。
でもね…。井上君…貴方は分かって無いよ?
私は意を決して井上君を見る。
次回予告!擦れ違い続ける二人に、訪れる最大の転機!それを変えるのは少女の勇気と…。少年の優しさ…今、二人の心が重なり合う…。