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第八十二話 すべての黒幕

「はぁ・・・ はぁ・・・ ようやく片付いたか・・・?」


 レイドたちが黒き魔獣と戦闘を始めてから早三十分。

 群がるように居た敵も、今はところどころ、瀕死の個体がいるのみだ。


「おやぁ・・・? 結構タフですね。これで終わったのかと思ったのですが・・・」


 奥の方で高見の見物をしていたロマンが、そのように話し始めた。


「舐めるなよ、俺たちを。いくら戦ってきたと思っているんだ・・・」

「フッ、その勇敢さは評価しましょう。しかし・・・」


 ――Pusztíts el ... mindent, ami előtted van!


「!? 不味い! 呪術だっ! 真っすぐに来るぞ!」

「キャッ! 何するのよ! ロベルト!」


(あいつ、呪術を使うのか!)


 ロベルトがレシティアの腕をつかんで、左に避けようと走り始めた。

 それを見て、レイドとエレーヌは右に避ける!


 ――ドゴォォォンッ!!


 ロマンから放たれた漆黒の刃は、すぐに先ほどまでいた場所を容赦なく破壊した。

 通った跡には大きな溝ができ、簡単には通れなくなってしまう。


 つまり・・・ 分断されたのだ。


 

「呪術って、こんなにも火力が出たのか・・・?」

 ――しかし、ロベルトは対岸の方に居て、聞くことは出来ない。

 ミゲルもあっち側にいるようだ。


「レイド、ケガは無いですか?」

「ああ、俺は大丈夫だ。だが、不味いな・・・」


 こちら側にいるのは、レイドとエレーヌの二人だけ。

 最悪の場合、片方づつやられてしまうかもしれない。


「ええ。分かっています。早く合流を・・・」



「そうは、させねえぜ・・・?」


 ――前からこちらに来る人影が見えた。


「・・・カイン」

「お? ようやく冷静になったか?」


 予想に反してロマンはおらず、カイン一人だった。


「こんなことをして、許されるとでもおもうなよ?」

「はっ、元々許してもらおうって気なんてねえさ。俺の目的はなあ、お前だよ、エレーヌ」


「私に何の用ですか? 恨まれるようなことをした覚えはないですが」

「違う、違う。用があるのはお前の体だよ・・・」


 そして、カインはエレーヌの方を指さした。


「・・・頭が狂ったか! 体狙いなんて!」


「おっと、お前が想像しているのとはちょっと違うぜ。俺はな、優秀な宿主を探してたんだ。 そう、エレーヌみたいな、な?」


「しゅくしゅ・・・ だと?」


 ――何を言っているかさっぱり分からない。

 何かを寄生させようとでも思っているのか? 

 そうだとしても、頭がおかしいとしか思えない。


「貴方の目的が何だったとしても、二対一、絶対に勝てません」

「そう言うと思ったぜ・・・」


 すると、カインは何やらカインは漆黒の玉を取り出した。


「まあ、見たら分かるぜ」

「何をする気でs・・・ はっ・・・ぅ」


「・・・おい! エレーヌ、しっかりしろ!」


 あの玉が光出したと思ったら、急にエレーヌが苦しみ始める!

 そして、左腕には・・・


「紋章が、光ってる・・・!」

「種明かしだ。二年前、ダリラの襲来の時にエレーヌを動けなくしたのは、俺だぜ」


「・・・な!」

「そして、今こうするためにやったんだよ!」


「あああぁぁっ!!」


 エレーヌはさらに苦しみ始め、涙を流しながら悶える。


 ――ここに居ては駄目だ!

 直感がそう語る。すぐに俺はエレーヌを抱きかかえて逃げた!


「はぁっ! はぁっ!」


 全速力で走るレイドは気づかなかった。

 既にエレーヌの体内に、あの漆黒の玉が入り込んでいたことを・・・



「おい、エレーヌ。返事は出来るか!」


 先ほどまであんなに苦しんでいたエレーヌが、急に動かなくなる。









「エレーヌ? 返事をしてくれ!」


 しかし、エレーヌは何も動かない。反応を見せない。









「エレーヌ!!」

「・・・―― ・・・」


 必死に声をかけ続けると、少し口を動かしたが、走っているのでよく聞こえない。

 そういうことで、一旦止まることにした。


「エレーヌ。何を言っているんだ?」

「・・・Εκρήγνυται ... με δυσαρέσκεια επί 」


 ――詠唱?

 エレーヌとレイドとの間に、段々と魔法陣が出来上がる。


「一体何をしようとしているんだ?」

「…… του σκάφους!」


 最期に、エレーヌと目が合う。

 漆黒の目。


 こいつは、エレーヌ、じゃない。

 次の瞬間、魔法陣が何やら光出し、そして、それを境にレイドの視界は暗転するのであった・・・

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