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Intrusion Countermeasure:protective wall  作者: kawa.kei


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859

 降下開始。 射出されたカプセルが地表へと向かって落ちていく。

 途中、カプセルに内蔵されたスラスターが噴射され、落下速度が一気に落ちる。

 雲を抜けたタイミングでカプセルが展開。 そのままカプセルから飛び出す。


 他のメンバーもそれに続くのだが――


 「視界がマジで悪いな」

 「ヨシナリ。 これ、何とかならないか?」

 

 シックスセンスで確認。 砂ではなくガスか何かのようだ。

 

 「無理だな。 どっかから流れ込んでるみたいだ。 可燃性はないみたいだけど粉塵と混ざってる所為か、固まってセンサー系に張り付いて来るからあんまり長時間居たい場所じゃないな」

 「うへ。 前の復刻ミッションとは別の意味で厄介な場所だな」

 「うーん。 ぜーんぜん見えへんわぁ」


 シニフィエは無言で周囲を警戒、グロウモスは高台を探しているようだった。

 

 「これからどう動くよ?」

 「まずはベリアルやユウヤ達と合流だな。 結構、離れた位置に落ちたみたいだから迎えにいかないとはぐれたままになりそうだ」

 

 一応、方角は分かるがシックスセンスの探知範囲外にいるので、正確な位置が分からないのだ。

 分かっているのはユウヤ達は現在地から北方向に居る事だけ。

 

 「ヨシナリ。 近くで戦闘!」


 いつの間にか近くの岩山に登ったグロウモスが即座に報告して来た。


 「血の気の多い連中が先に仕掛けたか? それとも既に始まっていた戦闘か……。 何が戦ってるか分かりますか?」

 「大きいのがいくつか、小さいのを追いかけてる。 多分、追いかけられている方は碌に反撃できないと思う」

 「――って事はアメリカのプレイヤーっぽいな」


 機体にダメージを受けて碌に反撃できない状態の可能性が高い。


 「どうするよ?」

 「状況も知りたいし、助けに行こう」


 ヨシナリが方針を決めたと同時にふわわが走り出した。 シニフィエが慌ててその背を追いかける。

 判断が早い! ヨシナリは推進装置を噴かして空中へ。


 「ふわわさん、シニフィエはそのままで。 俺は空から索敵しながら追いかける。 マルメルは二人を追っかけながら回り込んで味方機の退路を確保しつつ、戦闘に入ったら援護。 グロウモスさんの話だとデカブツっぽいからかなり堅そうだ。 弾薬の残りには気を付けろ。 グロウモスさんは少し離れた位置から付いて来てください。 シックスセンスがあるので大丈夫だとは思いますが、この視界です。 奇襲に警戒を!」


 少し進むと金属音。 ふわわが早速始めたようだ。

 

 「ふわわさん! 敵の情報!」

 「めっちゃ硬い虫――やないな。 なんやろう? 不思議な気配がするなぁ?」

 「鉱物の塊のような感じです。 姉の野太刀で切断できてなかった所を見ると単純に硬いんでしょうね。 それよりも友軍機がそっちに行ったので回収を」


 接近した事でレーダー表示に反応が映る。 一番近いのはマルメルだ。


 「マルメル、そっちに要救助者が行ったぞ。 可能なら保護して差し上げろ!」

 「了解。 ――お、こっちでも確認した。 おーい、大丈夫っすかー?」


 追いついたヨシナリが下を見るとマルメルが半壊したソルジャータイプの機体に肩を貸していた。

 

