第21話・夏休み編その8
今回もバトルシーンばかりです。隆司視点から、始まります。
オイオイオイ!どうなってるんだよ?
何なんだよ!こんな展開着いて行けないよ!
小説やアニメとかに出て来る戦闘員や怪人みたいな奴に囲まれて絶体絶命な俺を助けてくれた赤い鎧を、着た女の人と黒い鎧を着た男の人。
一体、何者なんだよ!
しかも、又、戦闘員?が3体も居るよ!
でも、あっさりレイチェルと呼ばれてた赤い鎧を着た女の人は、3体を、倒し俺の手を引っ張って行く。
隆司
『一体全体何が、どうなってるんだ?』
質問する俺に…。
レイチェル
『煩いな…黙れ!喋ってないで足を動かせ!俺はアンタを早く安全な場所に、連れて行って俺は…あの人の所に戻りたいんだよ!』
真剣な声音で、苛立ちを隠す事無く告げる。
俺は黙るより他は無かった。
レイチェル
『(あの人が…どんなに強くても怪人2体が相手では分が悪すぎる…。)良し!此処まで、来れば敵も、来ないだろう…。敵の気配も無い。それと今、見た事は誰にも言うなよ?まあ…。言った所で、相手にされないだろうけどね』
赤い鎧を、着た女の人はそう言うと猛ダッシュで来た道を戻って行く。
隆司
『一体何なんだ?あの女の人は…』
此処から、総一郎視点に変わります。
クソ!コイツは辛いな…弾幕みたいなクラゲ怪人達の攻撃を、躱しながらレイチェルの時間稼ぎをする為、わざとギリギリで、躱している様に見せ掛けながら敵を惹き付けるのは楽じゃないな。
それにしても、怪人達の攻撃は…っ!危ねぇな!俺の数ミリ横を通過する銀色の触手を躱した。
だが、俺は常に相手の先を読む。
俺は、素早くバク転して触手との間合いを離す。
何故そんな事をするのかと言うと多分、あの触手は、自分でコントロール出来る筈だ。
しかも、何かに触手が、当たった時、帯電してたからな…。
捕まったら確実に電気を流して来るパターンだ。
捕まる可能性を考慮すると、さっきのが一番無難な動きだ。
因みに今の思考時間は、3秒程度だ。
思考する時間は短い方が良い。
短ければ、その分危険は回避出来るしな…。
怪人1
『ちぃ!チョロチョロと逃げ回りよって!』
怪人2
『貴様さえ死ねば、後は烏合の衆に過ぎないゼクロスなど、我々の敵では無いわ!』
クラゲ怪人達は、そんな事を、言いながら躍起になって攻撃してくる。
凄まじい早さと、威力を誇る触手の、連続攻撃を見事なコンビネーションで、繰り出す怪人達だがそのどれも決して当たる事は無い。
不思議な事に、たまに、自分の眼に、怪人が動いては、いないのに攻撃が視認出来る時がある。
特にソウルクリスタルにエネルギーを チャージしている時。
その攻撃が、残像の様にその場所に、残りそれの残像に重なり攻撃が来る時がある。
それも残像通りに攻撃が来るなんて、出来過ぎだろ?
あっ…。又だ…。二人の間に挟まれながら攻撃を繰り出そうとする残像が現われたから俺は素早く其処から離れる。
おかしな感覚だが、慣れれば危険を回避するだけじゃなく、相手の攻撃に合わせてカウンターが、使えるから重宝する。
ビュン!ビュン!っと、風の切る音が聞こえる中俺は、鞭みたいな触手を躱し続ける。
怪人1
『馬鹿な!我々のコンビネーションが通用しないと言うのか!』
怪人2
『ヌゥウ!やはり奥の手を、使うしか無いか…。兄者!』
クラゲ怪人達が、俺からかなり距離を離した。
奥の手?何と無くヤバイ気がするぞ?
怪人1
『此れ程強いとは貴様の力を過小評価はして無いつもりだが…』
怪人2
『このままではジリ貧!一気に決着を付けさせて貰う!』
凄まじいエネルギーが、怪人達に集まって来る!いかん!
