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第20話・正義と悪が生まれた日。

今回は、聖児メインの話しです。

今回、ちょっとだけエグイ表現を書いてます。苦手な方は御注意下さい。

この世界には、『真なる悪』に対抗する為の武器が存在する。


その名をソウル・クリスタルと言う。


またの名を、精神力変換装置とも呼ばれる物だ。


別名悪魔の水晶と呼ばれ使用者の精神力・集中力創造力を、具現化するがその代償として、自らの命を消費する為に悪魔の水晶と呼ばれ忌み嫌われた。


何かを得る為には何かを犠牲にしなくては、ならないのが、この世界の、真理である。


ソウル・クリスタルは、地球の科学力では永遠に作る事は、出来ないだろう…。


そう…。このソウルクリスタルは地球外生命体が地球の為に、造った物であると伝えられる。


遥か昔…。武力で、あらゆる星を植民地にした者が居た…。


名は無く『真なる悪』と命ある者達から呼ばれていた者が居た。


ある時地球にも目を付け『真なる悪』は、地球に下り立った。


しかし…。遥か昔から、真なる悪と、戦い続けて居た者達も、地球に下り立ち真なる悪に、戦いを挑んだ。


しかし…千人も居た仲間達の殆どが、真なる悪に倒され残されたのは7人のみ。


何とか瀕死の重傷を負いながらも真なる悪を倒した7人。


しかし…。真なる悪は、死ぬ間際に言葉を残す。


真なる悪

『我ハ不滅ナリ!ウヌラガイヤ…。生命アル限リ我ハ滅ビヌワ!何時カ!必ズウヌラノ前ニ、我ハ蘇ル!』


真なる悪は高笑いをしながら、爆発し塵となって消えた。


彼等、7人は真なる悪が蘇った時の為に、地球に住む者達の為に武器を、造った。その武器こそ、『ソウル・クリスタル』である。


その後、7人は地球の者達と結婚しこの星に永住する事となったのだ。


後に7人の名前がソウル・クリスタルの、名前となり真なる悪から地球を守る組織であるゼクロスが結成されたのだった。


これが、正義の生まれた記念すべき日である。


そして…。月日は流れて今から、丁度10年前の今日…。


一人の女性の命日である今日。


風間聖児はアルバトロスと呼ばれる悪の秘密結社を破壊し新たに己の持っていたソウル・クリスタルの名前であるゼノンを悪の秘密結社の名前に、したのだった。


当時、聖児には命をかけても、守りたいと思っていた掛け替えのない女性が居たのだ。


その女性の名前は光…。


遠藤光と言った。


聖児にとって彼女は正に太陽の光に等しかった。


だが…。あの日…。


聖児はその日の事を一生忘れる事など、出来ないだろう。


光は長年の戦いの為に、既に体が、ボロボロに、なってしまい、一線から退いて病院に、入院しなくてはならなかった。


聖児は…毎日の様に病院に赴き見舞いに、訪れて居た。


何時もの様に聖児は駅前にあった花屋で、の好きな花である白百合を購入し急ぎ足で、彼女の居る病院へと急いだ。


だが…。途中で悪の秘密結社・アルバトロスが、街を破壊していた。


聖児

『こんな時に…』


そう思いながらも聖児は正体がバレない様に人目を避けて転身すると…。アルバトロスに、立ち向かって行く。


聖児は、口では他人が、どうなろうと、知った事じゃないと言うが彼は、他人を見捨てる事が出来なかった。


光はそんな聖児が大好きなのだが…。聖児は全く気付いて居ない。


聖児も光も御互いに両思いだが、気付いて居ないのは本人達だけで、ゼクロスのメンバーは気付いて居たがそんな不器用な二人を見るのが、面白い為、メンバー内で、どっちが先に告白するのか?


賭けをして居たりする。


灰色の鎧に、身を包んだ聖児は一瞬の内に戦闘員を片付け全身が赤い巨大なエビの怪人を睨む。


紅いエビの怪人は…。


エビ怪人?

『貴様には此所で死んで貰うぞ。ゼノン!』


そう叫ぶと聖児に向かって突っ込む。


真正面から突進を受け止めた聖児は…。


聖児

『こんな所で殺される程俺はヤワじゃないぜ…』


呟く様に聖児は言い両手に力を込める。


聖児の意思の力にソウルクリスタルが反応し光を放って体の奥底から力が沸いて来る。


だが怪人も負けては居なかった。


徐々に聖児は後退し内心焦る。


やはり、ノーマルウォームでは…。


しかし、進化の力は確実に肉体に負担を掛ける。


だが、聖児は今直ぐ死ぬよりはマシだと考え怪人の一瞬の隙を突いて脇腹に膝蹴りを叩き込み更に渾身の力を、込めて右の拳を、怪人の顔面に打ち込み怪人を吹き飛ばす。


その隙を、逃さず聖児は右手に意識を集中して、エネルギーをチャージ。


進化する為には…。エネルギーをMAXまでチャージしなければ、ならず更に強い思いが必要。


大切な人を守りたい。


真剣にそして純粋に思う心がソウル・クリスタルに更なる力を与えて使用者の姿に変化を齎す。


より速く動きたいと強く願えば『アストラルウォーム』に進化する。


より力が欲しいと、強く願えば『ドラゴン・ウォーム』に進化する。


ただし、僅か30秒しか進化出来ない。


それ以上は強制的に進化が解けノーマルウォームに戻ってしまう。


更にノーマル・ウォームに、戻った時、パワーもスピードも格段に落ちてしまう為…。死ぬ危険が高くなる。


しかも、ノーマルウォームに比べて肉体に掛かる負担は数倍以上だ。


総一郎も進化した為に、体に負担が掛かり胃の中の物を吐き血まで吐く程に、体が弱ってしまったのだ。


聖児は、右手を天に突き上げ魂の奥底から叫ぶ!