 『す、すまない。 ジャパンのプレイヤーか? 助かった』


 翻訳機を搭載していたらしく、言葉は通じるようだ。 

 事情を聞きたい所だが、敵の処理が先だと判断したヨシナリはそのまま加速。

 敵機を目視できる距離まで接近し、視界に入った敵の姿をはっきりと見た。


 第一印象は岩の塊だ。 

 それが巨大なワームのような形態をとっており、頭部も岩を組み合わせたらしく目などの感覚器官は見当たらないが岩で作った左右に開閉する口が攻撃手段のようだ。


 サイズは100m前後といった所だろうか。 かなり大きく、体のあちこちに弾痕や斬撃の跡なども見受けられる点から相当の激戦を繰り広げた事が窺える。

 それが三匹。 内、一匹の背にふわわが乗っており、太刀で斬りつけていた。


 岩の継ぎ目のようなところを狙っているのか一太刀毎に体表が削り落ちてはいたが、そこまで効いているような感じはしない。 


 「ふわわさん! 切断は?」

 「できなくはないけど、時間かかるわ。 太いし硬いから一息に切るのは溜めが要る」


 単純に硬い奴は何度か見た事があるが、硬さに突き抜けた奴はあまり見かけなかった。

 シックスセンスで確認するが本当に単純な鉱物の塊のようだが、体の各所にエネルギー反応がある。

 それが石ころの塊を連結させ、あのよく分からない生物を成立させているのだろう。


 一匹に付き三つから多くても五つ。 アシンメトリーを撃ち込むが碌に効いてない。

 

 「クソ、防御フィールドも展開していないのに何でこんなに硬いんだ!?」

 

 何で出来てるんだよと思いながらもまともに貫くのは現実的ではないと判断して武装をアトルムとクルックスに切り替え、頭部付近にエネルギー弾をバースト射撃。

 一応、何かしら外界を探知する何かがあるらしく、エネルギーが集まっている。

 

 どうやら核のような物を中心にパーツが集まっているという構成でそこから神経のような物が伸びて体を構成しているといった所だろう。 これが宇宙生物って奴なのか。

 

 「……それにしてもなんか既視感がある奴だな」


 どこかで似たような奴と戦ったような気がするが、恐らくは別のゲームか何かだろう。


 「ヨシナリ君! 悪いんやけど隙を――」


 ふわわが言い切る前に敵の頭部が何かに殴られたかのように仰け反る。

 グロウモスの狙撃だ。 次にエネルギー弾が当たるが、こちらは効果が薄い。

 僅かに舌打ちする音が通信越しに聞こえる。 恐らく、敵の強度を確認しているのだろう。


 だが、隙は充分に作れた。 いつの間にか離れて抜刀の耐性を整えたふわわが野太刀を一閃。

 敵のコアらしき部分を両断するが、振り切ったと同時に野太刀もぽきりと折れる。

 ふわわが切断した個体の核は三つ。 ワーム状で頭部、腹部、後は尾の部分の三か所。


 切ったのは胴体部分だ。 それにより二つになったワームはコアから離れた末端から崩れていく。

 シックスセンスで観測するとそれは分かり易く、コア同士を繋いでいるラインが切れた事で結合が弱まったのだ。 だが、残り二つのコアは健在。 


 活動を停止する? そんな訳はない。

 あのコアは独立したジェネレーターだ。 つまりは――見ている先で残ったコアが新しい形を形成。

 片方は歪な人型に、もう片方は蟻のような虫に近い形状へと変化。


 「ヨシナリ!」

 

 通信からマルメルの声が響く。 


 「何だ? アメリカの連中はどうした?」

 「近くに拠点があるとかでそっちに逃がした。 一機だけだったが、機体を失ったプレイヤーが何人かいたみたいでえらく感謝されたよ。 それと連中が教えてくれたんだが――」

 

誤字報告いつもありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
岩石生命体(仮称)の攻撃方法からして機体ロスト直前でなんとか脱出したとしてもそのまま殺られそうなのに機体ロストしただけで済んだ生き残りが複数いるのが気になる… 単なる運なのか人間は小さすぎて認識できな…
弾薬に制限ある環境でシンプルに硬いのはしんどいな モスちゃんのスコーピオンの実弾でも貫通しないしレーザーはもっといまいちとかマジで苦しい戦いになりそう そう
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