総一郎
『させるか!』
ソウル・クリスタルに、エネルギーを、注ぎ込み身体能力を強化させ何かするつもりの怪人達に 攻撃をする為に、猛ダッシュで近寄る。
しかし、一足遅かった!発生した強力な、エネルギーの力場が、大爆発を起こし俺は、その余波を防ぐ為、ソウル・クリスタルにエネルギーを注ぎ防御する。
ドカアアアアアアン!
っと爆発音が辺りに響き渡り爆風と衝撃波が襲い掛かって来る。
なんとか吹き飛ばされない様に、踏ん張り砂煙が巻き起こり、視界は最悪だが、それよりも、凄いエネルギーを感じる。
さっき、戦っていた奴等よりも、数十倍のエネルギーを感じる。
砂煙が無くなりソイツは姿を現した。
体が、一回り大きくなり体が銀色のメタリックなボディ。
そんな機械みたいな体に無数の紫色をしたグロテスクな触手が飛び出してまるで触手自身が意志を持って居るかの様に蠢き触手から、緑色の液体が時々、周りに吹き出して異臭が辺りに、立ち込み俺は嫌な予感がして素早く横にステップ移動して走りだす。
怪人1&怪人2
『我々の力を思い知れ!シャドウブレード!』
声が、重なり両手を前に突き出し触手から緑色の液体が飛び出した。
ギリギリで躱したが直ぐ近くのビーチパラソルに液体が、掛かった瞬間に異臭と共に溶け出す。
ちっ!やはりあの異臭は硫酸か!
いや…。それだけじゃないな…。
走り回りながら奴の行動を観察する。
突然、奴の体が小刻みに震えると、パチパチと、体から電気が、発生して居るのが見えた。
げっ!アイツは硫酸だけじゃなく電気も操れるのかよ!
怪人1&怪人2
『奔れ!稲妻!』
怪人が叫ぶと巨大な雷の球体が、現れバク転した瞬間、立って居た所に、小さなカミナリが落ちやがった。
俺は慌てる事無く躱すが厄介だな…。
雷が、地面に少しの間、残って居るのを見て舌打ちした。
それにしてもレイチェルの奴、大丈夫なのか?
足手纏いの田中が、居るしな…。
レイチェルの奴、来そうに無いな…。
仕方ない…。俺一人で、何とかするか…。
逃げ回っても埒があかないし、エネルギーが無くなる前に奴を倒すしかなさそうだな…。
嵐みたいな硫酸と、雷の波状攻撃を、躱しながら奴の動きを注目する。
怪人達には必ずパターンや癖がある筈だ。
先ずは…エネルギーを、最小限に押さえる。
最小限にすると敵の攻撃を避け憎くなるし当たると損傷も激しくなる。
避ける一瞬だけ、エネルギーを高めれば良い。
怪人1&怪人2
『ちっ!チョロチョロと逃げ回りやがって!』
硫酸と、雷攻撃を躱しながら徐々に怪人に近付き攻撃が、途切れた瞬間、一気に間合いを詰め左のハイキックを繰り出す。怪人は右手で防御。
ガキン!っと金属音が、響き怪人は微動だにしない。
嫌な予感が頭を過り左足を降ろす前に触手に捕まえられた!
くっ!ヤバイ!俺は右のフックを怪人の顎に入れ頭突きを入れようとした次の瞬間、俺は…。
此処から晶視点に変わります。
私は井上君の言う通りに皆が居る方向へ走った。
さっき、井上君が一之瀬さん達は海の家に居るからと言ってたし早く合流して、安全な場所へ行かないと!
ドカン!ドカン!っと、爆発音が響き私は振り返る事はせず走る。
少しの間、走っていると私の携帯電話が鳴る。
深雪
『もしもし!天野さん?今、何処?』
一之瀬さんの声に、私は周りを見渡し…。
晶
『今、大きな灰色の塔が近くにあるわ…。それと青空の描かれた看板が、ある…』
深雪
『良かった…。直ぐ近くだわ。ちょっとだけ待っててね』
一之瀬さんは、それだけ言うと、電話を切られてしまった。
少しの間、唖然として、居ると…。
深雪
『お〜い!天野さ〜ん!こっちこっち!』
っと、一之瀬さんの声が聞こえて振り返ると一之瀬さん達が居た。
あれ?田中君が居ない?