聖児

『エボリューション!』


その時、ソウルクリスタルが、強烈な光を放って青い鎧が、ソウルクリスタルの力によって、生成され聖児の目の前に出現した。


青い鎧は、バラバラになると聖児の鎧に装着された。


ノーマルウォームよりも一回り位鎧が大きくなり戦車の様な、イメージを彷彿させる。


ノーマルウォームに比べ装甲が格段に上昇した為動きが鈍い。


その為、敵の攻撃を食らい易い反面攻撃を、食らっても殆ど損傷を受ける事が無く…。更に攻撃を食らいながらも敵に近付き叩き潰す様な戦い方が得意だ。


エビの怪人は、フラつきながらも聖児の姿が変化した事に内心驚いて居たが、無言で、立ち上がり聖児を睨む。


聖児は地響きを、起こしながら、徐々に間合いを詰める。


ドラゴンウォームの場合装甲が重い為に走ってもノーマルウォームの速度の半分位である。


聖児は頭の中で、進化の制限時間を、カウントしながら必殺技を使用する為に、エネルギーをチャージ。


ドラゴンウォームに進化した場合、余りゆっくり行動出来ない。


進化の制限時間内に敵を倒さなければ、ならないので怪人が必殺技を使用するのを待って居ると、時間切れで、ノーマル・ウォームに戻ってしまうだろう。


聖児は右足に力を込めて大地を踏み締める。


右足に高めたエネルギーを開放して人工的に地震を、起こし怪人の動きを止めてその隙に、エネルギーをチャージしながら間合いを詰める。


聖児

『食らえ!ライトニングドラゴン・キック!』


ライトニング・ドラゴン・キック。


聖児がドラゴンウォームに、進化した際に使える必殺技の一つ。


エネルギーを開放し雷の龍を身に纏い天高く飛び上がり雷の龍と共に回転しながらの飛び蹴り。


雷の龍だけでも、十二分に破壊力があるがそれに加えて、回転しながらの飛び蹴りがプラスされている為その破壊力は文字通り一撃必殺である。


聖児は、見事に必殺技を怪人に叩き込み怪人は、フラつきながらも聖児に言った。


エビ怪人?

『馬鹿め!俺は、貴様を此所で、足止めする為に戦ったのだ!』


聖児

『何だと!』


そう言った瞬間、爆発音が響き聖児は嫌な予感がして、光の居る病院へと急いだ。


走りながら、聖児は自分の嫌な予感が杞憂である事を祈った。


しかし…。皮肉な事に、聖児の勘は当たってしまった。


光が入院して居る病院に火の手が上がっていたのだった。


聖児は何の躊躇いも無く火の海と化した病院内へ飛び込んだ。


中には、黒い戦闘員達が居た。


聖児

『邪魔だぁ!退けぇぇぇぇぇぇ!』


っと叫び戦闘員達を蹴散らして行く。


聖児

『光!無事か!光!』


聖児は、火の海と化した病院を駆け抜け光の居る病室へ急ぐ。


途中で何度も黒い戦闘員達と戦った聖児は、ボロボロになりながら、それでも、光を助けたいその一心で傷付いた体に鞭を打って走る。


何とか光の病室に、辿り着いた聖児はドアを開け放った。


そこで、聖児が見たのは光が3人の男にナイフで刺された光景だった。


聖児は、その瞬間激昂し何の躊躇いも無く走って近付き全力で男の顔面に拳を叩き込みグシャリ!


っと音を立て男の顔面が潰れて脳が飛び散る。


男達が何か言って居たが怒りで我を忘れた聖児には聞こえなかった。


男の首を片手で掴み上げアッサリと首をヘシ折り逃げようとした男を後ろから背中を蹴りボキリ!


っと背骨が折れる音を、聞いたが聖児は容赦無く左手で男の髪を掴み地面に叩き付ける。


光は既に出血多量で死んで居た…。


白いベットには光の血が染み着いていた。


聖児は光の亡骸を優しく抱き上げて、そっと光に口付けをした。


初めて交わしたキスの味は冷たい血の味がした。


聖児は徐々に冷たくなる光の体を抱き締めて声を殺して泣いた。


聖児

『光…。守ってやれなくてすまない…。俺が…。もっと、早く来て居れば君を守れたのに…』



聖児

『もう…何もかも無意味だ…光は、もう居ない…他人を信じた俺が…馬鹿だった…』


聖児の心には怒りと憎しみ…。そして悲しみが、支配していく。


聖児

『こんな奴等の為に…。俺は…命をかけて戦って居たのか?こんな醜い!自分勝手な人間供を守る為に…』


光の亡骸を抱き締めながら聖児は、血の涙を流し叫んだ!


聖児

『こんなに醜いと知って居れば守ったりなどしなかった!貴様等にも俺と同じ悲しみを!苦しみを味わせてやる!貴様ら!人間共に守る価値も生きる価値も無い!』


聖児は、光の亡骸を抱き締めながら病院を出た。


その後、聖児はゼクロスを抜け全人類の抹殺が、彼の生きる理由になったのだった。



漸く聖児が何故、人を憎み抹殺を企てて居るのか書く事が出来ました。

かなり暗めの話しに、なりましたが…。

正義には正義になる理由があり悪には、悪になる理由があると僕は思います。

正義だから正しく悪だから悪い。

そんな常識を覆したかったのも、ありました。

聖児に対する評価が、良くなれば幸いです。

次回は登場人物のプロフィールを書こうと思います。

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