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【第十一号】

「ここを出るって、どうするの」


「まずは情報だ、情報が揃わないと結論も出ない」


まずはこの牢獄について知らないと。

バシトとの会話からこの世界の情報伝達率は現代社会よりも劣る。

ソーシャルメディアなどの不特定多数が自由に閲覧出来る媒体が無いのだろう。

おそらくは新聞などの紙媒体も無いと見た方が良い。


「ルミナス、さっきの話は誰から聞いたんだ?」


「育て親のマージ」


「他には?」


「居ない」


ここで断定するのは早いがこの世界には情報を伝達する手段は言伝ことづてしかない。

だからこんな劣悪な奴隷収容所が現存しているのか。


「この首輪にスキルを封印する効果はあるか?」


ここに連れてこられてから付けられている首輪。

最初はボロい鋼色だったが今はきたないが金色の首輪となっている。

その色の差異で効果が違うのかが気になる。


「いいえ、そもそもスキルを封印する効果があると聞いてない」


なるほど、ならここから出るのはさほど難しくは無い。

俺のスキルは身体を火に変換できるもの、それも五感をそのままにしながら。


「少し集中する」


耳部分を火に変換し網目の檻から外へ流す。

どこまで伸ばせるかを試していたが半径10kmくらいは伸ばせる。

それに火が消える原因である雨風等による消失の干渉は受けない。

通路に伸ばすとある部屋から声が聞こえる。


「アイノ国家がレアスキル持ちを数億で買うんだとよ」


「奴隷解放宣言をうたいながら偉いことだな」


アイノ国家……奴隷解放宣言か、覚えておこう。

話しているのは声色から先程まで檻の監視をしていた獣人。

もう少し耳をすませておくか。


「そういえばノバ様があのレアスキル持ちをえらく気に入ってたぞ」


「へぇ、こりぁめんどうな事になったな」


ノバと言うやつがここの支配人か……ここのレアスキル持ちは俺かルミナス。

どっちがお眼鏡にかなったのか。


「すぐに売り飛ばせば金が入るのにノバ様は嫉妬深いからなぁ……今回も長引くぞ。前回は何日だったか?」


「1ヶ月……もう最後はレアスキル持ちの奴も意識を失ってたっけか、スキル封印されて遊ばれるなんて考えただけでもゾッとするよ」


……


伸ばした耳から意識を戻しルミナスに一言。


「スキル封印は無いんだよな?」


「うん、そう聞いてる」


「あるってよ」


「なにが?」


「スキルを封印する方法が」


「……え、嘘でしょ」


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