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第21話・夏休み編その2

修二に呼ばれた総一郎は仕方なく後を着いて行く事になった。

総一郎は、訝しく思って居たが修二の言う通りにした。


言う事を聞かないと後々煩いからだ。


修二と総一郎は、二階へ上がり、修二の部屋に、入った。


修二

『総一郎…。お前に聞きたい事がある』


修二は珍しく真剣な顔をして総一郎を見て居る。


総一郎は微かに嫌な予感が、したが表には出さず聞く。


総一郎

『どうしたんですか?』


修二は、晶が総一郎に、対して好意を抱いて居る事に気付いていた。


そして…総一郎も、晶を大切に思っている事にも修二は気付いていた。


しかし…それを、自分が言うのは、卑怯な事だと思い修二は口籠もる。


見た目は、ヤクザさえも怯える程だが、情に厚く優しい男である。


だからこそ修二は総一郎を心配するのだ。


従兄と、義姉が、遺したたった一人の子供を彼は愛している。


総一郎が、自分や亮子にゼノンの手が、伸びない様に一人暮らしを始めた事も分かっていた。


だからこそ口煩く言うのである。


総一郎は、そんな修二の気持ちを知っているから余計に迷惑は、かけられないと思うのだ。


修二

『なあ、総一郎…。俺の家に、戻って来ないか?一人暮らしは、何かと、金入りだろう?』


っと言われ総一郎は一瞬それも良いなと思ったが顔には出さない。


修二の気持ちは嬉しかったが修二や亮子が自分の争いに巻き込まれる事を避ける為に一年前修二の家を出たのだ。


今更、帰るつもりは毛頭無い。


総一郎はグッ!と言葉を飲み込み…。


総一郎

『いや…悪いけど帰るつもりは無いよ。マスターの気持ちは嬉しいけど、マスターだって知ってる筈だろ?』


総一郎

『俺には…やらなくちゃいけない事が、山程ある事を…』


微かに、笑いながら言う総一郎に修二は何も言えなかった。 


気まずい雰囲気に修二も総一郎も黙り込む。 


っと突然、総一郎の携帯が鳴り…。


総一郎

『悪い!ちょっと電話に出るよ』


一言言ってから総一郎は着信画面を、見ると田中隆司からで総一郎は通話ボタンを押し…。


総一郎

『もしもし一体、何の用だ?』


隆司

『おいおい…。随分な、挨拶だな…』


っと隆司は苦笑いを浮かべて呟く様に言った。


総一郎

『っで?一体、何の様だよ?』 


隆司

『昨日、一之瀬さんから電話があって一週間後に天野さんと、一之瀬さんと、俺とお前で海に行かないか?って言ってるんだけど…』


っと、隆司は多分、断るだろうと思った。


総一郎は迷った。自分はゼノンと戦わなければならない。 


その為には絶対にソウルクリスタルの力が、必要だ。 


しかし、ソウル・クリスタルは下手すれば自分の寿命を削るかも知れないのだ。 


死ぬ事自体に然程恐怖は感じない。


7年前に、父親が死んだ時に覚悟して居た事だ。それよりもそんな自分が他人と、親しくなったらその人を悲しませる事になる。


悲しませる位なら、最初から、付き合わなければ良い。


そう思って今まで生きてきた。


しかし、そんな総一郎に微かに変化を、もたらしたのは晶の存在だ。


他人の目の前で転身を、したのは晶一人。


そして、何よりも驚いた事は普段、寝てる時に、人が、ある程度近寄ると確実に、目を覚ますのに晶が近寄っても起きない事だ。


押し黙る総一郎に隆司は何時もなら、直ぐに悪いけど用事があるからと、断るのに珍しいなと思ったが口には出さない。


そんな事を言って断られたら、不味いと思ったのだ。


文化祭の時に、ゼノンが現れていなかったら隆司が、こっそりと企画したカップル写真コンテストが開催される予定だった事は内緒だが(笑)


総一郎は、未だに迷っていた。


親しくするべきじゃないと思う心と晶に会いたいと思う心が戦っていた。エボリューションの事も知っておかないと、いけない。


しかし、隆司が海に行くには、一週間後と言ってるしと思ったのが間違いだった。


その時、一週間もあるんだから大丈夫か…。


そう思い総一郎は…。


総一郎

『行くよ…』


っと一言呟くように言う総一郎に隆司は我が耳を疑った。


内心、驚きながらも平静を装い…。


隆司

『分かった。皆にも伝えておくよ』


っと、言い隆司は電話を切った。


総一郎は一瞬だけ断れば良かったと思ったが今更やっぱり無理とは言えず溜息を吐いた。


そんな、総一郎を、見て修二は、やはり変わったなと思った。


前までは誰かが、誘ってきても、断って居たのに悩みながらも、行くよと言ったのは初めてだ。


修二が笑っていると総一郎は微かに眉を上げる。


総一郎

『何で笑ってるんだよ?マスター!』


っと憮然とした顔をして言う総一郎に修二は益々笑いが込み上げてくる。


修二

『まあ、そう怒るなよ。とにかく何時でも帰って来いよ』


そう言う修二に総一郎はその問いには答えずに、言った。


総一郎

『そろそろ、亮子さんが戻ってくる頃ですよ…。早く店を開けないと大変ですよ?』


っと言われ修二は慌てて部屋を出たが既に亮子が帰って来ており二人して怒られる事になる(笑)



すいません。かなり遅くなりました。携帯を落としてしまい書いてたのが全部、初めからになり、時間が掛かりました。

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