第3話・守る為の力。
再び、総一郎の視点で話が進みます。
『ソウル・クリスタル』について少し説明する。
これは、人の『精神』を物質化する事が、出来る力を持っている。
更に、使用者の一番強いイメージが具現化する。
僕の場合は幼い頃に見た特撮ヒーローの姿に自分の理想をプラスした姿。
『ソウル・クリスタル』は、使用者の身体能力を千倍に高めてくれる力がある。
ゼノンに対抗出来る唯一の武器。
それがソウル・クリスタルである。
これは僕の家に代々受け継がれて来たらしい。
父さん曰く、宇宙人から貰った物らしい…。
最初は信じられなかったが目の前で『転身』されたら信じるしか無い…。
父さんは『封身』と言うと元の姿に戻って言った
修司
『ソウル・クリスタルをお前に託す時が来た…』
そう言うと、父さんは悲しそうに笑う。
修司
『出来れば、お前には父さんと同じ道は歩ませたくない…だが、奴等から世界を、守る事の出来る武器は余りにも少ないんだ…』
そう言って僕を抱き上げた。
修司
『総一郎…。お前にとって、大切な人を守る事の出来る力を託す』
総一郎
『大切な人って何?』
修司
『未だ総一郎には難しかったかな…。簡単に言えばお前は好きな子が居るかい?』
総一郎
『うん。居るよ』
修司
『もし、その子が悪い人に傷付けられたり泣かされてしまったら、どうする?』
総一郎
『嫌だ!』
即答する僕に、父さんは笑って言った。
修司
『この力は、お前の好きな子を守る事が出来るんだ。でも、一つだけ約束してくれ。無闇に…この力を使わないと…』
総一郎
『うん。分かった』
修司
『それじゃあお前にソウルクリスタルの使い方を教えないとな!』
そう言って父さんは僕に笑いかけたのを、覚えて居るんだ。
転身と封身のやり方。
基本的な格闘術から必殺技の使い方。
色々な状況の傾向と対策や戦う時の心構え等。
全て、父さんから教わった事だ。
父さんが病死した後、僕は喫茶店・青空のマスター・伊藤修二さんに引き取られた。
天涯孤独に、なった僕だがマスターのお陰で高校にも通える。
本当は、中学を卒業したら青空で働きたかったのだが…、
修二
『ガキのくせに気を使うな!』
っと怒られ強制的に高校へ進学させられた。
そのかわり僕はクラブには入らずマスターの手伝いをする様になった。
マスターは最初、断って居たが、何とか説得して働き出した。
バイト料も、出してくれるので僕は去年、マスターの家を出て一人暮らしをして居る。
もしゼノンに僕が、シャドウブレードである事がバレてしまったら、マスターだけじゃなくマスターの家族にまで、迷惑が掛かる。
それだけは絶対に避けなければ、ならない。
僕は、もう二度と大切な人や家族を失いたくない。
だから僕は奴等と戦う。
他人に、どう思われようが構わない。
友達や大切な人達が笑って暮らせる様にこの世界を守る。
僕に、とって戦う理由はそれだけで良い。
今日は、学校もバイトも無いので、僕は布団の中から、出ないでジッとして居ると普段、余り鳴らない携帯が鳴り出ると…
???
『よう!井上。今、暇か?』
総一郎
『珍しいな…。お前から電話かけて来るなんて…どう言う風の吹き回し?田中君?』
隆司
『今から、遊園地に行くぞ!今、10時だから、11時に多摩川遊園地に来な!』
田中は、そう言うと僕の返事を聞く事無く一方的に電話を切った。
僕は一瞬面倒臭いな〜。っと、思ったがたまには皆と遊ぶのも良いかな。と思い僕は布団から出ると、パジャマを脱ぎ白いシャツに青いジーンズとお気に入りの焦茶のジャンパーを羽織り携帯に、財布と ソウル・クリスタルをポケットに突っ込む。
家の戸締まりに、ガスの元線が閉まって居るか?確認すると家を出た。
暖かい日差しを浴びながら、僕は…こんな平和が続けば良いなっと心からそう思った。
その為にも…。ゼノンを倒さなければならない。
決意を、新たに僕は駅前に向かった。
まだまだ、表現力が乏しいですが、これからも宜しくお願いします。