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第三十六話 え? 君も入学試験を受けるの?

「何よ! 次から次へと知らない人が出てくるんじゃないわよ!」

「なっ! 貴方こそ誰ですか! 失礼な人ですね!」

「何ですって・・・!」


 エレーヌとレシティアの間には火花が散る。


「まあまあ、レシティア様・・・」

「マリー! こいつを不敬罪で捕らえなさい!」


「・・・・・・」

「何よ! なんで動かないの!」


 マリーは苦笑いしたままだ。


「あの・・・ 彼は公爵ですよ?」

「へ?」

「レイド・フォン・ユーラル、ユーラル家のご子息です」


「ゆ、ゆ、ユーラル・・・!」

 レシティアの顔が段々青ざめていく。


「自己紹介する暇が省けましたね。では、私は彼女の紹介をしようと思います」

「ああ、私も気になっていたんだ」

 マリーがそう言う。


「彼女はエレーヌ・バイセン、バイセン家の娘ですよ」

「ぴ、ぴぎゃぁ・・・ ば、バイセン家! 伯爵!」

「ええと・・・ こんにちは。コレル・・・ 子爵?」


 レシティアは完全にノックアウトされたようだ。びくびく震えている。


「助けてマリー! こ、殺されるわ!」

「自業自得です。レシティア様」

「な!? ・・・なんで貴方はユーラル家の人と知り合いなのよ!」


 マリーの顔はさらに歪む。もう笑っていられないようだ。


「レシティア様。この街を救ったのは誰ですか? 貴方様を救ったのは誰ですか?」

「誰って・・・ う、うそ! れ、レイドってことは・・・!」

「そうです。貴方様は命の恩人に対してなんて発言をしているんですか?」


 レシティアは更に顔色が悪くなった。もう白目になっている。


「す、すみませんでしたぁっ!」

 街中にレシティアの声が響くのだった。


「・・・もういいですよ。エレーヌもそれでいいだろ」

「・・・まあ今回はレイドが多めに見てくれているので良しとしますが、次にこんなことがあったら・・・ ね?」


「ひ、ひぃ!」

「・・・それで、レイドたちはなぜここまで来たんだ?」

 マリーがそう問う。


「俺たちはこれから王立学園へ受験しに行くんだ。それで、リヨンで今休憩中だ」

「そうか・・・ 休み中にすまないな。お詫びにスイーツをおごろう」


 「なになに! スイーツ食べたい!」

 レシティアがすっかり起き上がり、店の中に入った。


「レシティア・・・ 様・・・ 」

 マリーはもう怒り心頭だ。


「・・・おごってくれる必要は無いぞ?」

「いいや、そうじゃないと私の気が済まない。それに、私は・・・ こういうものが大好きだからな?」

「そういってもらえるなら・・・」


(今回はご厚意に甘えて、おごってもらうとしよう)

 そういうことでレイドたちは店に入る。


「ちょっと! これ私が頼もうとしてたものよ! なんで取るの!」

「はぁ・・・? おい、レイド! 助けてくれ! なんかキレられてる!」

 今度はカインといざこざが発生していた。


「はぁ・・・」

 また、マリーからは大きなため息がこぼれるのだった・・・



 

「ふふーん! あ・ま・い・も・の!」

「・・・・・・・・・」

 今、皆でスイーツを食べている。しかし、誰かさんのせいで雰囲気が台無しだ。


「・・・皆、王立学園を受験するのか?」

 マリーがそう問う。


「ああ、そうだぜ! 全員、戦闘ならピカイチさ!」

 カインはそう言って胸を張った。


「へえ、貴方たちも受験するのね!」

「ええと・・・ レシティアさん。貴方も受験するんですか?」

 レイドがそう聞いた。


「もちろんよ! 貴族ならば、誰しも行かなくちゃならないじゃない! ステータス稼ぎの為にね!」

「す、ステータス・・・」


「もちろん、マリーも一緒に受けるわよ!」

「ええっ! そうなのか?」

「・・・そうだ。私も受験する予定なんだ。もし受かったら、学友、ということになるな」


「ああ、そうだな。期待しているよ」

「・・・君も間違って落ちるんじゃないぞ?」

「分かっているさ」


「ちょっと! うちのマリーは優秀よ! リヨン一番の女騎士なんだから!」

 レシティアはなぜか、自分が自慢げになって話している。


「いや、バイセン家の人たちにはかなわない。それで・・・ あの男はどうした? その・・・ ロイク? さんだ」

 マリーが遠慮気味に尋ねてくる。そうだった、あいつにトラウマを植え付けられたからな・・・


「ロイクさんなら、いまバイセン家が所有する建物で休んでいると思うけど・・・?」

「そうなのか・・・」

 マリーはほっとしたようだ。


「なぜマリーさんまで兄さんのことを恐れているんですか・・・?」

「まあ、いろいろあったんだよ」

「はぁ・・・ でも、今、兄さんがこちらまで近づいてきますよ?」


「「「えっ?」」」


 皆が一斉に入り口の方を見る。すると、現在進行形でロイクが店に入ってきていた。


「ああ~ エレーヌ! それとレイドたち! 探したぞ~?」

 満面の笑みでこちらまで来た。


「ひぃ!」

 マリーは委縮してしまった。


「? 君は・・・ どこかで見たことあるような・・・?」


(ロイクよ、新たな問題を引き起こさないでくれ!)

 問題児が二人に増えたのだった・・・

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