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伝説の相棒  作者: 龍美邦彦
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クロノヤパスタおいしそうです

 昼の12時になったころイルルとオフィーリアは昼食をしにダルクの旗という店に来ていた。この街でかなり人気の店で活気づいており冒険者も多くにぎわっていた。そんな中多忙で3人ウェイトレスが働いておりエルフのママさんのアーラは二人が来たことに気づき自分から出迎えてくれた。


「あらオフィーリアちゃんとイルルちゃんじゃない!?聞いたわよ娘から!なんでも男の子と無断で決闘して一周間停学になったとかって!ケガしてない!元気ならいっぱい食べていって頂戴!」


 アーラはここら辺では美人ママで有名である。主人もエルフだがこっちは根っからの職人肌で人付き合いは酒アリじゃないと成り立たないほどの人間嫌いである。


「耳に入るのが早いですねアーラママ。確か娘さんも今年高等部2年生でございましたよね?」


 イルルがすぐに返答する。オフィーリアは同じ2年がいるのは知っていたが。すごく人間嫌いというので有名な女子学生という。そこは壁を作ってしまうという点ではオフィーリアも同じなので何気なく挨拶をしようと休日遊びに来るのだが店の手伝いをするわけでもなく亜人の友達とよく遊ぶと聞くのでそこは違うなと思うところであった。


「ご主人の方はお元気ですか?」


「うちの主人ねぇ…まぁ飲み友達はいるんだけれどシラフじゃあだれともはなさないわねぇ…それより新しいメニュー考えたんだけど食べてみない!?もちろん無料で!」


「まぁそれは是非!「いや代金は払わせてもらいますアーラ夫人」」


 オフィーリアがイルルの言葉に被せて言う。アーラママは。


「じゃあおいしければ代金もらうけれどまずければもらわないわよー!ふふ!」


 そういってアーラは厨房にむかって、新メニュー2つよあなたー!と言い無言で料理を作る主人であった。

「それにしてももう2人ぐらいは厨房に欲しいんじゃないですか?」


「そうなのよねぇオフィーリアちゃん…この前入った亜人の子とは主人結構いい感じだったんだけどねぇ…」


「喧嘩でもしたんですか?」

 アーラは主人にきこえないように

「この前酒で亜人の子とギルドはどこが好きだって話になってね…主人はゼルツさんやオロチさんと酒飲んだこともあってアンナのこともあるから黒の矢好きなんだけど亜人の子が虎の爪好きだっていったとたんに主人が怒っちゃってね…早々首にしちゃったのよ…」


「それはそれは…」

 イルルは残念ですね。といい。オフィーリアはアンナという学生と黒の矢に聞いてみると。アーラは気まずそうに。


「ごめんね…自分から言い出しといてなんだけどあの子の話は主人も良く思わないのよごめんね」

「いえ誰にでも言いたくないことはあると思うので私は構いません」


「やさしいのねオフィーリアちゃん。あ!メニューできたみたいだから持ってくるね!」


 だがイルルは気づいていた。本当はアンナという学生のことが知りたいということが。ここ2年生になってからちょっと変わった少年にあてられたのか秘密をしりたくなる年頃なのか、王族と言えど女の子の気持ちは変化しているのである。


 アーラママはどうぞ召し上がれと!言い店内の注文を取りながら後にした。


 来たのは普通のパスタだったしかも素パスタだ。


「これは…普通だな…」


「見た目は普通ですね」


 二人は素パスタをフョークとスプーンでキレイに巻き取って食べてみた、するとどうだろう。


(なっ!これはただの素パスタじゃない!なんだ!明太子とチーズの味がする!うぅ!美味しいじゃないか!)