晶
『あの…。田中君は何処に?』
深雪
『うん…。それが、はぐれちゃったみたいなのよね…。天野さん…。総一郎は?』
此処から深雪視点に変わります。
そう聞くと、天野さんは微かに、眉を潜めて首を横に振った。
天野さんは最近、表情が出てきて柔らかい感じがするのは気の所為?
晶
『早く…。田中君を探して、此処から離れましょう…』
舞
『えっ?井上君は?』
河野先輩の質問に、天野さんは…。
晶
『井上君は、大丈夫…。何だかんだと言っても、ひょっこりと、現われるわ…』
天野さんは穏やかに言い微かに笑う。
その表情は、総一郎に対して絶対的な信頼を寄せている様な感じに見えて私は何故か焦燥感と焦りを感じた。
総一郎と天野さんの間には、強い絆によって結ばれて居る様な気がして、私は悲しくなった。
えっ?ちょっと、待ってよ!
私…。天野さんに嫉妬してるの?
嘘でしょ!何で総一郎と天野さんの事を嫉妬しなくちゃならないの?
別にアイツの事なんか!っと自分の考えを否定した瞬間…。
ドカアアアアアアン!
っと物凄い爆発音と風が来て私達はよろける。
香澄
『一体、今の爆発は…。何なんだ?』
香澄さんは鋭い目を前に向け呟く。
完全に護衛モードになっちゃってる香澄さん。
香澄
『深雪お嬢様…。此処は天野さんの、言う通りにしましょう…』
香澄さんの言葉に、河野先輩が…。
舞
『ちょっと!本当に井上君を放っておく気!』
っと、怒った様に言ったけど…。
香澄
『今は、田中君を見つけ貴女達を、無事に安全な場所へ連れて行くのが、私の使命です。彼は貴女達を、安全な場所へと、連れて行ってから、私が探します』
香澄さんの気迫に気圧されたのか河野先輩は沈黙した。
河野先輩が何か言おうとした瞬間、測ったようなタイミングで…。
総一郎
『グアアアアア!』
っと言う凄い悲鳴が聞こえて来て私はビクリ!と肩を震わせた。
此処から香澄視点に変わります。
何だ!今の悲鳴は!
私は辺りを見回すと黒い鎧を身に付けた変な人と全身が銀色の金属に紫色をしたグロテスクな触手みたいな物が生えた怪物が居て黒い鎧を身に付けた変な人は触手みたいな物に左足を捕まれ電気を流されて居る。
舞
『ひっ!何なのよ!あれは!』
晶
『………』
河野さんの声に天野さんは、微かに表情が青ざめて不安そうに、黒い鎧を身に付けた人に視線を、向けている。
一体、これは何なんだ?現実離れし過ぎだ。
しかし…。これは夢などでは無く現実だ。
黒い鎧を身に付けた人はやられっぱなしでは無かった。
彼の左手に光が、集まりだし…。
総一郎
『ぐぅぅっ!調子に乗るな!スターライト・ブレイク!』
そう叫ぶと左のフックが怪物に、当たった瞬間、左手が、爆発を起こして怪物は悲鳴を上げて黒い鎧を身に付けた人を地面に叩き付ける。
総一郎
『ぐっ!こっんの!』
絡まれた左足を振り上げ怪物を自身に近付けさせその勢いを利用して怪物の腹を右足で蹴ると触手が、ブチブチと音を立て引き千切れて緑色の血?みたいな物が、吹き出し彼は、素早く横に転がり立ち上がり触手の残骸を取り怪物に投げ付けるとガックリと肩膝を付けて荒い息を調えている。
怪人1&怪人2
『ぐっ!流石だな…シャドウ・ブレード…』
怪物は、ぐぐもった声を上げ体から緑色の液体が飛び散る。
異臭が、辺りを包み私は気分が悪くなって来た。もしも…。あの怪物が、こちらに気付いたら確実に殺される。
あの黒い鎧を身に付けた人は何故、平然と、あの怪物と向き合える?
