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伝説の相棒  作者: 龍美邦彦
3/20

めんどくさいけど仕事はちゃんとこなします

 まだ午後2時を回ったころオフィーリアは考え事をしながら帰宅の途中だった。顔を険しくして腹を立て周りが見えていなかった。


(まさかあんな酷いことをするやつだったとは…友達になれるかもと思ったがあんな奴…)

 そう考えてイラついていたのだ。その後ろを3人の影が動いていた。


(今日は早いな…まぁ俺が一番に王女を人質にとってあれを王家から盗むのは確かだが…隙だらけだな…)

 一人は後ろを尾行しているフーギ・トルモ。体格のいい中年の男だ。


(ふふふ天より怒号を与え痛めて人質にした後あれを華麗に奪うのは私だ!)

 魔力で体を強化し屋根の上で魔法を使おうとしている者がいた。アリエッド・ナイ。自分の姿が一番美しいと思っている。


(あんな素人丸出しの奴らに先を越されてたまるか!いくら学園が発表したからって王家に忍び込みあれを手に入れるのはこの俺だ)

 グルター・ヒュン。彼だけが他の二人を警戒しながら一般人に紛れて歩いていた。



(どいつもこいつも馬鹿丸出しの素人ですね…あーあ。でもあの男は二人に気づいてますね。まぁあれを言えば本物かどうかなんてすぐにわかりますがね…)

 ヴィリオはエリートスパイもうならせるほどの変装をしていたそれは顔を老人にしてハットを被っていた。黒い手袋をつけて。


 まずヴィリオが目を付けたのはアリエッドだった。アリエッドがグルターの死角に入った瞬間だった。


「さてでは天より裁きを…!!?」

 背後に殺気を微塵もださずアリエッドの頭に手を銃弾のように構えて声色をおじいさんのように変えてヴィリオは言う。

「夜の始まり」

(なんだ!?この老人は!夜の始まり?)

「はずれか」

 たった一言言っただけで当てがまず一つ外れたことを悟りそのまま指の先に力を込めて一瞬で頭を突き殺した。アリエッドは息絶えた。証拠は残らないように遺体はとりあえず誰にも見つからないゴミ溜めへと置いていった。あとでまとめてゼルツに消滅させればいいかという考えだった。彼は見られる可能性も入れているがこのゴミ溜めは一周間に一回しか掃除をしないし臭くて誰も近づかないので有名なので大丈夫と判断したのだ。

 次にグルター・ヒュンを狙った。

 ヴィリオはおじいさんの恰好からさっきのアリエッド・ナイの恰好をしていた。かおも本人と見まがうほどの変装である。


(ん?屋根に居た奴がきえた?いや今度は後ろからか)

 視認はしない方がいいと思ったらしく振り返らずにそのままグルターは歩く。そしてアリエッドの変装をしたヴィリオは近づき。


「夜の始まり」

(連絡の暗号だ!)

「始まりは夜に」

(ビンゴですか…まぁこいつが一番まともでしたから助かりました。さて眠っていただきますか)

「どうした?内容は…」

 瞬間グルターは顎を目に見えないスピードで殴られ意識が飛んで行った。そしてゴミ溜めへと置いていき最後のターゲットに入る。

 今度はグルターの恰好をしてフーギに近付く。しかしフーギはもう王女の近くまで来ていた。もう自分の剣の間合いだった。ちょっとけがをさせて怯ませて誘拐すればいいかと思いオフィーリアの力を女子供と思い手を剣にやろうとした瞬間。


「まさか私が考え事をしているから隙ができたと思って斬りつける気だったか?」

 オフィーリアは鞄を横に投げ腰に携えていた剣を構えていた。


「な!…ばれちまったか!まぁいいお前には人質になってもらうぜ王家のな!」

 ヴィリオは少し遅くなってしまったがこんな時のために吹き矢を持っていた。

(まぁこんな大それた馬鹿ですからバックには誰もいないでしょうね…)

 グルターから老人ににまた変装して一瞬考え吹き矢をやめ違う作戦にでる。

 ヴィリオは老人の声色に変え。

「おいおいこんな街中で剣をふるうんじゃありません。危ないじゃないか」

「じじいはだまってげほぁ!!!」

「なっ!?」

 溝に彼なりの軽い力で一発入れておいた。それだけで用は済んだ。

「すいませんねぇお嬢さんこいつは私が警備兵に連れていきますんで。では」

「あ…」

 有無言わせずヴィリオはフーギを警備兵に連れて行くと見せかけオフィーリアから遠ざけていった。

 そしてゴミ溜めに遺体一つと昏睡状態二人がいた。

 ゼルツとの通信用の魔具を使う。ゼルツ曰く親父の作った絶対傍受不可能なクリスタルらしい。魔具に念じて通信する。一応暗号で知らせることにする。

(B3S1K2OK1犬の糞)




 6時間目の授業中であったゼインもといゼルツは耳に付けているクリスタルのイヤリングから念話を聞き取った。

(OK犬の糞に行く)


 伝えるともう6時間目の終わりである鐘が鳴っていた。

「よーし今日はここまでにする。ちゃんと復習しとけよ!」

 すぐにゼインは教室を後にし職員室に向かい少し用をすませすぐにトイレへいき個室に入り転移魔法を使い指定された場所へと向かった。





「よーうすまねぇなぁ」

「静かに」

 ヴィリオはクリスタルで会話しだす。


(この念話本当に聞こえないんでしょうねえ?)

