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第八十八話 エピローグ

 ――ロマンが倒されたことにより、人類と、黒き魔獣との戦争は終結を迎えた。

 各地に群がっていた黒き魔獣は次々と姿を消していき、本来の生き物が回復を遂げる。


 そして、一番の戦功を挙げたレイド、そしてバイセン家の人たちは、王都へと向かうのだった・・・



「いや~ 王城でのパーティーなんていつぶりだろうね~」

「多分、10年ぶりとかじゃないか?」


 両親のラジ、ソニア、ロイクとエレーヌ、そしてレイドの5人は馬車に揺られながら話している。

 

「パーティーっておいしい料理が沢山出ますかね」

「さあな、俺は参加したことが無い」


「あ、すみません・・・」

「ふっ、まさか初めてのパーティーが主役なんて思ってもいなかった」


 レイドはバイセン家の人間として参加することになっている。

 これで、ユーラル家は完全に潰えたわけだ。


「レイド君、改めてお礼を言わせて欲しい。よく頑張った。そして、エレーヌを見捨てなかったことに、感謝だ」

「ふふふ、やるわね~」


 ――あの戦いで起こったことは全てラジに話した。

 カインは、いなかった人間として扱われている。


「俺は・・・ 当然のことをしたまでだ」

「おお! 格好いい! 俺も一度は言ってみたかったな」


「やだ、あなたも昔は結構カッコつけてたじゃないの~」

「・・・妻の方が強かったがな」


「褒めるのが正直つらかったわ~」

「ぐふっ、、、」


 ソニアの会心のメンタル攻撃により、満身創痍のラジだったが、何とか持ち直した。


「ご、ゴホン・・・ そろそろ王都に着く。屋敷が用意されているので、そこで着替えをしよう」

「・・・確か、俺の分も用意してくれたとのことで。ありがとうございます」


「いやいや、もう俺の息子なのだからな! はっはっはっ!」

「ロイク~ いつになったら貴方も連れてくるの~?」


「ま、まあ・・・ なるようになるんじゃないかな?」

「いいや無理よ~ 自分から行かないと! 今日勝負よ!」


「え、ええ・・・」


 ロイクはうなだれている。何故なのか・・・?



 

「その・・・ レイド?」


 エレーヌが間を開けて、話しかけてきた。


「ん? どうした?」

「えっと、私、晴れて腕にあった紋章が消えました。だから、だから・・・」


「・・・?」


 段々とエレーヌの顔が少し赤くなっていき、もじもじとし始める。

 ソニアが察しろという顔をしているが、全然分からない。


「ん? エレーヌ、どういうことだ?」

「こらっ、貴方がそれを言っちゃいけないでしょう~!」


「あっ、止めろ、殺さないでくれソニア!」


 ラジもよく分からないようだ。


「・・・まあ、着いてから言います」

「お、おう・・・」


 もしかしたら、申し訳ないことをしたのかもしれない・・・




 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 時は過ぎ、王城でパーティーが開かれる時間となった。

 レイドは今まで着たことも無い、豪華なコートを身にまとっている。


(・・・なんか慣れないな)


「ふふふ、そんなに珍しいものかしら?」

「あ、いや。こんなのは初めてで」


「そう~ 後もう少しでエレーヌも来るはずよ」




「・・・お待たせしました」

「ん! エレーヌ・・・」


 エレーヌは上品さと落ち着きのあるドレスを着てやってきた。


「腕・・・ なるほど、そう言うことか・・・」

「ふふっ。似合ってますか?」


 ドレスの袖を短くしたようだ。紋章の痕も、きれいさっぱり無くなっている。


「・・・・・・」

「・・・そんなに見ないでください」


「え? あ、ああ・・・ すまない」


「よし、では全員そろったようだな。では向かうぞ!」



 ラジたちは王城の廊下を歩いていく。

 

「エレーヌ、緊張しているのかい? じゃあ、兄である僕と手を・・・」

「嫌です」


 エレーヌはすぐにレイドと手を繋いだ。


「ロイク、次エレーヌに何かしたらお仕置きよ~?」

「ひ、ひぃ・・・」


 ロイクはこの言葉で大人しくなったようだ。

 ついに大きな石扉の前へと着く。


「レイド、君が前に出るんだ」

「え? 俺ですか?」


「当たり前だろう? 君が主役だ」

「主・・・ 役・・・」


 ――覚悟を決めるんだ!


 ――ギィィ・・・

 扉が、厳かに開かれる!





「「「おおっ!!」」」


 大勢の人々が、拍手を持って、温かくレイドたちを迎え入れた!



 群衆の一番前に、国王が杯を持って立っている。


「よし・・・ そろったようだな。今日は無礼講だ! 皆、存分に食事を楽しむがよい! 英雄レイドに、万歳!!」

「「「万歳!!!」」」



 再び、辺りに拍手が舞い上がった!

 レシティアにロベルト、エマやミゲルなども見受けられる。



「よし、レイド! 沢山食べますよ! 今日一夜限りです!」

「おい・・・ 食欲だけはあるんだから・・・」


「良いじゃないですか!」

「あ、ちょっと待ってくれ・・・!」




「ちょっと! 早く食べに行くわよ! スイーツがなくなっちゃうわ!」

「おい! それより先にレイドの元へ・・・!」


「また後よ!」


 ――レシティア、ロベルト・・・



「ふふーん! 私がレイドたちを導いてあげたのよ!」

「「「わぁ! すごいですね!!」」」


「え? そう? え、えへへっ」


 ――エマ・・・



「ロイク君、学園の教師にもう一度なる気は無いかね?」

「ん~ レイドがバイセン家を継ぐんだったら考えるよ~」


「あ、ちなみにエレーヌも教師に・・・」

「もちろんなります! やらせてください! 是非!」


 ――ロイク、ミゲル・・・



 

 様々な人に助けられ、レイドは無事、死の運命から逃れることが出来た。

 運命が少し違うだけで、様々は未来が生まれるのだ・・・



 これは、そのうちの1つのお話。

 ここらで、締めくくるとしよう・・・






 

 ――インテグリ―=フェイス 完


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