【第九号】
「な!作戦を拒否するのですかホドウさん!!」
バシトからの提案を拒絶した。
あまりにも杜撰、とても稚拙。
こいつの作戦に乗れば必ず死ぬ。
「バシト、死にたいのか?」
「死にたくありません!」
当然の返答に俺はそうだよなと頷く。
「なら俺の指示に従って欲しい、手始めに……」
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「今度は間違えるなよ人間」
両腕の治療を終えて元いた牢屋へ。
あの死ね死ね連呼をされた獣少女がそこにいた。
安易に会話をするとまた殺されかけるので沈黙。
「あなた……どうして捕まったの?」
あんたから喋るのかよとツッコミたくなったが静止。
話してくれるなら話すまで、何よりヒマだしな。
「騙された、なんか獣少女に付いて行ったらここに居たんだ。我ながら馬鹿みたいだよ」
「人攫い……」
人攫いか、まぁそうなんだろうな。
異世界に来てそうそう人攫いにあうとは、運が無いのか餓死しないだけマシというものか。
「そういうあんたはなんで?」
「村が襲われて連れてこられた」
「そりゃまた酷いことを」
「何言ってるの?普通じゃない」
まぁ普通の価値観がズレているのは承知の上だが、村が焼かれて身売りされるとはどの世界でも普通じゃないだろ。
「普通ではないだろ、普通は強制されるものじゃない。自分で見つけるもんだ」
「……」
獣少女の目が大きく開きこちらを見つめる。
壁上の小窓から差す月光により神秘度が増す。
よく見ると息を飲むほどに綺麗な少女。
「あなた……名前は?」
「ホドウ」
「ホ↓ドウ……」
「ホ↑ドウな」
「私はルミナス」
ルミナス、なんかもっと可愛い名前かと思った。
見た目からしてまだ18もいっていないのだろう。
かわいそうに。
「なぁルミナス、スキルってどう使うんだ?」
「……それは分からない、意識してないから」
なるほど、意識せずに使っている。
とても有益な情報、意識しないということは思うだけで体現できる可能性がある。
俺のスキルは【鬼火】何ができるかこの檻にいる間にマスターしないと。