(大丈夫だ、親父の作品はお前が一番わかってるはずだぜ?)

(まぁいいですけど…それではどちらから探りをします?)

(当たりのほうだな、こっちに呪殺で仲間に殺される前に情報を引き出そう、あとこいつが誰かと通信してるか確認した後情報を探る)

(OK)


 ゼルツは古代魔法、冥、の属性と魔力回路がかなり相性がいい。ゼルツは慎重に7重の魔法陣をグルターにしきいろんな情報を探る。

(はぁ…こんなこったろうと思ったよ…)

 あきれた顔をしてゼルツは念話する

(今回の一見は魔族関係だ。しかも情報をはいたらこいつ死ぬぜ)

(そうですか。やはり魔法はすごいですね。僕は一体何の属性に向いていたんでしょう…)

(それは聞き飽きた…でどうする?)

(通信による監視は?)

(ちゃっかりポケットに魔具いれてらぁ)

(無言のまま過ごせばいずれ殺されますね)

(仕方ねえがこいつは永遠に消えてもらう…これが俺達に与えられた仕事だからな)

(あとこいつはどうします?)

 フーギに目をやるとまだうなされていた。


(一応見てみる)


 また7重の陣を張り情報探るゼルツ。

(こいつははずれだな一応言うが雇われだ。さ、処分するがどうやってする?)


(試したい魔法があるのでそれを)

(ハイハイじゃぁどんなのだ?)


(獄氷風塵呪文といって…ぶつぶつ)


 念話で解説してゼルツは、なんでそんな魔法おもいつくかねぇ…と念話で言いながら取り掛かる

 ゴミ溜め奥でゼルツは氷と風の属性を混合し無詠唱でその魔法を使う。


 3人の体は一瞬氷に包まれたた後内側からくる爆発するような小型の膨大な台風の風により氷と一緒に粉々になって跡形もなくなった。


「この魔法すっげえ疲れるんだが…」


「まぁあなた向きの属性じゃありませんからね。それでやはり『天の堕天』はこの国のあれを?」

「あぁ…かつて魔王が愛用していた爪、ルガードファングを手に入れる計画だ…そんなものあの人達にとっては遊びのようなものだろうにな…」

 ゼルツの言ったあの人達とはかつてこの世界を踏破した伝説の人たちのことである、人数不明で正体も今は陰に身を今は置いている。ただ言えるのは全員まだ存命しており何かしらにより長寿しているらしい。


「まぁそんな爪俺達でも本気をだしゃぁ問題ないがな」

「それを驕りと言いますゼルツ…もし…盗まれて僕らは大丈夫でもほかの民たちがそれを知れば気が気でなくなると思いますよ?僕たち黒の矢だけの問題じゃありません。この国や諸国の防衛でもあるのですから」

「…すまなかった…」

 素直に謝るゼルツだった彼は自分の義父のことを思いだしていた。





「いいですか?ゼルツ?多くの民のことを考えなさい。あなたはいずれ選ばれる存在なのです。王とは民草あっての者、民草があなたを認めるようになっていけるように精進しなさい」



 ふと思い出す義父の言葉。いつも義母に尻に敷かれてのんびりの義父だが何かあればすぐ顔が変わる王の資質を持った男である。


(いまごろ何やってのかなあ?おやじ…もうあれから5年か…ルカナとルキナ…置いてきちまったけどおやじの家で過ごしてんだろうなぁ…絶対怒ってるだろうなぁ…)

 奥さんと娘のことを思いちょっと変な汗をかいていた。ヴィリオはゼルツを見て思う。


(時々お義母さんがする顔に似てるな…昔のことでも思い出してるんでしょうがそろそろ引き上げますか)


「あなたは今僕らのギルドマスターであり王女を守り国を守る重要な役目の途中です。今後も警戒していきましょう」


「あぁ…わかったよ副ギルドマスターさんよ」


 ヴィリオとゼルツは情報を共有して一方はトイレの個室にもどり一方はまた尾行を続けたが腕の立つメイドとオフィーリアが合流したのでその場を後にした。ゴミ溜めの臭いがきつかったため帰った後すぐに誰もいない風呂に入り制服を洗濯したのであった。ゼルツはゼインとして学校にもどり廊下歩いたときその匂いは激臭で周りからは変な目でその日見られたという。




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