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第四十一話 入学試験 模擬戦編 その二

 というわけで、模擬戦の本選が始まろうとしていた。

 本選に進んでいる時点でもう合格なのだが、これからは主席を争うことになる。


「準備はできたか? エレーヌ」

「ええ、いつでも行けますよ。それよりまた言いますが、大丈夫ですか? 王族をリンチするとなると、かなり学園生活での風当たりが強くなると・・・」


「問題ない。俺が無能ではないということを見せつけるだけだ」

「・・・はぁ」


 エレーヌは呆れているようだ。あいつの挑発なんて乗らなければいいのに、とか思っている顔だな。


「さあ、時間なようだ。勝ちに行くぞ!」

 そうしてレイドとエレーヌは闘技場の中心へと向かう。


「また女の方の魔法だけで切り抜けるつもりか!」

「ユーラル家の魔力無しが! さっさと棄権しろ!」

 観客はレイドが見えた途端、罵詈雑言を浴びせた。主に、レイドと戦った受験生の声だ。しかし、その中でも・・・?


「レイド君~ 頑張ってね~!」

「ロイクさん・・・」


 観客としてロイクが見に来ていたのだ。


「君もうちの訓練を乗り越えてきた戦士だ! 存分に戦うと良いよ~」

 レイドはロイクに対して無言でうなずく。


「はっ! 貴様の評価は散々のようだな!」

「マルク・・・ 第二王子・・・」


「我の前にして逃げなかったことだけは誉めてやろう!」

「・・・元々逃げるつもりなんてありませんよ」

「強がるな! ・・・我の剣の錆にしてくれよう!」


「両者そこまで! ただ今より、一回戦を開始する! 双方とも、準備は出来ているか!」

「我らは問題ない」

「俺たちもだ・・・!」


「うむ! それでは、試合開始!」

 試合開始と共にマルクは突撃し始める。


「うおおおおおおおお! 一対一で勝負だ!」

「良いだろう、受けてやる!」


「ガキィィィィィィン!」

 レイドとマルクの剣が火花を散らして交わった。


「ふっ・・・! ・・・何?」

 最初こそは余裕の笑みを浮かべていたマルクも、段々と違和感に気付き始める。


「・・・その程度か? 思ったより全然軽いな」

「何っ! 貴様・・・! 我を愚弄・・・ くっ!」


 レイドはマルクをいとも簡単にあしらう。

 その反動でマルクは後ろに転倒してしまった。


「ぐわぁ! ・・・くそっ!」

「どうした? 簡単に転んでしまったな・・・」


「おい、あいつ無能じゃなかったのかよ・・・」

「いやいや、マルク第二王子が大したことないだけじゃないか?」

 観客の態度も変わってきたようだ。徐々に、マルクにとって息苦しいものになっていく・・・


「・・・図に乗るなぁっ! 魔力無しがぁぁぁぁぁ!」


 マルクの持っている剣が光始める。どうやら魔剣のようだ。

「Άγιο Πνεύμα του ανέμου! Κατέλαβε γύρω από το σπαθί μου και γίνε η δύναμη να τον χτυπήσεις!」


「あれが、王家に伝わる魔剣の秘儀か・・・?」

「これは良いものが見れたぞ!」


 どうやら、現在マルクがやっていることはかなりすごいことらしい。


「レイド、大丈夫ですか?」

「エレーヌ、もう片方は倒したのか?」


「はい、ずっと前に倒してますよ」

 マルクの相方、ベアトリスは既に倒れたようだ。


「食らえええええ! 王家に伝わる秘儀を!」


「なんてこった! 剣から竜巻みたいなものが出ているぞ!」

「これはさすがに防げないだろう・・・」

 観客たちはマルクの勝ちを確信しているようだった。


(確かに強大な魔法だ。しかし、ダリラの攻撃と比べたらどうってことない!)


「うおおおおおおおお!」

 レイドもマルクに向かって走り始める!


「!? 貴様! 正気か!」


(お願いだ! インテグリー! 俺に力を貸してくれ!)


ポワァァァァン・・・

 ――そしたら、インテグリーがそれに応じたかのように光を放ち始めた!


「あいつが持っているのも魔剣かよ!」

「これはどっちが勝つんだ!?」

 


「食らえ! レイドォォッ!」

「ズザザザザザザッ!」


 マルクが放った巨大な風の刃がレイドに襲い掛かる!


「インテグリー!」

「何! 我の技が・・・ 吸収されていくだと!」


「食らえっ!」

「な、なぜ貴様が魔法を・・・」


 もう遅い。マルクが気付いたころには、既に命中した後だった。


「ぐわぁぁぁぁ!」

 マルクは勢いのあまり場外に飛ばされ、壁にぶち当たり、そして動かない・・・


「・・・そこまで! 勝者! レイド&エレーヌ!」

 試験官がそう告げた。


「嘘だろ・・・ あれを防いだというのか・・・?」

「こんなの、化け物だろ・・・」

 観客は唖然とした様子である。


「・・・満足しましたか?」

「ああ、付き合ってくれてありがとう。エレーヌ」

「それくらいお安い御用ですよ。 ・・・また、強くなりましたね」

 エレーヌはそうしてにっこり笑うのだった・・・




 ――ちょうどその頃・・・


「何よ! 何なのよ!」

 一人でわめき散らかしている少女がいた。


「なんでエレーヌが生きてるのよ・・・ これじゃ、ゲームと違うじゃない! しかも、なんでインテグリ―を名前も出ないモブが持っているのよ!?

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