第13話・文化祭!後編。
今回も、視点がコロコロと変わるので、読み難いかも知れません。
今回、ちょっとエグイ表現が含まれます。
ご注意を…。
何とか間に合った。
僕は内心ホッ!っとしたが今は目の前の敵を倒さなくては!
赤の戦闘員全員
『メインターゲットを、補足…攻撃開始…』
電子音声?ロボットか?
かなり早いけど躱せない程じゃない。
僕は一気に間合いを詰め攻撃を打ち込む。
先ずは一人!後ろからの殺気に反応して右の回し蹴りを、繰り出し吹き飛ばす。
後、4人!4方向から、攻撃されたが、ジャンプして躱す。
此処から晶視点に変わります。
井上君は空中で回転しながら、蹴りを放ち3人は彼の攻撃を顎に受け崩れ落ちた。
赤いタイツの人は、右のハイキックを出すが彼は空中で器用に体を捻って躱し更にその反動を利用し延髄に手刀を叩き込み彼はそのまま左の前蹴りを繰り出し吹き飛ばす。
次の瞬間、赤いタイツの人は小規模の爆発を起こして粉々になった。
彼は仁王立ちし飛び散る破片から私達を、守ってくれた。
総一郎
『早く、此所から離れるんだ…アイツは俺が食い止める!』
そう言いながら彼は全身緑色の怪物を睨む。
グリン・ロード
『けっけっけっ!貴様がシャドウブレードかい?俺様は、ゼノンの幹部の一人グリン・ロード!』
此処から総一郎視点に、変わります。
耳障りな声が辺りに響き僕は鳥肌が立った。
真っ赤な舌が僕に向かって伸びて来る。
僕は、反射的に躱すと、コンクリートが抉れ更にその場所が溶けて居る。
僕は一気に間合いを詰める。
多分このパターンの攻撃をする奴は大抵、遠距離攻撃が得意な筈。
遠距離攻撃が得意な奴は近距離は苦手である。
今まで戦って来た怪人達は長所と短所があった。
長所を封じて短所を攻める事。
父さんに 教わった事の一つでもある。
右のフックを繰り出すが躱されて、敵の右のハイキックを片手で防御。
そのまま足首を脇に抱え力任せに外へ放り投げて僕も外へ飛び出る。
ガラスを2枚も割って、しまったが、非常事態なので許して欲しい。
外は殆ど人が居ない。
パトカーのサイレンが鳴り校門の前に止まった。
しかし、はっきり言って唯の足手纏いだ。
拳銃程度でゼノンの怪人に、勝てるなら転身する必要は無い。
警察官
『抵抗するなら…』
っと言い終わる前にグリンロードに、攻撃されてしまい気絶した様だ。
僕は空中で、エネルギーのチャージを始める。
その時胸が痛んだが痛みを無視。
なかなか痛みが、治まらないが、気にして居られない。
地面に、着地して身構える。
だが胸の痛みは治まる気配は無く時間が、経つに連れて痛みが激しくなって行く。
耐えられない痛みじゃないから、その時は戦いに集中して居た。
グリンロードの姿が景色に溶け込んで行く。
なるほど、保護色か…。
どうやら、こいつはカメレオンの遺伝子を組み込まれた怪人らしい。
僕は目を瞑り身構える。
姿形が見えなくても気配と殺気…そして動く時に微かに動く空気の流れがグリンロードの居場所を教えてくれる。
今の僕は、千倍の感覚を持つから簡単に理解出来る。
グリン・ロード
『俺様が、何処に居るのか貴様には分かるまい!ジワジワと、嬲り殺しにしてやる』
酷く勘に触る声を出して来るグリン・ロード。
此処から晶視点に変わります。
井上君は校庭の真ん中で目を瞑り身動き一つして居ない。
っと次の瞬間、井上君はおもむろに右半身を後ろに、下げて何も無い所を左手で掴む。
目を開き…。
総一郎
『掴まえたぜ…。これで終わりだ!』
そう言いながら井上君は右の拳を叩き込み。そのまま両の拳を高速で打ち込んでいく。
ドガガガガガ!っと凄い音が辺りに響き渡る。
手の動きが見えずグリン・ロードは、姿を現して全身が拳の形に陥没している。
井上君は、怪人を空中へ蹴り上げ追い掛ける様に飛び上がる。
