表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

先生に聞いてください

作者: 井上さん
掲載日:2026/04/29

名前を借りました



 ピンク髪の女子生徒イシスが、婚約者のいる男子生徒アモンに声を掛けている。


「アモン様〜分からない所があるので教えてください」


 アモンは、最初は戸惑っていたが、頼りにされるのは嬉しいのか勉強を教えた。


教室で、図書室で、2人きりで。

アモンとイシスは仲良くなり、段々と婚約者のハトホルを蔑ろにしていく。


ハトホルは


「婚約者がいるのに、他の令嬢と2人きりにならないように」


「婚約者がいる男に近寄らないように」


 と、2人に注意すると、イシスが「いじめだ」とアモンに泣きついた。


「イシスをいじめるような女とは婚約破棄だ!」


 とうとうアモンとハトホルは婚約破棄をした。





 公爵令息のクヌムが歩いていると、イシスが声を掛けてきた。


「クヌム様〜分からない所があるので教えてください」


 すると、クヌムは真顔で


「先生に聞いてください」


 と言った。


「え?」


 聞き違いかと思い、イシスはもう1度


「クヌム様〜分からない所があるので教えてください」


 と言った。


「何故私に聞く?分からないなら先生に聞きに行くべきだ。それから、私はお前に名前を呼ぶ許可を与えていない」


 クヌムが冷たく言う。


「でも…」


 イシスは上目遣いでクヌムを見る。


「その為の教師だ。生徒に聞くより確実だ」


 イシスの上目遣いは、全くクヌムには効いていない。


「クヌム様は成績優秀なので」


 何を言われても諦めないイシス。


「私はただの生徒だ。先生を押しのけてまで人に教える程のものではない」


 クヌムは、ニコリともしないで言う。


「でも…」


 目を潤ませながら言うイシス。


「何か先生に聞きに行けない理由でも?」


 クヌムが言うと 


「先生が怖くて」


 震えながらイシスが言う。


「怖くて質問ができない教師は失格だな。学園に意見しよう」


 職員室へ行こうとするクヌム。


「いやあの…」


 引き止めるイシス。


「まだ何か?」


 振り返り、睨みつけるクヌム。


「クヌム様に教えてほしくて」


 諦めずに、上目遣いをするイシス。


「何故私に?あと名前を呼ぶな」


「クヌム様に教わりたいんです」


「だから、何故私なんだ。あと名前を呼ぶな」


「クヌム様が優秀だから」


「他にも優秀な生徒はいる。あと名前を呼ぶな」


 話は平行線だ。


「クヌム様が素敵だからです」


 頬を染めながら言うイシス。


「私に近付きたいということか?」


 クヌムが眉間にシワを寄せる。


「そうです!」


 やっと分かってもらえたと、喜ぶイシス。


「そんな不埒な理由の者に教えるわけにはいかない。私には婚約者がいる。誤解されたくない。他をあたってくれ」


 クヌムはイシスから距離を取った。


「そんなぁ〜」


 イシスはクヌムに近付く。


「だいたい、婚約者がいる男に何故声を掛けるのだ。婚約者から私を奪いたいのか?最低だな。2度と近付くな」


 クヌムは、更にイシスから距離を取った。 


「そんなぁ…」


 未練がましく手を伸ばすイシスから離れて、クヌムは婚約者のラーに近付く。


「見ていたかい?私の愛するラー。ハニトラには引っかからなかったよ!」


 ご主人様に褒めてもらおうとする犬のように、笑顔で言うクヌム。


「まぁ…」


 ラーは、クヌムの言葉に目を丸くしたが


「素敵な婚約者に大切にされているようで、嬉しいですわ」


 ラーとクヌムは腕を組んで歩いていった。




 その後イシスは、婚約者のいる男子生徒から勉強を教えてもらえなくなったし、公爵家から無礼だと抗議されてので、両親から、しこたま怒られたのだった。


読んでいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