 二人とも一口食べた後不思議な顔をして見合わせていた。

 飲み干そうとしたときも喉から幸せな明太とチーズの味のハーモニーが花咲いていた。

「これ…ただの素パスタじゃないですね!」

「うむ…でも見た目は普通のなのに…どういうことなんですかアーラ夫人」


 注文をご主人にオーダーしたあと来てくれたアーラは、ふふっと笑い。


「この前ハユードさんが面白い魚を提供してくれたの!なんでもパスタの色に近い子を持った魚でね、それとチーズをパスタに練りこんであるの!あとは主人の腕が試されたって感じかな!主人ね、自分で考えた料理なら一発OKなんだけどこの料理には二日もかかったのよ!ただ子だけを煉るだけじゃぁダメだ!これには隠しにもう一個必要だ!ってなやんでね、ただの素パスタと思わせながら食わせると思ったら明太とチーズが入ってるってちょっとびっくりするじゃない?!でも残念なことに名前が無いのと見かけに花が無いのがねぇ…」


「てやんでぃ!アーラ!そのパスタにはもう名前をつけてんでぇ!」


「え…嘘」


 アーラ自身もびっくりしていた。あの主人がシラフで話に割り込んできたのと名前があるの二つにだ。


「そいつぁ試作の料理でぇ!まだ改良の余地があったのよ!こいつにはうちの特性墨ダレをつけりゃあ完了よぅ!本物は黒の矢の奴らに出してやりてぇから試作のやつ食べさしてやっただけでぃ!」


「な…お客さんには全力のうまい飯を食わせるのがあなたのモットーじゃなかったの?!」


 アーラが少し怒るが主人は反論する。


「確かに嬢ちゃんたちにゃあ悪いことしたと思ってる、だかな!こっちも提供してくれたハユードさんへの恩があり娘の件もある!ついでにこいつの名前はクロノヤパスタってぇなまえでぃ!」


 はぁと溜息をついてオフィーリアとイルルに謝るがオフィーリアは別に何にも悪い気はしてなかった。ちょっと特性墨ダレが気になるがこれはこれでなかなかにおいしくいただけた料理だった。


「その…黒の矢は良くここに訪れるのですか?アーラ夫人?」


「そうねぇ…お客の情報って基本秘密何だけどねーしかも今ブレイクしたてのギルドじゃない?でも…」


 小声になって。


「二人には特別に教えてげちゃう!オロチさんは2週間に一回のランダムでゼルツさんは1か月に一回で休日によく来るわ。ハユードさんは…まぁ2か月に一回来たらいいんじゃないかなぁってとこ。オフィーリアちゃんとイルルちゃんはあんまり馴染みないかもだけどここだけの話アンナがハユードさん見たときだけは顔が違うの!ふふ!恋する娘は愛おしいはぁ…!なんてね!でもオロチさんもゼルツさんも忙しいのか最近顔をみせないのよねぇ…」


(アンナ生徒とハユードに接点がある…ってことだけしかまだわからないな…まぁ私には関係ないことだがな)


 頭を巡らしても今は自分を小ばかにしたヴィリオのことが頭にちらついていた。



(そういえば写真どうなったか聞いてなかったな)

 不意に思い出しイルルに聞く。


「イルル?昨日の写真はどうなってる?」


「それならこの通りですよ!?」

 と懐から写真を完全に直していた。


「ちなみ残念ですが破れたときに魔術式が不安定なってしまったのか解呪はできませんでした…すいませんお嬢様…」


「そうか、ありがとうイルル!」

 昨日のように抱き着いていた。

「本当に二人は仲が良いわねぇ!ん?これ…ちょっとみしてくれる?」

「え?いいですけどどうしたんですか?」


「我が魔力の奔流よ!この存在に撒かれている魔力を元に戻したまえ!」

 アーラは呪文を詠唱してみせた、すると。

 写真が風に浮いた後光を放ちアーラの手元に戻る。

「これで魔術式は直ったわよ。解呪はごめんだけど今は時間がないからできないけどこれで特性墨ダレのことゆるしてくれるかなぁ?」

 アーラはエルフである。魔力量というよりエルフには精霊の加護がありその人特有の流れなどを探知できたりするのである。エルフと精霊は交信することができ年を取るごとに精霊は多く見えていき完全に見えるには100年はかかるらしい。と教科書に書かれていたのを思い出したオフィーリアであった。年齢不詳ではあるがアーラと主人は失礼な考えだけど100年以上はいきているのでないか?とつい思ってしまった。とりあえず言うべきことがあった。