此処から総一郎視点に、変わります。
胸が痛い…。一瞬、意識を痛みに持っていかれて僕は、グリン・ロードの攻撃を、まともに受けてしまい地面に叩き付けられる。
受け身すら取れなくて、激しくなる胸の痛み。
僕は、何とか立ち上がり敵を睨む。
此処から晶視点に変わります。
井上君の様子が変だ。
肩で息をして居るし右手で胸を押さえて居る。
グリン・ロードと名乗った怪人は井上君の攻撃を受けていた為傷だらけ。
所々裂けた傷口から紫色の血が流れ地面に落ちると地面が溶けて居る。
グリン・ロードは無言で彼を見て居る。
突然、グリンロードが、頭を抱え苦しみだした。
グリン・ロード
『イタイ!イタイ!アタマガ、イタイ!オレハ、イッタイ?ソレニ…コノカラダハナンダ?アガ!グオオオオ!』
グリン・ロードが悲鳴に近い声で叫ぶ。
次の瞬間、グリンロードの体から黒い無数の角みたいな物体が出て来た。
グリン・ロード
『シネ!シャドウ・ブレード!』
此処から総一郎視点に、変わります。
そう言いながら突進して来る。
僕は胸の痛みを耐えながら必死に避ける。
グリンロード
『シネ…アガ!オレヲ…シネ!トメテクレェ!』
そう言いながら、グリン・ロードの目から紫色の血が流れ落ちる。
グリン・ロード
『アガ!ハッ!ハヤクシテクレェェ!』
そう言いながら、グリン・ロードは、頭を抱えて紫色の血を吐いて居る。
僕は、フツフツと怒りが込み上げて来た。
ゼノンの怪人は元は人間であると父さんは言って居た。
怪人になったら、二度と元の人間に戻る事は出来ない。命ある限り人を、殺す為に戦い続ける化け物になる。
怪人に成った者を救う術は唯一つ…。
この世から消滅させてやる事だ…。
父さんは悲しそうに言って居た…。
怪人を倒すと、言う事は人の命を奪うと言う事。
父さんからソウル・クリスタルを託された時、僕は、井上総一郎で、ある前に『影から自分にとって大切な人達を守る刃』シャドウブレードに成る事を誓ったのだ。
僕は左手に意識を集中しエネルギーのチャージを始める。
胸の痛みが、酷くなって来たが、気にして居られない。
痛みの所為でエネルギーの、チャージ完了時間が何時もより遅い。
漸くエネルギーのチャージが完了し僕はグリン・ロードへ向かって突進する。
総一郎
『これで終わりだ!スターライトブレイク!』
渾身の力を込めて必殺技をグリン・ロードの胸に叩き込む。
まともに、受けてグリン・ロードはその場に崩れ落ち…。
グリン・ロード
『アリガトウ…』
グリン・ロードは呟く様に礼を言うと爆発を起こして粉々に砕け散った。
此処から晶視点に変わります。
井上君は少しの間、怪人が爆発した場所に居た。
彼は、フラフラしながら裏山の方へ歩き去った。
やっぱり何か変だ…。
私は急に心配になり井上君の後を追う事にした。
此処から総一郎視点に、変わります。
僕は激しくなる胸の痛みに耐えながら、元の姿に戻る為に人の居ない所へ向かった。
もう…この辺りで良いだろう…。
そう思った瞬間、キーワード(シャドウブレードに、変身する時は、転身で元の姿に戻る時は封身。)を言っても居ないのに勝手に元の姿に戻ってしまって僕は慌てた。
慌てて辺りを、見渡すが誰も居ない。
突然、頭痛と猛烈な吐き気と胸の痛みに襲われた僕は耐え切れず胃の中の物を吐き出した。
痛みで意識が朦朧とする中で食ったのに勿体ないなと冷静に思った。
自分の吐き出した物の、放つ異臭と口の中一杯に広がる酸っぱい味に吐き気が込み上げて来る。
胸の痛みが、激しくなり吐き気と咳が…。
又、吐いたが胃液に混って血が…。
マジかよ…。
総一郎
『ゴホゴホ!』
激しい胸の痛みに何度も咳をして、その度に血が濃くなって…。
口の中一杯に広がる鉄の味と酸っぱい味。
俺は死ぬのか?
