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暮れない白夜と上がらない極夜  作者: 鷹司柊馬
4/4

第一話 始まる直前

「いやー。いよいよ明日だね!」

 

 ポスコード(チャットアプリ)の通話機能でSMFで出会ったネッ友と会話をしていた。


「うん!待ちに待ちに待ってたからね!たぶん明日は寝れないなぁ」


 そう笑いながら言う彼女はred(レッド)。某ボールに入ったモンスター系ゲームの男性主人公みたいなハンドルネームだが、彼女はれっきとした女性プレイヤーだ。


 因みに、私はwhite(ホワイト)というハンドルネームネームでプレイしている。


「白夜様はもちろんデータ引き継ぎするんだよね?」


「もちろんそのつもりだよ。」


 レッドが私を呼ぶときに使った「白夜」というのは、私がデモプレイ期間に取ってしまった異名のことだ。


 見栄え重視で遊んでいた私は戦闘の際に白色系魔法(光属性系)や白光剣を使っていたのだが、デモイベントでまぐれ優勝した際に特徴的なプレイスタイル(コントローラーをガチャガチャしてるだけ)や高度なキャラメイク(三時間の努力の結晶)で注目されてしまったのだ。


 それ以降、誰が言ったか知らないが「白夜」という異名がつけられてしまった。


「そういえばさ、白夜って誰が言い始めたの?」


「本人が知らないなら私が知るわけ無いじゃんw」


「あはは。そうだよね。でも皮肉な異名だなぁ。」


「どうして?」


「ほら、私一日の殆どSMFにログインしてたでしょ?白夜は太陽が一日中落ちない日のことだから、私がニートだってことを見透かされてるみたいでさ……」


 それに加えて白夜ってなんか厨二病の男子が考えたみたいでかなり恥ずかしかった。恥ずかしかったけど、人から褒められるのが陸上で活躍できなくなってから初めてで、久々の「楽しい」感覚に胸が踊っていた。


「そういえばさ、極夜様は製品版もやるのかな?」


「な、あんなやつ関係ないでしょ!」


「ふぅふぅ〜そんなこと言っちゃってぇ。夜夜コンビの噂は色々ありますよぉ?」


 極夜というのは私達と同じデモプレイヤーで、私がまぐれで優勝したイベント以外のすべてのイベントでトップに君臨していた男性プレイヤーの異名だ。


 こいつはSMFを始めたばかりで右も左も分からない状況だった私を出会って早々貶しに貶し、私の心のHPを赤ゲージまで削りやがった。


 しかも、私が優勝したイベントでは僅差で準優勝していて「今回はビギナーズラックが当たっただけ。自分も一日中ログインできれば一位を取れた。」と嫌味なコメントしたものだから、私がムカつかない訳がない。


 私を待ち受ける悲運はまだ終わらない。アイテム狩りに出ればアイツに遭遇し、レベリングに向かえばアイツが先にいて、挙げ句の果てにボス部屋でばったり出くわして、臨時パーティーを組んだで無事討伐できたのは良いが、ドロップアイテムを有無をも言わさずに配分されたり……


 とにかく私はblack(ブラック)というこのプレイヤーのことが嫌いだ。大嫌いだ。


 でも、感謝もしている。アイツがいなかったらここまでSMFにのめり込むことは無かったかもしれない。アイツに勝ちたい。負けてられない。そう考えるとコントローラーを持つ手がどんどんと熱くなって行った。


 こんなふうに思っていると、私とアイツが白夜と極夜という対になる異名をとっていたり、二人が偶然遭遇してしまったところを度々目撃されたりと言うことがあって、「夜夜」としてカップリングされてしまったのだ。


 もちろん全くのデマで、私とアイツが付き合うだなんて想像しただけで吐き気がする。


 こんな感じで他愛もない話を日付が変わる頃まで続けた後、私は明日(SMFのリリース時間)に備えて、レッドちゃんも明日(普段通りの生活)に備えて、ベッドの中へと向かった。

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