「あ…ありがとうございますアーラ夫人!」

「ちなみに年齢は内緒よ!あとイルルちゃんみたいに抱き着いてもいいのよ?ふふ!」


 手を大きく広げてハグをしようとするポーズを構えるアーラであった。


「さすがに他人にするのは…恥ずかしいといいますか…」


「えい!」


 問答無用にアーラにハグされていたオフィーリアであった。オフィーリアの胸も小さいわけではないがアーラの胸はナナン王女よりも大きいということでそれを楽しそうに見ているイルルであった。



 ここより500m程度離れたところからヴィリオはこの前の顔とはちょっと変えた顔で変装して老紳士になりすましことのすべてを見ていた。


(まさかアーラさんが直すのは考えていませんでしたね。残された少しの魔力を使ってわざと術式を不安定にさせたのですが…。まぁいいか、遅かれ早かれあれだけは知られることになるんだろうし。問題はギルド活動をしてるかしてないかですしね。まぁ黒なんですけどね。そこにちょっと白を足せばグレーになる。まだ挽回の余地はあるでしょう。それより学校ではレティア会長をゼインになんとかしてもらいたいですけど…こっちのほうが難しいですね。あとイルルさん、やはり有能ですね、アーラさんに目配せしながらそれとなく尾行している人たちを目で合図しビールでぐでんぐでんに酔わせて撒くという連携は二人がいかに平日過ごしているかということですね)


 一人で思い耽っていたヴィリオ老紳士であった。


(あと主人…すいませんあと数日は顔見せにいけません。クロノヤパスタ、シークレットクエストが終わったら食べに行きますんで)

 ご主人のこともちゃんと聞こえていたヴィリオ。聞こえなかったのはアーラさんが何かに感づいたのか意地悪で精霊と交信した力によって小声ではなした内容でアンナがハユードになんとやらということであった。






 オフィーリアとイルルは店を後にし写真の解呪をしようということで一旦屋敷へともどる帰路についていた。尾行はもういなかった。今日の尾行者は4人で仲間同士であったが闇ギルドの関連性はないと判断したヴィリオであった。なぜなら尾行の尾行をしていた最中に気の弱そうな男がちょっとあらくれた男に話しだし集中しなくても聞こえる声できいていたからである。





「俺達が本当に王女を誘拐してああ、あああの魔王の爪を」


「うるせぇぞ馬鹿!あの店入ったら大暴れするぞ!その隙に王女をとっつかまえて人質だ!そして闇ギルドよりも先に例の爪てにいれてこの国を支配すんのよ!俺達アラクレーズの時代だ!がっはっは!」


「おい○○お前のほうが声大きいぞ!田舎もんと思われちまうじゃねぇか!」


「そういうおめぇもな△△っていうか田舎育ちだろ俺達」


「うっせぇ!俺たちがこれからの時代だ!」


 まだ罪を犯してもない田舎育ちのかわいそうな命を奪うのは自分の意に反するので目をつむったヴィリオだった。のちにこの行動は正解だったと思うのであった。


 そのあと店に入った瞬間にごつい大男のウェイターが相手をしてちょっとビビるアラクレーズ。イルルの合図を受け取りアーラはビールをどんどん飲ましてぐでんぐでんに酔わされて請求額に全部金を払い一文無しになって住む場所もなくなり田舎に帰ったというのは後日談だった。




不定期不定期いってますが実はモチベーションとかも左右したりしてます。すいません私事なのに。

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