駄目だ…まだ死ぬ訳には…今まで倒して来た怪人達の為にも…そして俺にとって大切な人達の為にもゼノンを倒すまでは!
そんな俺の考えを、嘲笑う様に体から力が抜けていくのを感じた。
総一郎
『ゴホ!ゴホ!』
胸が痛い。
止まらない咳に痛み。
とうとう俺は意識を失いその場に崩れ落ちた。
此処からエンジェル視点に、変わります。
私は彼が、血を吐いたのを見て居ても、立っても居られず、私は、テレポートで彼の所まで移動した。
私は、彼を揺すりながら必死に…。
エンジェル
『総一郎さん!しっかりして下さい!』
叫んだけど、気を失っているのか?
目を開けない。かなり、体温が、高いし吐く息も熱を帯びている。
彼の吐いた物に血が混っているのを、見て私は、ゾッ!っとした。
このままでは…。
その時、ガサリ!と葉っぱの、擦れる音がして、私は目を向けると、そこには銀色の髪をした総一郎さんと同じ制服を来た女の子が立って居た。
此処から晶視点に変わります。
私は必死に井上君の後を追って走って居ると…。
エンジェル
『総一郎さん!しっかりして下さい!』
っと、女の人の声が聞こえてきて私は、声をした方へ走る。
少しすると、純白の鎧を来た女の人が、井上君をお姫様抱っこをして立って居た。長い金色の髪に左右の瞳の色が違う。
物凄い美人で…しかも、スタイルも抜群。
私が、黙って居ると彼女は…。
エンジェル
『総一郎さんの知り合いの方ですね…。私の名前は、エンジェル…エンジェル・ブレード…』
晶
『天野晶…』
お互いに、名乗ったものの気まずい沈黙が二人の間にある。
この人…どうして井上君の事を名前で呼んで居るの?
一体、どんな関係なの?
晶は、そう思って居た。
エンジェルはエンジェルで彼と同じ制服…。私みたいに血で汚れて居ない真っ白な人…。
エンジェルは、総一郎が吐いた物を晶に見せない様にした。
彼は自分の為に人に心配されたり泣かれたりするのを極度に嫌がる。
人が傷付く位なら自分が傷付いた方が良い。
そう思う人だから…。
エンジェル
『私は総一郎さんと一緒に行かないと、いけない所が、ありますので失礼させて貰います』
此処から晶視点に変わります。
それだけ言うとエンジェルと名乗った彼女は井上君と共に姿を消した。
私は彼女が井上君と同じ力を持って居る事に気付いて嫉妬した。
あの人は、井上君と共に戦う事が出来る。
井上君の負担を軽くする事が出来る…。
私も力が欲しいよ…。
好きな人を守る事が出来る力を…。
私は深い溜め息を一つして学校へと逆戻りを始めた。
だから、私も、気付かなかったの…。井上君が、血を吐いて気を失った事に…。
エグイ表現と言うより暗い話しになってるし…。
今回は、ゼノンの怪人に、ついての事と総一郎の胸の内を少しだけ書かせて貰いました。
次回は14話目に行く前に登場人物の全プロフィールを書かせて貰います。
それでは又、次の機会に…




