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第八十一話 兄弟

「・・・は?」


 皆、段々とカインの異常さに気付いて来た。

 しかし、もう遅い。彼はレイドのすぐそこまで来てしまっていたのだ・・・


「っ!、レイド! 今すぐ彼から離れてください!」

「・・・ありゃりゃ、殺気を隠し切れなかったか。まあいい。じゃあな、レイド・・・」


 カインはいつの間にか手に暗器を忍ばせていた。

 


(なん、で、だよ・・・)

 ――殺される。頭は理解してても、体は反応できない。

 

 

 なぜ、よりによって、お前が・・・

 理由も分からないまま、凶刃がレイドの胸に差し迫ってくる。だが、しかし・・・


「痛っ・・・    ぇ・・・? ろ、ロイク・・・」


 ――レイドに刃が届くことは無かった。

 

「・・・っ、カハッ」


 先ほどまでレイドが居た場所は、そのまま綺麗にロイクと入れ替わっていた。レイドのことを押し出したのだ。

 ロイクは少し笑った後、血を吐いてどさりと崩れ落ちてしまう。


 

「に、兄さん・・・ イ、ァ・・・ イヤァァァァァァッ!!」


「は、はは・・・ ハハハ!!! こ、こりゃあ大収穫だぜ・・・」

「貴様っ!! 今すぐロイク君から離れるんだ!」


「はっ、ミゲルよぉ。それくらいの攻撃にはあたらないぜ」

「チッ・・・」


 カインはミゲルの攻撃を難なくよけ、ロマンの方に飛び去った。

 レイド、エレーヌは未だに事態を理解できていない。


「ふふふ・・・ 僕は、これ、まで、か・・・ ゴホッ、、」

「ぁぁ・・・ っ・・・ 兄さん! 兄さんっ!!」


「レイドっ! 大丈夫か!」

「ちょっと、どうしたの! って・・・ ヒィッ!!」


 ロベルト、レシティアもレイドの元に駆けつけてきた。


「ククク・・・ 良くやりました。カイン・・・」

「ははっ、案外楽勝だったな!」


「カイン、どうして・・・」


 エレーヌが涙を流しながらそう問う。


「なんでって? 鈍いなぁ。最初からお前らの味方じゃねえよ」

「ククク・・・ 彼はべレーター家の人間ですよ」


(嘘だ、そんなことあり得ない。だって、だって・・・)


「レイドよぉ、今こう思っているだろう? あり得ないって。なぁ・・・?」

「・・・・・・」


「ガハハッ!! お前が、鈍いおかげで助かったぜ!」

「カイン・・・ ウアァァァァッ!! Εξαφανίσου! Φύγετε! Φύγετε!」


 

 ――ドォンッ! ドォンッ! ドンッ!

 エレーヌは怒りに任せて魔法を放つ!


「おお、怖い怖い。そんなカッカするなって」

「・・・当たらない」


 カインはエレーヌによる猛攻撃を、いとも簡単に避けて見せた。


「ははっ、戦えない俺をこんなに強くしてくれてありがとうな?」

「ぅ・・・ 殺すっ、殺してやる・・・!」


「待て! 今は一旦止まるんだ! エレーヌ君・・・!」

「はぁっ、はぁっ・・・!」


 エレーヌは燃え上がるような怒りを何とか抑えている。

 見たことの無い目だ。


「ロイク君を担いでくれ! ロベルト君!」

「あ、ぁぁ・・・ チッ・・・」


「おやおやぁ、ロベルト、貴方もいたのですか?」

「・・・黙ってろクソ野郎」


 ロベルトはロマンのことを一蹴した後、すぐにロイクを担いで後ろの方へ動かした。

 ロイクはもう、生きているのかも分からない。瞳はもう光を失っている。



 

「さてと、お話は済んだことでしょうし、もう良いでしょう。 大丈夫です、貴方たちも同じところへ行けますよ」


 ミゲルは不敵な笑みを浮かべてこちらを見てきた。


「カイン・・・ 教えてくれ」

「教えることなんてもうねえよ。さっき言った通りだ。有力貴族家に潜入してた。これでいいか?」


(あれも・・・ これも・・・ すべて俺を騙すための・・・ 嘘だったというのか!!)


「悔しそうな顔をしてるなぁ。いいね、俺は大好きだぜ?」

「くっ・・・」


 カインはにやりと笑う。

 昔から変わらない、憎たらしいカインの煽り方だ。

 色々な気持ちが胸からこみあげてくる。しかし、怒りの気持ちではない・・・ 


 じゃあ、なんだ?

 


「ククク・・・ では、楽しい処刑の時間の始まりです!」


「ギィィ!」

「ガァッ!」


 ミゲルが何か合図をした途端、周りから黒き魔獣が次々と現れた!



「クソッ! やるしかないか・・・!」


「・・・Έκρηξη! Βγάλτε το θυμό σας!」


 ――ドガァァァンッ!!

 エレーヌは無言で魔法を打ち始めた。


「うかうかしてられん。私たちも加勢するんだ!」


「・・・わたくしも! Φυσική ικανότητα! Βελτιωθείτε!」


 ミゲルも剣を取り出し、前に構える。

 レシティアは補助魔法を使って支援し始めた!



 

「ククク・・・ 無様にあがいてなさい・・・」


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