あんなに、殺意と憎悪をぶつけられて居るのに、良く、闘気を保ってられるな…。
情けない事に、私の背中は冷汗で、びっしょりで体が恐怖で微かに震えてしまっている。
恐怖によって完全に硬直してしまい私を、含めた全員が動く事すら出来ずこの場に大地に根を張った様に動けない。
そんな中、彼だけが平然と怪物に向き合い闘気を保つどころか益々闘気を全身から発して居る。
総一郎
『そう言えば…。未だ、アンタの名前を、聞いて無かったな』
サンダーリキッド
『我々に名前など無い。だが、敢えて名乗るならサンダーリキッドだ』
総一郎
『そうか…。分かった…お前の名前も、俺の心に刻んでやるよ』
それだけ言うと彼の左手に光が集まり出す。
次の瞬間、彼は、一気に間合いを詰めて怪物に、近付き素早く右のハイキックを怪物の顔面に叩き込んだ。
ガキン!っと言う金属音が響く。
ガキン!ガキン!ガッキン!
っと金属が擦れぶつかり合う耳障りな音が辺りに響く。
激しい攻防戦を繰り広げては、居るが少しずつ、少しずつ黒い鎧を身に付けた人は、怪物に押され出した。
此処から、総一郎視点に変わります。
ぐっ!コイツ!固い!
俺の攻撃が殆ど通用して居ない様だ。
やはり、ノーマルウォームでは…。
攻撃した手応えから多分奴の身体はダイヤモンド並の堅さだな。
幾ら、強化して居るとは言っても所詮は、生身の身体だ。
拳も脚もボロボロだ。
触手から、緑色の液体が飛び散らせながら、襲い掛かるサンダーリキッドの攻撃を避けきれず防御せざる終えない。
キン!キン!ガキン!
防御しても骨に罅が入る程の衝撃に、堪えながらカウンターの前蹴りを、サンダーリキッドの腹に打ち込み吹き飛ばす。
サンダーリキッドは空中で、回転し地面に着地。
ちっ!やっぱり効いてねぇな…。
んっ?何か視線を感じるぞ?
何か嫌な予感が、しやがる!
サンダーリキッド
『くっくっくっ!隙だらけだぞ!シャドウ・ブレード!』
っ!しまった!視線に、気を…。
此処から晶視点に変わります。
総一郎
『ぐっ!』
っと言う呻き声と、共にドゴン!
っという凄まじい音が、辺りに響き怪物の右足が井上君の腹に命中し更に怪物の左の拳が井上君の顔に当たる。
バキッ!
っという音と、共に井上君は悲鳴を上げる事は、無かったが、凄い勢いで吹き飛び…。
ドカン!ガラガラ!
っと音を立て私達の近くにあったテトラポットにぶつかって、その衝撃でテトラポットは半壊してしまった。
総一郎
『がはあ!ゴホ!ゴホ!ゴホ!』
井上君は口から血を何度か吐き蹲っている。
私は、気絶しそうだったけど必死に堪えて走って近付こうとすると、私に気付いた井上君は激しい口調で…。
総一郎
『来るな!』
っと言い重たげに身体をふらつかせながら、立ちペッ!っと口から、血が混ざった唾を地面に吐き出して…。
総一郎
『ぼさっとしてないで、さっさと逃げろ!お前は死にたいのか!』
それだけ言うと、左手に光が集まり出した。
サンダーリキッド
『バカめ!我々の事を、知られた以上、貴様達には死んで貰うぞ!』
総一郎
『させるか!』
サンダーリキッド
『くっくっくっ!死ね!奔れ!稲妻!』
怪物が全身を震わせると身体から、電気が発生し巨大な雷の球体が怪物の頭上に現われると巨大な雷の球体が私に向かって一直線に飛んで来る。
避けられない!そう思って目を瞑る。
総一郎
『止めろ!』
井上君の声が、聞こえてドン!と、身体を、押されて砂浜に倒れた瞬間…
バリバリバリ!
