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第十五話 地獄の特訓

 バイセン家の夕食会も終わり、レイドは寝室に来ていた。

 ラジがレイドの為にと用意してくれた部屋だ。ちなみに、エレーヌと隣の部屋ということもいい点。まあ、ロイクの部屋とも近いが・・・


「はあ・・・ 疲れた」

 レイドはベットに腰かける。

 無事に受け入れてくれたものの、将来起きるであろう死の運命はいまだに分からないままだ。

 レイドは、壁に立てかけてあるインテグリーに目を向けた。


(やっぱり、強くならないと抗えない。けど、この家族が負けるなんてことはあり得るのか・・・?)

 こんな化け物たちの集まりとも言われている人たちがそう簡単にやられるはずなんてない。将来、何が災いとなるのかが全く分からないのだ。


 まだ考えても何も分からない。レイドはとりあえず眠りにつくのだった。


 

 何かが、明るい。何かの声が聞こえる・・・

「レ・・ド、レイド君・・・」

 うう・・・、また、「あの夢」か・・・?


「レイド君・・・ レイド君・・・」

彼を呼ぶ声は、いまだ止まらない。


「お前は・・・ 誰だ・・・?」

 レイドは声を振り絞って言う。今度こそ、話してもらうんだ・・・!


 突如、強烈なビンタを食らう。

「何を寝ぼけているんだ~? 僕だよ、ボ・ク」

 目の前にロイクの顔が・・・!


「うわあああああああ!」

 レイドは跳ね上がる。ロイクはすぐさまレイドを黙らせた。


「ちょっと、まだ早朝なんだよ~ エレーヌを起こさせたらどうするのさ?」

「ロ、ロイクさん!? どうしてここに?」

「どうして、って、普通に武術の訓練で呼びに来たんだよ~」

 ロイクはまんざらでない顔をする。


「どうして、こんな早朝に・・・?」

「君は昼から仕事があるじゃないか? ショルイセイリ? ってやつ。 だから今呼びに来たんだよ~」


 ロイクはそう言うと、剣を持って外に出た。

「着いてきて、練習場に連れて行ってあげるよ。あ、ちなみに拒否権は無いよ?」

「・・・・・・」

 レイドは仕方なく、ロイクに着いていくのだった。


 レイドが歩き始めてから数分、屋敷を出てすぐの大きな庭まで来ていた。

「ここでいいや。レイド君、さっそく始めようか?」

 ロイクは1,2,3,4と準備運動を始めた。


「ちょっと、何をするつもりですか?」

「まあ、僕の言う通りにしておけば、1週間で君はベテランの兵士と同じ水準にまでなれるよ。僕が保証する」

 ロイクは自信満々に言い張る。


「1週間!? いくら何でもそんな短い期間で出来るわけないですか! どんなスパルタですか!」

「スパルタ? ははは! 違うよ、君は《《この時間だけ》》で強くなれるよ」

(何を言ってるんだ? こいつは? 意味が分からない・・・)

 レイドは疑問に思う。


「実を言うとさ、僕も暇じゃないんだよね。街の見回りとか、魔獣退治とか。君を数ヶ月も見る時間なんて到底ないんだよ」

 ロイクは何やら宝玉なような物を取り出す。何か魔術でも唱えるのだろうか?


「知ってるかい? 人は、電気を使って筋肉とかを動かしてるんだよね~ ちょうどいいところに、僕は電気系魔術が得意なんだ。後は、分かるよね?」


(まずい! こいつは人に電気を流すつもりだ!)

 レイドはとっさに逃げる。ただし、もう遅かったようだ・・・


「逃がさないよ~ それ!」

 ロイクは電撃をレイドに走らせた。


「アガガガガガガ!!!!」

 レイドは機械のように動かされる。痛い痛い痛い!!

「熟練の兵士の動きをこの身で感じるんだ! 物理的にね!」

 ロイクはとても楽しそうだ。くそ、こいつめ! いつか復讐してやる!


 ロイクの電気地獄は朝まで続くのだった・・・


 ~その後、館にて~


 どうにか帰ってきた。レイドはロボットのような動きをしながら廊下を歩いている。

 すると、エレーヌが眠たそうに反対側から歩いてきた。

「・・・お、おはようございます?」

 エレーヌは疑問形になりながらも、レイドに挨拶をしてきた。


「オ、オハヨウ・・・」

 レイドはにこやかに笑おうとするが、電気ショックの影響で片方の頬しか上がらない。世にも奇妙な顔になってしまった。


「ひ、ひぃ・・・! ど、どうしたんですか!? ちゃ、ちゃんと朝食を食べましたか!?」

「ええ、食べました・・・ トウモロコシ200g、鶏むね肉100g、塩・・・」

「な、なんで原材料なんですか・・・?」

 エレーヌは若干ひきながらも、レイドに問う。


「ふふふ、それは、お兄ちゃんが教えてあげよう!」

 ロイクが横槍を入れてきた。

「に、兄さん・・・ レイドさんに何をしたんですか?」

「ただ単に、武術を教えてただけさ・・・ なあに、仕事とやらはできるはずだよ」


「イ、イッショウケンメイ、ガンバリマス・・・」

 レイドは今にも倒れそうだ。ついには、めまいを起こしてしまい、倒れこんでしまった。

「レイドさん!? しっかりしてください! レイドさーん!」

 エレーヌは慌てて回復魔術を唱え始める。


「ふふふ、僕の指導がよほど素晴らしかったようだね・・・」

(これも生き残るため、これも生き残るため・・・)

 レイドは何やらうなり声をあげている・・・


 レイドにはしばらく電撃地獄の毎日が続くのだった・・・


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