総一郎
『グアアアアア!』
っという井上君の悲鳴が聞こえて私は何が起こったのか即座に理解した。
井上君は私を庇い巨大な雷の球体に当たり倒れてしまった事を…。
その瞬間、私は…。
此処から深雪視点に変わります。
晶
『イヤアアアア!』
天野さんが叫びシャドウブレードに走って近付き泣きながら必死に倒れて居る総一郎かも知れない人を揺すって居る。
私を含めて全員が固まる中…。銀色の怪物が勝ち誇った様に…。
サンダーリキッド
『くっくっくっ!馬鹿な奴だ!そんな…ムシケラ達の為に自らを盾にするとはな…。貴様の甘さが招いたのだよ?自業自得だ!』
怪物が、嘲笑う様に言うのを、聞いて天野さんが叫ぶ。
晶
『黙りなさい!貴方に、この人の何が、分かると言うの!この人の…』
涙声で叫ぶ天野さんは、涙が邪魔をして何を言ってるのか?聞き取りにくかったけど言いたい事は伝わって居ると思う。
総一郎
『ぐっ!流石に…今…のは…ヤバかっ…た』
途切れ途切れの弱々しい声だが、不思議と辺りに響く声を発してシャドウブレードが立ち上がりだした。
サンダーリキッド
『馬鹿な!フルパワーのサンダーボールを、まともに食らって何故、貴様は立てる!』
怪物の驚愕の声に彼は…
総一郎
『甘い…んだよ…こん…な…程度で…ギブ…アップするかよ…』
途切れ途切れの声に微かに笑った様な声が混じっている。
此処から晶視点に変わります。
何とか立ち上がった井上君の左手に光が集まりだした。
光が、治まると荒かった息も整いさっきまでフラフラだったのが真っ直ぐ力強く大地を踏み締めて立って居る。
サンダーリキッド
『何故だ?何故、貴様は生きている?何故、平然と立てるのだ?』
そんな怪物の言葉を無視して…。
総一郎
『おい…何でお前が此処に、居るんだ?早く逃げろ!お前が、居ると足手纏いだ…』
私には顔さえ向けず更に言葉を紡ぐ。
総一郎
『此処に居たら、確実に巻き込まれて死ぬか人質になるのがオチだ』
そう言うと井上君は怪物に向かって歩きだそうとしたが、ガックリと片膝を付けて、苦しそうに、胸元を右手で、押さえて居る。
サンダーリキッド
『そうなるのが当然だ。全身全霊のサンダーボールを食らっては動く事は困難だ!』
怪物の嘲笑う声に、井上君は必死に、立ち上がりながら…。
総一郎
『ぐっ!こっ!こんな…程度でぇ!』
だけど、立ち上がる事が出来ずに蹲る井上君。
サンダーリキッド
『今度こそ止めを刺させて貰うぞ!死ね!』
バチバチバチ!っと辺りに雷が奔り私は何の躊躇いも無く、井上君の前に立って、怪物の前に立ち塞がる。
サンダーリキッド
『何の真似だ?小娘よ?退け!』
怪物の声に背筋が震えて逃げ出したくなる自分を叱咤して…。
晶
『退かないわ…。貴方なんかに、この人は負けたりしない…』
井上君に、対する揺るぎない信頼が私の心を支え怪物と、向き合う勇気が湧いてくる。
サンダーリキッド
『ふん…。ならば…そのまま!二人まとめて地獄に送ってやろう!奔れ!稲妻!』
さっきの倍近くの巨大な雷の球体が、私達に向かって放たれる。
怖くないと、言えば嘘になるけど、それ以上に、私は、井上君を信じている!
何よりも…誰よりも井上総一郎という人を、私は信じている!
悲しい位に、優しくて、暖かいこの人を、信じている。
危険を顧みず私を庇ってくれた。
何の力も無い。無力な、私だけど、それでも私は井上君を守りたい。
私を守ってくれた様に、私もこの人を守りたい!
私は、近付いてくる雷の球体に目を瞑った。
バトルシーンは次回まで続きます。晶と総一郎は一体、どうなってしまうのか?少しずつ、真実に近付きつつある深雪。 何も知らない隆司、舞、香澄、敦。次回予告! 遂に発動する進化!(エボリューション)進化の鍵は何なのか!これ以上書くとネタバレになりますので止めておきます。それでは又…。